[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022]4/20 無抵抗で完敗 (追記あり)

 最終回、2点とって松井裕樹を引っ張り出したのは良かったですが、抵抗もそこまで。結果的には僅差の試合ですが、内容的には完敗です。

 来日初先発のポンセは5回被安打8,与四球2、失点4と、結果だけ見れば合格点にはほど遠いですが、審判の判定に泣かされた感もあり、ランナーを出しながらも粘り強く投げていた印象があります。3打点の浅村よりも西川に2本打たれたのが痛かったですが、いずれも決して失投ではなく、打ったほうが巧すぎた、という感じ。次の先発のチャンスは普通にあるでしょう。今日に関してはキャッチャーが田宮だったのも影響してるんじゃないでしょうか。一軍に上がったばかりで、当然これが今季初マスク。ファームでも外野ばかり守っていてキャッチャーをやってない選手がいきなり1軍スタメンマスクです。日本のプロ野球で初めて投げる投手と、1軍出場もスタメンマスクも今季初めてで、相手打者との対戦経験もほとんどない若手捕手の組み合わせ。日本野球初体験のポンセのことを考えれば普通なら経験豊富なベテランの捕手、つまり宇佐見をあてがうところですが、なぜ田宮だったんでしょうか。そういう意味でも、今回の登板だけでポンセを評価するのは無理があります。

 田宮は8回に西村が登板したところで梅林に交代。梅林もこれがプロ初出場です。しかし野手の交代はこれだけ。7回二死一二塁、そして2点差に追い詰めて二死三塁というチャンスにも、いずれもそれまで凡退していたスタメンの今川をそのまま打席に送って凡退。初球の臭いコースのチェンジアップに手を出して投ゴロに終わった7回、追い込まれてるのに2ストライクアプローチなんてカケラも頭になさそうなフルスイングで三振に終わった9回と、いずれも溜息が出るような情けない打席でした。ベンチにはヌニエスも宇佐見も清宮も残っていたのに全くその動きはなし。

 つまり新庄監督はこの試合、勝つつもりは全くなかったのでしょう。勝負よりも若手にチャンスを与え、その力を見極めるのに費やした。負けているのに、数少ないチャンスに代打すらも送らない。最終回、一打同点まで追い詰め、もしかしたらと希望を繋いでも、チャンスに何の策も講じず、選手任せの放任采配であっさり負ける。私は岩本勉の愚にもつかない雑談を聞きながらテレビを眺めているだけでしたが、寒い中お金を出して見に来ているハムファンも、数は少ないでしょうがいるわけです。そんなファンは今日の幕切れをどう思ったでしょうか。私ならがっかりですね。せめて最後に清宮でも代打に出せば三振でもなんでも納得もできたでしょうが「ファンは宝物」と言いながら、実際に見に来ているファンのことなど全く念頭にない。

 もちろん先日の万波のHRのようなこともないとは言えない。しかしまだ2打席目だった万波に対して、今川は3打席目、4打席目だったのです。打てそうな気配はなく、惜しい当たりが続いて紙一重だったわけでもない。私なら7回のチャンスに清宮、9回のチャンスには宇佐見を代打に送ります。そもそも清宮がプロ初打席でいきなりフェン直2ベースを打った相手が岸であることを考えれば、スタメンで使うのが普通でしょう。

 今年は育成優先。監督はそう公言しています。今日はそういうモードだったのでしょう。しかしそのわりに肝心要の場面で清宮を使おうとしないのはなぜか。たぶん監督は清宮の、じっくり見極めてボール球には手を出さず粘り強く打てる球だけを打って、それ以外は四球を選ぶようなスタイルが消極的に映るのでしょう。極端に言えば、じっくり球を見極めて四球を選ぶよりも、ストライクゾーンの球を状況考えずなんでもガンガンフルスイングして三振する方を「積極的でよろしい」と評価している節がある。だから今川も万波も淺間も、いくら打率が低かろうがクルクルバットが回ろうが、使い続けるわけです。

 今日の淺間なんてほんと酷いもんでした。せっかく松本が塁に出ても淺間のところで全部切れてしまう。9回表も先頭打者なのにストライクは全部手を出して三振、粘って塁に出ようという姿勢すらも見えない。1回表と裏、同じように先頭打者が塁に出ながら、確実に走者を進めて2点をもぎとった楽天に対して、ハムは2塁にも進められないし、進める気もない。淺間の代わりに石井あたりが2番に入っていればまた違う展開があったはず。しかし選手にそういうプレーを求めているのが監督であることも確かなわけで。

 ちなみに今季清宮と万波に与えられた打席は43と41とほぼ同じ。打率もヒット数もHR数も打点も同じようなものですが、選んだ四球は清宮が7,万波はゼロ。必然的に出塁率とOPSには大きな差があります。でも監督は万波や今川のスタイルの方が好きなんでしょう。つまり、現役時代のSHINJO選手のプレーをなぞったような選手です。そして問題は、やはり球をじっくり見極めるタイプの近藤までもがその影響を受けて打撃の調子を落としているように見えること。初球打っていきなり凡退とか、去年までの近藤では考えられないようなプレーが目立つのが今年です。まさか監督が近藤のプレイスタイルにまで口を出しているとは思いたくないですが……

 とはいえ今季の間はずっとこういう起用が続くことは覚悟しなくてはなりません。投手に関してはさすがに最近無茶なことはしなくなってきましたが野手に関してはずっとお試し起用が続くはず。ならばせめて結果を出した選手は使い、出せない選手は使わない、という当たり前のことをやってほしいです。

(追記)

「『結果なんて気にしなくていいよ。この場を楽しんで、行け』みたいなこと言ったと思う。『任した』ってこと、言ったと思う」
「この間の(17日ロッテ戦の)万波君のケースがあったから。全然合ってない三振をしていて、ああいう結果(決勝の先制3号ソロ)が出たから。ああいう若い子には結果を出して自信が出て、自信をつけさせて育てていく。右(投手)だったら清宮君も育てていかないといけないし、(西口続投なら)清宮君だった。(松井に)代わったから(今川)行け、と」

 なるほど、指導者として、これはこれで立派です。しかし今川は万波のような高校出たての若手ではない。大学・社会人を経て2年目とそれなりのキャリアを積んだ、即戦力、つまり結果が求められる立場の選手です。いつまでもこうして優しい言葉をかけられ、結果が出なくても使い続けられるわけではない。残された時間はそれほど多くはない。そういう自覚を持ってプレイしてほしいと思います。

 だいたい「右(投手)だったら清宮君も育てていかないといけないし」て、今日は右の岸が先発。清宮を育てる番じゃないんですかね?


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