見出し画像

言葉についての短編集①

普通と普遍について

“普通(ふつう)と普遍(ふへん)は違う。
普通は単に「ありがち」なこと
よく起こること。その中には、どんなことでも含まれうる。

普遍は、それが現れる頻度に関係なく
「それが、仮に全員によって体現されたら、どんなにかいいだろう」
というようなこと。倫理にかなった、素敵なこと。
だから、完璧な普遍性などというものはないのかもしれないが、
「より普遍的なもの」はあるような気がする。
実は誰もが、意識的にも無意識にも、
普遍性を求めていろいろなことをしているんじゃないかと、
うちはふと思ったりもする。

ちなみに、よく啓発本などで、
「普通であることが大事」が言われるが、
うちはその言葉を文字通り受け取らない。

文脈に照らせば、たいていの場合は、
それは実のところ普遍のことを言っているのであって、
なにも「世の中の平均的かつありがちな行動をなぞれ」
と言っているのではないと思われる。
「奇を衒うのではなく、他の人に迎合するのでもなく、
本当に自分の心が納得することをやろう」ということだと思う。

もし本当に、文字通り「普通であることが大事」だとすると、
略奪が普通のことになってしまった社会では、
それを行うことが善になってしまうでしょう?

うちは、たとえば戦争ってそういうことだと思うんだけど。

そうではなくて、
それぞれが自分の心に聞いてみて、
それぞれが決断する社会の方が、
普遍的で、素敵だと思う。“

※文頭の画像はDaniel NebredaによるPixabayから

絵を描くのは楽しいですが、 やる気になるのは難しいです。 書くことも。 あなたが読んで、見てくださることが 背中を押してくれています。 いつもありがとう。