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思索

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キューバの彼が教えてくれた事

キューバの彼が教えてくれた事

次はどこに行くの?

「次はシベリア鉄道に」

「メキシコシティでマヤ遺跡を」

「ペナン島で世界遺産のブルーマンションに」

「そこ私も行きたいんだよね」というお世辞ともつかない返事に、いつも同じ返事を返していた。

「行けばいいんですよ。行こうと思えばどこでも行ける」

37カ国も旅をしていると「言葉は話せなくてもなんとかなる」ことを知っている。パスポートとお金さえあれば大丈夫。
人間が住んで

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かき氷がすごく好きです

かき氷がすごく好きです

今から6年前。
新宿の追分だんごで食べたいちごのかき氷がきっかけだった。
祭の「カップかき氷」とは明らかに異なる柔らかな氷のたたずまい。
胸をときめかせた。

会う友達会う友達に、かき氷の美味しさを熱く語った。
「湘南にすごいところがある」「長瀞は行ったか」と2人の食通が情報をくれた。

どちらも、ずいぶん遠いなと思った。
ある晴れた日、日帰り旅行がてら湘南を訪れた。埜庵という店だった。角を曲がる

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物差しの目盛り違い

物差しの目盛り違い

※同じテーマのnoteを書こう! 企画により、「飛行機」をテーマに書きました。下記ハッシュタグからほかの方の note も読めます。 #飛行機 #同時日記

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東京・羽田から飛行機に乗って1時間と少し。
降りるともんわりとしたぬるい空気がまとわりついてくる。
そこはわが故郷、高知県。

実家では、食べ物が異常に出てくる。
家族はツヤツヤまるまるして、善良そうな笑顔をし

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春はすぐそこに

東京の新宿三丁目。3月とはいえ夜になると、まだ寒さが身にしみる。足早に無表情で歩く人たちに紛れていると、ふと心に浮かぶ店がある。

せわしない街の一角に、大きな世界堂ビル。横手にある狭くて暗い階段を降りると、『西尾さん』という居酒屋に行き当たる。

 ほとんどの場合、階段を降りる前に「ごめんなさい。今夜の西尾さん 満席です。ここまでありがとうございました」という紙が貼られている。西尾さんは知る

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ゴールはどこなんだい

神楽坂にある野菜が美味しい居酒屋にいた。
山田(仮名)が新卒から1000万貰えるという噂の会社に、中途で採用された。すごいねぇ、なんて話をしていたら、「実は学力SPIテスト、0点に近かったんだよね~」と朗らかに言った。

グレープフルーツサワーの氷がカランと音を立てて回った。

いろいろな人の話を総合すると、山田を採用するかどうかは、紛糾を極めた。今の会社でヒット商品を作っている。だいぶ特殊な業務

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