[日本ハムファイターズ観戦記] 6/21 大勝でカード勝ち越し

日本ハム 12 - 2 西武

 15安打12得点で大勝し、開幕戦をエースで落としたものの、連勝でカード勝ち越しを決めました。しかし12点のうち8点は、相手投手のレベルが落ちた8〜9回に集中してとったもので、途中まではヒヤヒヤものの試合経過。2回4回の満塁のピンチに1点でもとられていたら試合は全くわからなかったと思います。

 先発の杉浦は4回被安打4与死球5失点0。しかし実際の投球はまさに薄氷を踏むような内容で、2,4回はいずれも5〜6番から始まる打順で満塁のピンチを招き、なんとか後続を断って無失点に凌いだというもの。今日は中村と栗山という6〜7番に6安打7出塁と打たれまくってましたが、打線の巡り合わせでランナーがたまった状態で彼らに回ってこなかったのが勝因のひとつ。それというのも相手1〜4番を1安打3四球と抑えたから。もうひとつは昨日もブレーキだったスパンジェンバーグが、2度の満塁機で凡退してくれたこと。2回の右翼への大飛球はひやりとしましたが、それも含めてツキが杉浦とハムにあったと言うことでしょう。杉浦はストレートは良かったものの制球が定まらず、全体にタマが高く、特に変化球が抜けまくって毎回のようにピンチを迎えてましたが、ここぞというところで踏ん張りました。特に4回の無死満塁は胃の痛い思いをしましたが、彼にはいい経験になったはず。杉浦は球数が嵩みすぎて4回で降板しましたが、井口、堀、公文が5〜7回をテンポよく無失点に抑えて、ゲームの流れを持ってきたのも大きかった。堀は去年いろんなところで使われまくったのがいい経験になったようで、ストライク先行で勝負が早くなっていて、タマのキレも抜群。今年はいいところで投げることになりそうです。

 しかし不可解だったのは、10点差がついた8回に金子が投げたことです。おとといは3点ビハインドの9回、今日は10点リードの8回。起用に一貫性が全くない。引退寸前のベテランや、まだ実績のない若手ならともかく、金子ほどの実績のある実力者をどう使いたいのか、全くわからない。金子は「投げたがり」だと自分で言っていましたし、この起用法は本人も納得のうえなんでしょうが、今日の投球は雑というか、点差があったのでどんどんストライクゾーンに投げ込んだのをカンカンと打ち返され、あっという間に2失点。金子でなくてもいいような場面の登板であり投球内容で、いかにももったいない。彼はやはり先発させてこそじゃないでしょうか。どうせなら村田や新人の鈴木健、吉川など今季まだ登板してない投手を出せばいいのに……と思っていたら最後に出てきたのは吉川。ピンチは作ったものの相手の雑な攻撃に助けられなんとか無失点に抑えました。結果を出さないとすぐに2軍に落とされる立場なのは本人もわかっているでしょう。奮起を期待します。

 打線は相手先発に抑えられながらも、中田と大田の効果的な一発のおかげで、杉浦が連続ピンチに見舞われながらも、試合の主導権を握れたのは大きかった。相手先発の與座は5回ぐらいからタマが高めに浮き始めていましたが、それをきっちり捉えて6回に西川二塁打→大田進塁打→近藤タイムリーとソツのない攻撃で追加点をとり3点差にしたのは大きかった。與座は度胸もありそうだし、タマのキレもいい。楽天に行った牧田の後継者としていい働きをしそうです。それに辻監督は我慢強いというか、先発を引っ張る傾向にありますね。すぐ代えたげる栗山監督とは好対照ですが、辻監督のほうが若手は育ちそうです。

 中田、大田、清水に一発が出て、近藤も2安打、王、渡邊、中島、杉谷、鶴岡と今季初ヒットが出て終盤には打線がつながり大量点。1本ヒットが出るだけで気分的に全然違うという話なので、来週からの6連戦を前にいい結果が出ましたね。野村ひとりが蚊帳の外でしたが、こちらは結果が出ないので焦り、ストライクを見逃しボール球に手を出し、変化球攻めに苦しみ得意のストレートも打てなくなる悪循環。練習試合の時のバッティングが全く出来なくなっている。新人の去年も8月に末にケガで離脱して、いかんせん実戦での経験が少なすぎるので、徹底的にタイミングを外し配球を工夫して弱点をついてくる相手の攻めに対応する手持ちの技が少なすぎる。もう少し時間がかかりそう。明日1日おいてどれだけ気持ちを切り替えられるか。当然コーチの指導もあるでしょう。あるいは火曜の先発が予想されるマルチネスと入れ替えでファームでもう一度鍛え直し経験を積む、というのもありかも。

 いずれにしろ昨年のチャンピオン・チームに勝ち越したのだから悪くないスタートです。火曜からは同一チームとの6連戦という前代未聞の戦いが始まります。誰も経験したことのない戦いなので、どんなことになるか見当もつきませんが、同じチームとの6連戦、しかもすべて同じ球場で、となれば、出だしで躓いて悪い流れになると気分転換ができないままズルズル6連敗……なんて可能性もある。オリックスに勝ち越し調子に乗っている楽天とは、いつもロースコアのジリジリするような投手戦が多くなる傾向にあります。粘り負けをしないように。そして西武戦は昨日今日と先発が5回持たずブルペンを駆使したので、楽天戦はなるべく先発に長いイニングを投げてほしいですね。

 



 

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