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Mizuki
2021年2月27日 20:52
↑このお話の続き。雨粒の天使雨は雲を離れ、地上へと向かう。一粒で。空中に孤独。音立てることもなく。波紋をつくり地上の水の仲間入りをするまで、ひとりで。わたしは、雨みたい。天の世界から離れて、地上にたどりついて。でも、雨みたいに浸みていくことはできないでいる。濡れた髪。ぬれた翼。私にはつばさがあって、それはこの場所でも変わらないこと。翼が折れなく
2021年2月11日 13:13
雲が閉じたとき、おとうさんはこちらをみて何か言おうとした。光の筋にのって雲の上まで帰ろうとした夕方わたしは間に合わなくて、雲のこちら側に、取り残された。口を開いて、「まって」といおうとしたとき、雨がどっとふってきた。翼がぬれて、はばたきができない。息も、できない。こんなのはじめて。下を向いていないと息ができなくて、つばさの付けねが痛くなるほど羽ばたいても、