末社・三峯神社のはなし ~現代に受け継がれる江戸の山岳信仰~
9月は当社境内にある三峯神社の例祭月です。
本殿の左手にあるお社は、当地の御嶽信仰者によって古く創建された「御嶽神社」に、江戸末期に「琴平神社」が、大正時代には埼玉・秩父にある「三峯神社」より御分霊を受け、相殿で三社がお祀りされているものです。
三峯神社と山岳信仰
三峯神社とは、景行天皇の命により東国平定に遣わされたヤマトタケルノミコトが、秩父の三峯山の山川が清く美しい様子をご覧になり、国をお生みになられたイザナギノミコト・イザナミノミコトの二神を偲んで創建されたという古い謂れのある神社です。
富士信仰や御嶽神社もそうですが、江戸時代も中期を過ぎると世情も安定し市民にも国を越えた行き来が可能となり、江戸の町には関東近県の山岳信仰が隆盛を極めました。
当社から徒歩7,8分の下谷一丁目にも分祀社があるように、地域の信仰も篤く、当社の三峯神社は入谷講社によって、御嶽神社は大神講社によって祭典が執行されてきました。
神格化されたオオカミの神使、「大口真神」
さて、三峯神社の神様の使い(神使)はオオカミです。
当社の境内の三峯神社の正面にも、しっかり神使のオオカミの石像が鎮座されています😊
神話の中でオオカミは、大和国(現在の奈良県)の飛鳥の逸話に登場します。
老いた狼がたくさんの人を食べたということで、畏怖をもって大きな口をした神・大口真神と呼ぶようになりました…💀
ただし、大口真神は人々から恐れられていただけではなく、日本神話最大のヒーローであるヤマトタケルノミコトの物語にも協力者として登場します✨
ヤマトタケルと白い狼
ヤマトタケルノミコトが信濃国(現在の長野県)を旅していた時、白いシカの姿をした山の神が現れます。
山の神はヤマトタケルノミコトが投げつけた野蒜(全国で自生する、食べられるネギ属の野草)が目にあたり倒れてしまうのですが、その祟りか道に迷ってしまうヤマトタケルノミコト。
そんなヤマトタケルノミコトの道案内をして、危機を救ったのが白いオオカミ(山犬)だったことから、現在もヤマトタケルノミコトと縁の深い神社にはオオカミが祀られているのです🐺
狼=オオカミは大神ともあてられ、こうした逸話は『もののけ姫』に登場するシカの姿をした『シシ神』や、そのシシ神の森を守護する白い犬神『モロ』が想起さされますね🙂
三峯神社の本社のある秩父山地は、かつてオオカミの生息地でした。
そしてその代表的な神社が、当社にも末社で祀られている「三峯神社」というわけです…!
オオカミは畑を荒らすシカやイノシシなどの害獣から作物を守護する動物であったことから盗難除け・魔除けの象徴として、親しみを込めて「おいぬさま」とも呼ばれ、現在も三峯神社をお護りする神使として広く信仰されています。
末社 三峯神社は、当社の南鳥居すぐのお社です。
どうかこの機会に、本殿と合わせてご参拝くださいね♪
◆「足利学校・雅楽の夕べ」のご案内
今年の「足利学校・雅楽の夕べ」は10月10日(月祝)午後5時からになります。
どなた様でも無料でご観覧が可能ですので、是非、足をお運びください。
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