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暑さ本番! 風鈴に打ち水…工夫して暑さを楽しむ 「納涼」

毎日暑さが続きますね。

例年「納涼」と銘を打った催しが多く行われるこの季節。
風鈴、浴衣で花火、打ち水など…日本人は蒸し暑い夏を工夫して過ごしてきました。

当社境内では暑い日が続く中でも、ふとした瞬間に感じる「涼」を大切にと、多くの風鈴で皆様をお迎えしています。
ご参拝の際は、涼やかな音で風を感じてみて下さい🎐


今月の御朱印も、透かし紙との二層構造を活かし、「涼」を感じる奥行のある3面の見開き御朱印となります。
是非ご覧ください♪


暑い夏を工夫して過ごす『納涼』

「納涼」という言葉は、「夏の暑さを避けるために、涼しさや過ごしやすさを工夫して堪能する」という意味があります。

夕涼みで浴衣を着て風を感じたり、風鈴を飾って音で涼をとったり、夏の夜空に花火を見ながら涼んだり…🎆

感染症の影響で今年も大きな催しは少ないかもしれませんが、個人でも様々な涼の取り方ができます。

この季節よく見られる朝顔も見た目が涼しげなだけではなく、窓にすだれをかけて朝顔のグリーンカーテンを作ることで、室内の温度を下げる効果があるのだとか。

様々な涼しさを演出して、五感で涼を楽しむのが日本の「納涼」
日本人は昔から工夫して暑い夏を楽しんできたのです!


「打ち水」水の清めの力で爽やかに過ごす 

水分が蒸発する際に周囲の熱を奪う特性を利用した「打ち水」は、暑さを和らげる対策としてよく知られています。

日差しで高温になった地面に打ち水をすることで道路そのものの熱を奪い、一時的にですが体感温度を下げることができます。
しかし、現在の舗装された道路では水があまりしみこまずに気化熱が起こりにくい為、打ち水は朝夕の日が高くない時間帯、庭や舗装されていない道路に行うのが一般的です。


そんな打ち水の効果ですが、ただ単に清涼効果を得ることだけには留まりません。


納涼だけじゃない! 「打ち水」の力


「打ち水」「お客様へのおもてなし」でもあります。

お客様をお迎えする際、準備が整った後に門前に打ち水をして、支度が整ったことを知らせます。打ち水を行った門前は色を深め、植物はしっとり潤い、道中にひとときの清涼感を与えられます。迎えられる側も、目に見える「おもてなしの心」に触れることができるのです。

一方で、打ち水には「その場を清める」という意味もあります。
打ち水をすることで実際に汚れを流し、ほこりを静める効果が期待できると同時に、そこには水を用いた「祓え」という場を清める意味が内包されています。

現代も残る代表的な「水による清め」といえば、神社仏閣を参拝する際に水で清める「手水てみず」です。参拝前に水で手と口を清めて穢れをはらい、神聖な場所に入る前に心身を清める儀式です。

神道の「みそぎ」という水を用いた祓えの儀式は、さまざまな形で儀礼などにも取り入れられ、民間行事含めて現在も様々な習わしとして私たちの身近にあります。

「打ち水」は、クーラーの普及や舗装道路、そしてマンションなど集合住宅が増えたことなどにより、見かけることが少なくなった情景のひとつです。見かけると懐かしい気持ちと夏の情緒を感じさせてくれる「涼」を運ぶ素敵な習慣です。

日本人は昔から、工夫して暑い夏を楽しみながら乗り越えてきました。

まだ我慢が必要な時世ではありますが、早く皆で集まれる日が来ることができますように。

今年の夏も暑さが厳しいですが、体調に気を付けて元気に乗り切っていきましょう。



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