夕立ち(3話)
↑このお話の続き
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ごめんください…
部屋の中は真っ暗だった。
あの灯っていた明かりは、もう消えてしまったのかな。
夕日が沈むみたいに。
もう眠ってしまいましたか。
私を泊めてもらえませんか。
扉の近く、水槽のさかながパクパクと口を開いた。
ご主人、電球が切れて、
なぜだか静かになっちゃったよ。
君は迷子かい?
迷子だねえ。
あれ。君天使?天使だね?
珍しいこともあるもんだな。
ちょっと待ってなよ。
ご主人にはあんたが見えないはずだから。
取り次いであげよう。
そういってさかなは、
鈍い色に光る水槽の中、
ダンスを踊り始めた。
28years old,3.21,Mizuki
絵を描くのは楽しいですが、 やる気になるのは難しいです。 書くことも。 あなたが読んで、見てくださることが 背中を押してくれています。 いつもありがとう。