[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022] 6/12 交流戦最後に中日を3タテ

 今日はもう加藤のピッチングに尽きます。先頭打者を3度出して6回は二死満塁のピンチを迎えましたが、慌てることなく後続を打ち取って7回無失点。これで26イニング連続無失点です。中4日だろうが味方の拙攻があろうが変わらず淡々とストライク先行で球数少なく打ち取っていく。安定感という点ではパ・リーグの投手の中でも屈指でしょう。援護点はわずか2点と相変わらず少なかったですけどね。

 そして打つ方では4安打の松本はもちろん最高でしたが、清宮のタイムリーが素晴らしかったですね。追加点がどうしても欲しかった6回裏、一死二塁カウント2-2から、インコース低めの難しい球に食らいついてセンター前に落とした見事なヒット。イチローか殿馬かという変態打法?で、解説の鶴岡も言ってましたが、あのコースをあんな打ち方でヒットにできるなら、どんな球でもヒットにできる。これから打率もどんどん上がっていくでしょうね。課題だった得点圏で打てたのも良かった。ただここのところヒットが多く出て打率は上がってはいるものの、ホームランが出ていないのは少し気になります。いい当たりもライナーが多くてなかなかオーバーフェンスできない。門田博光はかつて清宮を「ホームラン王よりも首位打者を狙うタイプ」「昔の田尾安志のようなアベレージタイプ」だと評していました。2020年シーズンが始まる前の分析なので、今も同じかわかりませんが、並外れたパワーと技術を持ちながらもなかなかHR数が伸びないのはなぜか、識者の意見を聞きたいところです。

 そして勝利の影に隠れて、ちょっと疑問な采配もありました。4回裏の攻撃、先頭の清宮が2ベースで出て無死二塁で打席は4番の野村。ここでカウント2-0からヒットエンドランのサインが出たものの、野村は低めのボール球を空振りしてしまい、スタートしていた二塁走者はタッチアウト、一瞬でチャンスは潰れてしまいました。もちろんエンドランのサインが出た限りは、なにがなんでも野村はボールをバットに当てなければならないわけで、そういう意味では野村が悪い。しかしそもそも無死2塁のチャンスで四番打者が打席にいるのに、ハイリスクなエンドランなんて仕掛ける必要があるのか。2アウトだったり、打席にいるのが下位打者だったりするならともかく、無死で、打率も得点圏打率も高い四番打者が打席にいるなら、信用して打たせるべきじゃないか。しかもハムの場合エンドランを多用しすぎて相手にも読まれている節があり、外されて失敗、というケースも多い。

 昨日の3バント2ランスクイズは、あえて2ストライクになるタイミングを見計らって仕掛けたようで、確かにお見事な采配でしたが、あんなことは年に一度あるかないかの、いわば万馬券のようなもの。狙い澄ませて万馬券を的中させた快感は、経験者なら誰でも知っているでしょうけど、その快感が忘れられずギャンブル中毒になってしまう例も多い。監督は昨日のようなハイリスクな策を成功させた快感を忘れられず、一種のギャンブル中毒みたいになってるんじゃないか。先日も書きましたが、新庄監督は自分の采配でゲームを動かしたいという欲望が強すぎる。昨日のようなケースであまり打力を期待できない石川にハイリスクなサインを出すのはまだいいとして、今日のようなケースでのエンドランは自分の策に酔っていると言われても仕方ない。今日は初回にも清宮の打席でエンドランを仕掛けてダブルプレーになる場面がありましたが、エンドランは常にそういうリスクがある。メディアはいつも成功例ばかりを報じて「BIG BOSSの采配的中!」なんて持てはやしますが、失敗したケースは決して触れようとしない。ましてこうしてゲームに勝てば、それまでどれだけ失敗していても誰も問題にしない。成功は派手ですが、失敗してゲームの流れを失い負ける、というケースの方が多いから今のチーム成績に繋がっているわけで、そこは冷静に見る必要があると思います。これから先、たとえばチームの優勝がかかっているような大事な試合では、監督の采配ひとつで天国と地獄が待っているわけですから。

 ともあれこれで交流戦は終了。結局借金が増えて5位とのゲーム差も開いてしまいましたが、最後に3連勝と勢いをつけて終わったのは良かった。余裕があれば、次の記事では現時点でのチーム状態を総括してみたいと思います。


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