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Amazon Prime Videoで「AIR/エア」観た

まあハチャメチャに面白かったです。
大好きです。

今やマイケル・ジョーダンを知らなくても「エア・ジョーダン」は知ってる、って人も多いんじゃないでしょうか。
伝説のシューズですよね。
今も復刻され続けていますが、スニーカーブームも落ち着いたっていうのにⅠ~Ⅴくらいまではまだ(特にオリジナルカラーは)買えないですからね。

バスケットボール選手がジョーダンブランドと契約することは名誉とされ、
ここから始まったとされる「シグネチャーシューズ」、つまり個人の名前を冠したモデルをメーカーに作ってもらうことはスポーツ選手として超一流の証。

こちらでも書いていますが、
スポーツをカルチャーにした地球最大の功労者、マイケル・ジョーダン。

その彼が「AIR/エア」になる前夜。

物語は端的に言えばマイケル・ジョーダンがナイキと契約するまでを描きます。
言ってみりゃまあ史実です。

当時のNBAのシューズは「converse」と「adidas」が2大勢力。
コンバースはマジック・ジョンソンとラリー・バードを要しバスケットボール界に大きな影響力を持ち、
かたやアディダスはRUN-DMCを筆頭にヒップホップカルチャーと深く結びついていた。
ジョーダン本人はadidasユーザーだったってのも有名な話。

そんな中新興企業(ランニング界隈で名を挙げたばかり)のNIKEがどうやってニュースターであるジョーダンと契約できたのか。

まあ結論は皆さんご存じの通り「彼のためだけのシューズ」を作るわけなんですが、
史実を映画にしただけなのになんでこんなにワクワクするのか。
結末を知っているのに何でこんなにドキドキするのか。

自分がスニーカー好きだからなのか。
"あの"90年代に青春を送っていたからなのか。

そうじゃない気がする。
画面から感じる”熱”みたいなもの。
熱狂、ともいえる。
これのせいだと思う。

ブルズ・カラーをまとったシューズがNBAの規定に違反していることを知っていながら、罰金をNIKEが肩代わりしていた。
しかもそれを逆手に取ったCMを流した。
この話大好きなんですけど、これも同じ熱かもしれない。

基本ド・エンタメ映画が好きなんですが、
本作は別に派手なアクションがあるわけじゃない。
銃撃戦もないし人も死なない。
爆破もない。
スカッとする勧善懲悪もなければラブシーンも人助けもない。
「お仕事映画」と言い切ってしまうにはストーリーもその結末も有名に過ぎる。

ただ、
主演のマット・デイモンから
「インディ・ジョーンズシリーズ」のジョーンズ博士や
「ダイ・ハードシリーズ」のジョン・マクレーン、
こういう人たちと同じ匂いがする。
同じ熱を感じる。

思いたったら一直線!
倒れるときは前のめりだ!

「まっすぐ行ってぶっとばす、右ストレートでぶっとばす」
「オラワクワクすっぞ!」

そんな感じ(どんな感じだ)。

ギャンブル好きなのも説得力があります。

実際の映像を使っているっぽい「伝説のウィニング・ショット」から物語は大きなうねりを見せ始めますが、
「人生を全ベットする価値のあるもの」を見つけた時
この熱狂は生まれるのかもしれません。
逆説的にその時に”しか”生まれ得ないものなのかもしれません。

ちなみに物語の鍵を握るマイケルの母、デロリス。
非常に知的でタフで最高です。

自分史上屈指の傑作だと思います。

観てほしいなぁ。

別にスニーカー好きじゃなくても十分楽しめる。
ただ予備知識はあった方がより良い。
adidas信者は少し嫌な気持になるかも。

★★★★★

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