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怜子について...

『愛していると言ってくれ』じゃないんです『愛していると云ってくれ』なんですね。

彼女の4枚目のアルバムです
こちらが曲目

『わかれうた』ならご存知かと思います。
①の『元気ですか』は詩の朗読で歌ではありません。フラれた女性のジワジワと滲み出る恨み節...途中からバックで流れるフランクの前奏曲フーガと変奏曲が果てなき絶望感を増してくれます。
涙声になりながら朗読を終えると...
②の『怜子』です。
いきなり、怜子という名前の叫びから入ります。
気を抜いてるとびっくりします。
この、びっくりしたなぁもぅ..感。

この感覚、キングクリムゾンの『21st century schizoidman』を聴いた時と同じ...
あれ?ボリュームが小さいのかな?と思いきやいきなり大音量で始まる演奏...

話を戻しましょう。
この『怜子』、歌の主人公が女性と男性ともとれます。
『怜子』というちょっと垢抜けない感じの女性に男が出来た。
その『怜子』に嫉妬するフラれた元彼?
いや、そんな『怜子』に彼を取られた友人女性?
そんな幸せな『怜子』に対し、不幸を願ってしまい、胸が痛む私。
きっと『怜子』のことをどこかしら自分よりも格下に見ていたのでしょう。そんな『怜子』は恋をしてどんどん綺麗になっていく。
対して私は...『怜子』の不幸を願ってどんどん醜くなっていく。
人間て、嫌ねぇ...
人間て、そんなものなのよ...
綺麗に生きたくても、それだけじゃ生きていけない。
①の『元気ですか』の続きで②の『怜子』だとすると、主人公は女性なのかな?と。

人生の教科書の裏版を歌っていた頃の中島みゆきさん。
とても、好きでした。

愛とか、正義とか、平和とか...
そんなものだけじゃ人間は形成されない。

言うなれば、灰汁で満たされ、辛酸舐め、酸いと甘いを知ったからこそ、人に優しく寛容になれ、弱い自分を愛せるのだな、と。

だが、中島みゆきさん、このアルバム当時26歳。
人生達観するのに早熟過ぎやしないか。


いつまでも、人間の路地裏の部分を歌っていて欲しかった。
近年はお題が壮大になり過ぎて、彼女の歌から遠ざかってしまった。

いや、もしかすると...
私がいつまでも過去に立ち止まり動けなくなっているだけなのかも知れない。

残念ながら、本人歌唱がありませんでした...

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