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泉質解説⑥〜婦人病にはココ♨️〜含鉄泉

療養泉は、含有する化学成分の種類や量によって10種類の泉質に分けられます。

泉質によって、特徴や期待できる効果、適応症、禁忌症が異なり、温泉を選ぶ際の一つの目安になります。

10回にわたってそれぞれの泉質について解説していきたいと思います。

前回は二酸化炭素泉について解説しました。↓

第6回は含鉄泉(がんてつせん)です♨️

温泉水1kg中に、鉄(Ⅱ)イオン・鉄(Ⅲ)イオンを合計20mg以上含むものを言います。

鉄分を多く含み、空気に触れて酸化すると黄色や金色、赤褐色、鉄錆色になります。

泉質別適応症

浴用
なし
飲用
・鉄欠乏性貧血

さらに、平成26年の鉱泉分析法改訂以前の泉質別適応症は、

浴用
・月経障害
飲用
・貧血

とされていました。

改訂前の適応症は伝統的に信じられてきた経験的見地によるもの、改訂後の適応症は最新の医学的知見によるものです。
改訂前と改訂後、どちらの効果も期待していいでしょう。

温熱効果が高いため、浴用では、冷え性や月経障害、更年期障害など、女性に多い症状の他、リウマチ性疾患、慢性湿疹、苔癬(たいせん)などに効果があります。

また、鉄分は身体に吸収されにくいため、貧血の改善を期待して含鉄泉に入る場合は、浴用だけでなく、飲用もすることがおすすめです。
ただし、鉄分の過剰摂取は、鉄中毒や肝機能障害を引き起こすリスクがあるので、飲泉量には注意が必要です。
1日の鉄分の摂取量の目安は、健康な成人で10~12mg、貧血の治療では18mg程度とされています。実際には他の食品からの摂取もあるため、飲泉量はこの8割程度に留めておくのが安全でしょう。
また、飲泉する場合は、飲泉可能なお湯かどうか必ず確認しましょう。

代表的な温泉地

・鳴子温泉(宮城県)
・加賀井温泉(長野県)
・有馬温泉(兵庫県)
・花山温泉(和歌山県)
・雲仙温泉(長崎県)
・鉄輪温泉(大分県)
・塚原温泉(大分県)

おわりに

全国には「赤湯」と呼ばれる茶褐色の温泉がたくさんありますが、その中で含鉄泉の基準を満たすものはごくわずかで、日本では珍しい泉質です。

その代わり貧血や婦人病に対してはピンポイントで高い効果を期待できます。
このような症状でお悩みの方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。


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