[日本ハムファイターズ観戦記] 6/23 またも何の見せ場もなく完敗

楽天 4x - 0 日本ハム

 いよいよ前代未聞の同一チーム相手・同一球場での6連戦の開始。これは8月の第3週まで9カード連続で続くので、ここでの戦い方がペナントを制するといっても過言ではない。その大事な初戦でしたが、楽天相手に手も足も出ない完敗。開幕戦と同じようなスコアですが、運の悪さもあった西武戦に対して、実力差を思い知らされての一戦でした。

 先発マルチネスは一昨年の秋以来、約1年9ヶ月ぶりの実戦登板だったわけですが、初回を無難に立ち上がったものの、それでホッとしてしまったのか、2回は緊張の糸が切れ集中力がなくなったように見えました。浅村、そしてロメロと、簡単にストライクを取りに行った高めの甘い初球を打たれての一発であっさり先手をとられ、以降はやることなすこと後手に回り、為す術もなく土俵を割ってしまいました。マルチネスのタマは悪くないように見えたので、不注意以外のなにものでもない。甘いタマを逃さないのはほかの選手も同様でで、ロメロは「マルチネスは初回はストライク先行で来ていたので、初球から積極的にいこうと思った」とコメントしていたようですが、要は鶴岡の配球も見透かされていたということ。初球の甘いタマを逃さず一発で仕留める相手打線の技術と集中力の高さ、相手の配球傾向を即座に見抜いて的確な対策を立てるベンチワークの鋭さがあってのこと。そして一発攻勢だけでなく、犠打や犠飛など小技も絡めてしっかり1点をもぎ取っていくソツのない攻撃ぶりも光りました。2,3,4回と先頭打者の出塁を確実に点に繋げる堅実さは、今の楽天というチームが相当高いレベルにあることを示していると思います。繰り返しますがマルチネスのタマは悪くないように見えたので、とにかく今後は落ち着いてピッチングしてくれるよう願います。今日の良かった点といえば、村田と鈴木健が今季初登板で無難に抑えた点でしょうか。

 ソツのない楽天打線に対してハムは、去年も一方的にやられた弓削相手に、何の工夫もなく凡打の山を築くばかり。弓削は昨年、ハム相手に3試合2勝0敗 19回1/3投げて被本塁打0、防御率1.40だったのに、他チーム相手には5試合1勝3敗 24回0/3被本塁打5、防御率5.63と打ち込まれ、まさに「ハム専用機」だったわけですが、今季になってもハムは何の策も講じていないことがわかってしまいました。長身のせいもありますが、明らかにハム打線に自信を持って見下して臨んでいるのがありあり。今後も要所でハムにぶつけてくるでしょうし、早期の対策は必須です。3回二死1、2塁で大田の火の出るような当たりが相手の正面を突くなど、ツキがない面もありましたが、いずれにしろ散発5安打1四球では勝てるはずもない。特に中田と王は全くタイミングが合っておらず打てそうな気配が全くありませんでしたが、元から調子が悪かった王はともかく中田は、せっかく好調にスタートしたのにこれをきっかけにまたドツボにはまりそうで心配。また楽天は弓削のあとに投げた中継ぎも完璧で、こういう試合展開だと終盤の逆転など期待できそうになく、とにかく先手をとって逃げ切るしかない。しかし楽天は打撃陣がまた強力で層が厚く、先行してもよし、終盤の逆転も期待できる。予想以上に今年の楽天は強敵です。

 あしたは新人・河野と涌井が予告先発。涌井は何度もやっている相手ですしお互い知り尽くした間柄ですが、河野は味方にとっても敵にとっても未知数。河野がせめて5〜6回ぐらいまで大崩れせず試合を作ってくれれば、なんとか勝負できると思います。

 あと気になったのは、スタメン落ちした野村はともかく、2試合ぶりにベンチ入りした清宮も出番がなかったこと。8回の中島に代打を出した場面は当然清宮でもよかったはずですが、出てきたのは同じ左の谷口。清宮は開幕戦で野村の代打に出て1ゴロに倒れて以来出番がありません。最近栗山監督の清宮への態度が素っ気ない気がするのは、もしかしてもう「飽きてしまった」とか? 個人的には復調の兆しが全くない王に代わってDHに清宮を使うべきだと思いますが……今後の栗山采配に注目です。

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