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香川県が「うどん県」と呼ばれる本当の理由

小野ウどんです。
前回、僕なりの伝統との向き合い方について触れました。

今回はなぜ香川県がうどん県と呼ばれるのか、その本当の理由について僕の考えを述べさせていただきます。

まず、讃岐うどんは皆さんご存じかと思いますが、どういううどんかと聞かれたらなんと答えますか?

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香川県が「うどん県」と呼ばれる本当の理由

ほとんどの人は「コシが強い香川のうどん」を答えるでしょう。ではなぜ香川県はコシが強いうどんを作ってきたのでしょうか。

まず、香川県は瀬戸内海に面していて海から塩やイリコがたくさん取れます。加えて四国は雨量が少ないので米よりも雨に弱い小麦粉を育てるのに適した土壌があります。そりゃ香川県は「うどんが主食」になるのも納得。

昔は小麦粉も今のような真っ白な洗練された粉ではなく、茶色っぽくて今でいう地粉って感じのボソボソしたものでした。今のように弾力やモチ感を出すのが極めて難しく、今のような口当たりが良いうどんではなかったようです。

さらに昔は冷蔵庫なんてないので、保存性を高めるために塩をうどんに入れたところ、硬さが増して、食べ応えが出て、貧しくても戦時中でも満腹感も得られるコスパのいい食料になったのです。ラッキー♪

塩を入れて硬くしたはいいけど、硬すぎるから手では無理だから足で踏もう!ということで世界的に驚かれる「食べ物を足で踏む」という風習が生まれたわけです。

塩にはうどんに含まれるグルテンという粘弾性のある物質、いわゆるコシを強化する働きがあります。これに気づいて、どうせなら硬いだけより心地よい弾力をもった美味しいうどんを目指そう、ということで先人たちは今の讃岐うどんに向かわせていったのだと思います。

その後、昭和40年代に大転換が起こりました。オーストラリアには讃岐うどんが目指す小麦粉の土壌があるぞっていうことで、讃岐うどん用の小麦粉をオーストラリアで作って輸入するという大胆な策に転じ「ASW」という今最も讃岐うどん作りで使われている品種が爆誕し、滑らかツルっとモチっと程よい弾力的なザ・讃岐うどんになったわけです。

香川県はうどん店が多くて、みんなうどんばっかり食べるからうどん県だ、という認識があるかもしれませんが、本質はそこにはないと思っています。

うどんを美味しく食べるために、固定観念にとらわれずに時代に適応し、進化させていった、全国でも稀な情熱うどん人たちがいたから「うどん県」と呼ばれるのだと。

でも同時に伝統がどうとか関係なく、純粋に「こうしたい」っていう思いを形にしていっただけなんだなあとも思うわけです。

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