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映画『月の満ち欠け』 何度も生まれ変わって、あなたに会いに行く

2017年の直木賞受賞作。佐藤正午の原作小説は、ほんの数ページでスッと惹き込まれる文章センス。一文一文が伏線のように感じられて、どう繋がるんだろうなとワクワクしながら一気に読めます。

ファンタジーではあるけれど、「もしかしたらこんなことあるかもしれないな」と思えてくるなら、きっと愛する人が頭に浮かんでいるのでしょう。


映画『月の満ち欠け』

廣木隆一監督による映画版。主演は大泉洋、ヒロインの"瑠璃"を演じるのは有村架純。そのほか柴咲コウ、目黒蓮、伊藤沙莉など豪華キャストの共演です。

出典:映画『月の満ち欠け』公式X

1980年12月8日。
ジョン・レノンの命日に小山内堅と妻のこずえは結婚し、正木瑠璃は三角哲彦に出会います。

やがて小山内夫婦に娘が誕生。こずえは「名前は瑠璃にしてほしいと夢の中でお願いされた」と堅に話し、娘を瑠璃(るり)と名付けました。

七歳になり、高熱が何日も続いたある日のこと。ようやく回復した瑠璃は急にどこか大人びたような仕草を見せ、こずえは違和感を感じるのでした…。

一方、大学生の三角(目黒蓮)は年上の女性・正木瑠璃(有村架純)に恋をします。お互いに惹かれ合ってはいるものの、瑠璃は夫がいることを打ち明けられずにいました。ある日、夫に朝帰りを激しく咎められた瑠璃は家を飛び出し、三角の元へと向かいますが…。

出典:映画『月の満ち欠け』公式X

“瑠璃"という名前の女性をキーパーソンとした、感動のファンタジーラブストーリー。

劇中曲にはジョン・レノンの『Woman』とオノ・ヨーコの『Remember Love』が使用されています。

『Remember Love』はあらゆる時代の"瑠璃"をつなぐキーとなる曲です。

小学二年生の娘が急に "おとなびる"

瑠璃はクマの縫いぐるみを「アキラくん」と呼び、教えてもいない英語の歌を口ずさみ、デュポンのライターを知っていて、思慮深い目をするようになっていました。

七歳のふつうの女の子を装って、演技しているのではないか?

ある日、娘はひとりで電車に乗って
高田馬場のレコードショップへと向かったのでした──。


月が満ちて欠けるように、生と死を繰り返す。
何回死んでも生まれ変わってあなたの前に現れる。

強い未練を残して死んだ者は、前世の記憶を持ったまま生まれ変わるのです。

実はみんな誰かの生まれ変わりで、ただそれを忘れているだけ。そう考えれば、ありえない話ではないかもしれません。

瑠璃も玻璃も照らせば光る

つまらぬものの中に混じっていても、すぐれたものは光を当てれば輝いてすぐにわかる


生まれ変わっても
あなたのことはすぐにわかるよ


"感動のファンタジーラブストーリー"
なんて言うには軽すぎる


胸打つ深い愛の物語。

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