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春のお彼岸と春分の日 「お彼岸」は何をする期間?

暖かさを増した今日この頃。
春の陽光が穏やかに心地よく降り注ぎ、街角には色とりどりの花々が咲き誇っていますね…😊

神社境内でも、さまざまな花を咲かせています🌸

さて、令和6年3月21日は「春分しゅんぶんの日」です。

「春分」とは、「二十四節気にじゅうしせっき」のひとつ。
二十四節気とは、太陽の動きをもとに1年を24分割した暦のことで、それぞれ四季折々の暦名が付けられています。

天文観測で太陽が黄道上の「春分点」を通過した日を「春分日」と呼び、その日から「春分」がはじまります。


◆しっかり春を感じられる「春分」

「春分日」には昼と夜の長さが同じになり、この日を境に昼がだんだん長く、夜が短くなっていきます。

「春分日」は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」として「春分の日」という祝日制定されていますが、戦前までは、春季皇霊祭しゅんきこうれいさいという国家の祭日でした。


◆「春分」と「春季皇霊祭」

春季皇霊祭しゅんきこうれいさいは、皇室の「大祭」として毎年「春分の日」に斎行さいこうされている、皇祖の御霊みたまを祀る大切なお祭りです。

祝日の名称は変化しましたが、現在もこの日には、皇居にある宮中三殿の一つ、「皇霊殿こうれいでん」にて、皇族や閣僚の参列のもと、天皇陛下自ら祭典を斎行、御告文を奏上そうじょうし、歴代天皇はじめ皇后・皇族すべての皇祖の御霊みたまをお祀りします。

皇霊祭は年二回行われ、春分の日と同じように昼と夜の長さが同じになる秋の祝日である「秋分の日」にも「秋季皇霊祭しゅうきこうれいさいが行われています。

どちらも天皇陛下が御自ら、親しくご奉仕される皇室の大祭となっており、伊勢の神宮をはじめとする全国の神社では、両日ともに「春季皇霊祭 遥拝式ようはいしきが執り行われます。


◆春分の前後一週間は「春のお彼岸」

「春分の日」は春の「お彼岸」の中日にあたり、お墓参りをする季節でもあります。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、春分の日と秋分の日を中日とした前後3日間を合わせた7日間は「お彼岸」の期間です。

「お彼岸」と聞くと、仏教の行事と思われる方も多いかと思いますが、その源流には古来よりの日本の先祖祀りがある、外国に由来しない日本独自の行事です。

太陽が真東から昇り真西に沈み、昼と夜の長さが同じぐらいになるお彼岸は、|幽世《かくりよ》と現世とが交流するに相応しい時期だと考えられてきました。

豊作に不可欠な太陽を祀り祖霊の加護を祈る、古来からあった儀式と結びついて、お彼岸にはお墓参りをする習慣ができたといわれています。


◆ご先祖様を敬い、春の訪れを祝う

「祖霊」というのは、その家の「ご先祖様」のこと。

家を守護し血族を守る、誰にとっても直接的な繋がりを持つ存在です。

故人の魂である御霊みたま「祖霊」から、大神のお護りとお導きを頂きながら子孫の追慕ついぼを受け、家の守り神である「祖先神」となり、時間の経過と共に清まって“神”の位に昇られ、日本の国をも守る「八百万の神々の一員」となります。

「お彼岸」と似たような行事で「お盆」がありますが、「お盆は祖先の霊を“家に迎える”行事なのに対し、お彼岸はお墓参りをして祖先に“会いに行く”という側面が強い行事です。

出会いと別れの春ですが、昼が長くなり春の訪れを感じることができるこの日に日本人は自然への感謝をし、ご先祖様を敬い、春の訪れを祝ってきたのです…🌺

今月は、そんな春のお彼岸によせた「春光」御朱印の授与を行っています。

当社御祭神である小野篁公が諒闇りょうあんの年(天皇が父母の死にあたり喪に服する期間)に詠んだと伝わる
水のおもに しづく花の色 さやかにも 君がみかげの 思ほゆるかな
の歌がテーマとなります。


紹介ページの方もどうぞご覧ください…🌸

皇室の大祭として、率先して陛下がお示しになられる祖先への感謝。
「春分の日」には、古来より大切な人を偲んできました。

心を静めて故人を偲ぶ、静かな時間をお持ちください。

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