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泉質解説⑤〜シュワシュワの泡で身体ポカポカ♨️〜二酸化炭素泉

療養泉は、含有する化学成分の種類や量によって10種類の泉質に分けられます。

泉質によって、特徴や期待できる効果、適応症、禁忌症が異なり、温泉を選ぶ際の一つの目安になります。

10回にわたってそれぞれの泉質について解説していきたいと思います。

前回は硫酸塩泉について解説しました。↓

第5回は二酸化炭素泉です♨️

温泉水1kg中に遊離二酸化炭素(炭酸ガス)が1000mg以上含まれるものを言います。

旧泉質名は「単純炭酸泉」で、現在でも「炭酸泉」と呼ばれることがあります。非常に紛らわしいのですが、第3回で解説した「炭酸水素塩泉」とは異なる泉質です。
炭酸水素塩泉は炭酸水素イオン、二酸化炭素泉は炭酸ガスと、同じ「炭酸」という言葉が付くものの異なる成分が含まれます。

二酸化炭素泉は別名「泡の湯」とも呼ばれ、入浴すると身体に炭酸の泡が付着します。
また、炭酸飲料を温めると炭酸が抜けてしまうように、高温だと炭酸ガスが気化してしまうため、泉温が低い場合が多いのが特徴です。

泉質別適応症

浴用
・きりきず
・末梢循環障害
・冷え性
・自律神経不安定症
飲用
・胃腸機能低下

さらに、平成26年の鉱泉分析法改訂以前の泉質別適応症は、
浴用
・高血圧症
・動脈硬化症
・切り傷
・火傷
飲用
・慢性消化器病
・慢性便秘

とされていました。

改訂前の適応症は伝統的に信じられてきた経験的見地によるもの、改訂後の適応症は最新の医学的知見によるものです。
改訂前と改訂後、どちらの効果も期待していいでしょう。

炭酸ガスが皮膚から吸収されて血管を拡張するため、血行が促進されます。このため、体温より低い温度のお湯であっても、浴後は体温が上昇します。
二酸化炭素泉はぬるい場合が多く、冬の寒いときには上がるのに勇気がいりますが、上がった後は2,3分もすれば身体がポカポカになり、夜はグッスリ、ということがよくあります。
また、心拍数を増加させずに血行を促進できるため、心臓への負担が少なく、血圧を下げる効果もあり、「心臓の湯」とも呼ばれます。

飲用では、胃腸を刺激することから利尿作用や食欲増進にも効果があります。炭酸飲料のような爽やかな喉越しが特徴です。

代表的な温泉地

・利尻温泉(北海道)
・みちのく温泉(青森県)
・玉川温泉(秋田県)
・中子沢温泉(新潟県)
・増富温泉(山梨県)
・湯屋温泉(岐阜県)
・吉川温泉(兵庫県)
・花山温泉(和歌山県)
・長湯温泉(大分県)
・七里田温泉(大分県)

おわりに

二酸化炭素泉は、日本では温泉全体の0.6%しかない珍しい温泉です。
また、炭酸飲料の気が抜けるようにすぐに成分が失われてしまうので、二酸化炭素泉においては特にお湯の新鮮さが大切になります。加温や循環がされていない施設を選びましょう。


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