[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022] 7/5 清宮がソロHRしか打てない理由 / 陸上選手をドラフト指名?

 清宮が今季打ったHRがいずれもソロで、走者を置いた場面で打てない理由について識者がコメントしています。

「ランナーがいると結果を求めて焦りが出てしまうのだと思う」

「プロ5年目にもなれば、分析され尽くされている。走者がいる時は相手バッテリーのギアが上がるし、打者に対する攻め方はより慎重になる。そこに対応できていないのでしょう。」

 そういうこともあるでしょうが、多発されるサインプレーに対応するためにリソースを消費してしまっていることが一番大きいと思います。ランナーが出ればエンドラン、バスター、バント、ダブルスチール、二盗三盗……と、TPO一切関係ない思いつき・セオリー無視のサインプレーの連続。いつどこでどんなサインが出るかわからないから、選手は打席に集中できない。清宮に限らず、ハム選手が必要以上に複雑多様なサインに対応するため、かなり長い時間打席を外してコーチのサインを確認する場面がよく見られますが、あれじゃ相手に「何かあるな」と簡単に見抜かれますよね。もちろん松本や上川畑みたいに、そんな気まぐれなサインプレーに器用に対応する選手もいるしょうが、大半は投手に対するのと同じぐらい、あるいはそれ以上にサインに応えるために打席でのリソースを消費してしまい、まともにフルスイングできなくなっているんじゃないか。調べたわけじゃないけど、走者を置いた場面でのHRが少ないのは、おそらく清宮だけじゃなくハム選手全員じゃないでしょうか。今年のハムは2ラン3ラン満塁HRの数が他球団に比べてかなり少ないはず。だからHR数リーグトップの割に得点数が少ないわけです。

 もちろん監督がそんな野球をやるなら選手はそれに対応しなきゃいけないのは当然ですが、打撃以外は不器用で、子供の頃から常にチームの主砲でHRを量産し続けてきてチマチマしたサインプレーなんてほとんど求められてなかったであろう清宮には酷な状況だと思います。それでなくても新庄による清宮に対するパワハラ・いじり・いじめ疑惑があるだけにね。たぶん日々かなりのプレッシャーを感じながらプレイしてるんじゃないか。初球からストライクは全部振れとか、ボール3から振らないと不機嫌になるとか、新庄監督の野球観はじっくり球を見たい清宮とは正反対ですからね。フロントの要請で仕方なく1軍で使ってるけど、おそらく清宮のような選手を新庄は好みでない。そんな気持ちが言動や起用法に表れ、それを感じて思いきりバットが振れなくなっている。ただの私の妄想かもしれませんが。

 そして我らがBIG BOSSはこんなことを言い出しています。

 大本営・道新スポーツの歯の浮くような太鼓持ち記事は気持ち悪いの一言ですね〜。記事にもある通り陸上選手のドラフト指名は過去にも例があります。ロッテの飯島のことはおぼろげに覚えてますが、シーズン始まる前までは社会現象みたいな騒ぎになったけど、結局実勤わずか3年で23盗塁のみ。代走のみで打席に立つことも守備につくこともなく終わった。成功したとは到底言いがたい。

 そもそも中学の部活じゃあるまいし、長いこと陸上専門でやっていた選手がプロレベルの走塁をそんなに簡単に身につけられるものなんでしょうか。打球判断、投手のモーションを盗む技術、スライディングの技術、塁を蹴ってコーナーを曲がるランニング技術……ただ早く走れればいいってもんじゃない。だいたいの野球選手は小学校の頃から野球一筋でやってきて、その中で特別センスと才能に恵まれた子だけがプロになれる。一流になれるのはそのまた一握り。長い間ほかの分野でやってきたシロウトがいきなり入ってきて一流になれるほど甘い世界じゃないのは新庄監督自身が一番よくわかってるんじゃないのか。ホームランをたくさん打てるパワーヒッターが欲しいから、重量あげやプロレスの選手をドラフトしよう、と言ってるようなもの。そりゃ元々センスのある選手を徹底的にマンツーマンで何年か鍛えれば代走ぐらいで使えるようにはなるかもしれませんが、そんな余裕などどこの球団にもありません。代走専門の選手を何人も育てベンチに置くなどできるわけがない。

 新庄監督はもう忘れてるかもしれませんが、うちには五十幡という、のちの短距離オリンピック代表になった選手を中学時代に負かしたという俊足選手がいるんですよ。彼に一度、プロレベルの走塁を身につけることがどれだけ大変か、聞いてみるといいです。その五十幡でさえ、ケガの連続でマトモにプレイできない状況になっているんです。飯島のあと、そんな例はひとつもないのが、新庄発言の無謀をなにより物語っています。

 それにもっと大事なのは、ドラフトにかけるというのは、その選手の人生を預かり、変えてしまうってこと。甘言を弄してプロ野球の世界に誘い、モノにならなかったらポイ……では済まされない。新庄はどうせ自分の欲望を満たすための新しいおもちゃが欲しいだけだし、飽きたら捨てればいいと思ってるんでしょうが、選手にはその後の人生もあります。最初から野球一筋で来てる選手なら、自分の才能が足りずダメだった時の覚悟もできてるでしょうが、ほかの道で一流だった人をあえて異分野に引っ張ってくるなら、その人生に責任を持たなきゃいけない。もちろん、いい大人であればそれも自己責任ですが、引っ張った側にも責任はある。2〜3年、へたすりゃ1年でやめる監督がその責任を負えるはずもないし、そんなつもりは毛頭ないでしょう。

 心配なのは、ハムフロントは話題性のみを考えたような軽薄なドラフトを時々やること。過去に大嶋っていうソフトボールの選手を指名したのがいい例ですが、監督の口車に乗ってアホなことをしないよう、くれぐれもお願いします。 


よろしければサポートをしていただければ、今後の励みになります。よろしくお願いします。