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社会的比較理論を考えてたら自己肯定感が上がった

社会的比較理論とは

1954年アメリカの社会心理学者レオン・フェスティンガーにより提唱された、人は正確な自己評価をするために他者と比較する傾向があるという理論。

周りの人と比較して自分の社会的な位置を確認するというものです。

人はいつでも比べたがる

人は他者と比べて自分より他者が劣っていると、優越感や安心感を感じたりします。

収入、学歴、地位、成績、評価、フォロワー。
容姿、人気、信頼、幸福感。

肩書きや数字として目に見えるものや、価値観などの目には見えないものも、他者と自分を比較しながら生きています。

それは不確実性を低減させるため。つまり、比較対象がないと自分の現在地を確認できないから、他者を比較対象とするのです。

たとえば、あなたが年収500万円だとします。
周りの平均年収が400万円のコミュニティと、年収1億円のコミュニティにいる時では、自分の立ち位置はまったく違うように感じるはずです。

では、どちらの世界で生きたいでしょうか?

自分の位置を確認して安心するためには、
年収がいくらか、どれだけ稼いでいるか、ではなく

自分が他の人よりも多く稼いでいること

が大事だということです。

下方比較と上方比較

下方比較は下を見るということ。
「人を下に見る」というのはあまり良いこととは言えませんね。ですが私たちは、自分より優れていない人や自分より不幸な人と比較して、「自分はあの人よりはまだマシだ」と考えて安心するのです。


上方比較は自分より上の優れている人と比較して、「自分はまだまだだな」と向上心をもつことができます。「人を上にみる」とは尊敬することであったり、追いつきたいというモチベーションにつながる場合は有効な気がします。

比較するメリット・デメリット

他者と比較するのが必ずしも悪いことではありません。下方比較をすることでのメリットもあります。

自分が落ち込んでいる時や自信を失っている時には、下方比較で自分より不幸で劣っている人を見て「自分はまだ大丈夫」と心を落ち着かせることも必要です。

自分自身の精神の安定は最も重要なことですからね。

逆に、向上心を持って上方比較ばかりしていても、時には「頑張っても追いつけない」と悟ることがあると思います。やがて自信を失って心が折れてしまう可能性があります。これは上方比較のデメリットです。

上を見過ぎてもいけません。

誰と比べればいいのか

では、誰と比較するのがいいのでしょう?

同じぐらいの人と比較するのがいい
と言われています。

わかりやすいのはライバルですね。
ライバルと競い合い、切磋琢磨しながら成長する。
相手を認めているからこそ、優位に立てれば満足感が得られ、負けていれば悔しいと奮起して、また追いつき追い越そうと思います。

負けなくないと思えて、尚且つ頑張れば追いつけそうな他者

そんな良きライバルと比較するのが一番良いことに思えます。


テストの点数や収入、地位のように順位や数字で現れるものは明確に比較できますが、幸福感や信頼、人望などはどうやって比べるのでしょうか?

結局、自己肯定感が大事

多様性が認められる時代において、社会的比較理論は曖昧さが増しているように思えます。

一体、何を誰と比較すれば良いのでしょうか。

CD売上ランキングはもう存在しません。
視聴率が低いドラマが実は質の高いドラマだったりします。
「ドライブ・マイ・カー」はきっと人によって感じ方が違う映画でしょう。
渾身のブログ記事より、短時間で適当に書いた記事が多くのスキをもらえたことがあると思います。

数字や順位は本当の自分の位置を確認できるものではないのかもしれません。自分が良いと思ったものと他者の承認が一致しているとは限らないのです。

幸福感は自分にしかわからないもの。
お金があれば幸せか
恋人がいれば幸せか
結婚していれば幸せか
子供がいないのが不幸なのか
離婚したら不幸なのか


みんな違ってみんないい。
そんな時代には、過去の自分と比較して、今の自分の現在地を自分で確認するほかに比較対象がありません。

昨日の自分より成長しているかどうか。
結局、自己肯定感が大事に行き着きました。

自分と比べるのなら下方比較も上方比較も自由自在です。

落ち込んでいるなら過去の不幸な自分を見ればいい
向上心がある時は未来の理想の自分を見ればいい


現在地は自分で決めることができるのだから。

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