[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022]4/26 今季初生観戦

 久々に東京ドームで生観戦でした。惜しい試合でしたね。ダブルスチールが見事に決まって2点先制。しかし好投を続けていた加藤が8回に紅林に一発を浴びて同点に追いつかれてしまいます。加藤の代え時が遅かったという意見はあるでしょうが、現地で見ている分には全く危なげがなかったし、球数も90球行ってなかったですから、続投は(当然とは言わないまでも)、特に悪手だったとは思いません。やはり4回の先制点のあと、4,6、8,9回と再三得点圏にランナーを置きながら追加点がとれなかったのが痛かった。9回の二死二塁で清宮が代打に出てきた時のスタジアムの盛り上がりはこの日最高と言えるものでしたが、全球インコースの厳しいところを攻められ最後は見逃し三振。せめてバットを振って欲しかったですが、比嘉が一枚上手だったということでしょう。

 そして今日の最大の焦点はもちろん勝ち越しを許した10回表です。9回も投げた北山を回またぎで続投させたのは是か非か。10回頭から堀を投入しておけば、少なくとも10回は無失点で終わった可能性が大でしょう。しかし北山も9回はわずか10球で三者凡退に片付けただけに、もう少し投げて欲しかったというベンチの気持ちもわかります。オリックスが右の伏見からの打順だったこともあるし、延長12回まで行ったとき、信頼できるリリーフが何人いるかという問題もある。あの緊迫した投手戦でマウンドを託せるのは、堀と吉田輝星ぐらいしかいなかった。10回を堀、11回を吉田に任せたとして、12回に投げさせる投手がいない。だから北山にもう1イニング頑張ってもらいたかった。そんなところじゃないでしょうか。新人にそこまで負担をかけていいのか。そういう意見は当然あるでしょうけど。

 ところが北山が先頭打者を歩かせてしまいます。スタンドの2階席からも見ても球がことごとく高めに浮いてあぶなっかしい気がしましたし、代え時があったとすればここですが、ベンチの決断は続投。続く打者にボール気味の高く抜けたストレートを弾き返され無死一二塁。打席は左の福田。さすがにここで堀に交代かと思えば、なおも続投です。これはさすがに不可解でしたが、福田はおそらく100%近い確率で送りバント。ならばバントをさせて一死二三塁になってから堀投入、と考えていたのでしょう。あるいはリリーフなのに既に2勝を稼いでいる北山の勝ち運に乗ったのかもしれないし、ここをなんとか乗り越えてほしいという親心もあったのかも。新庄監督になってから際だっている継投の特徴は、回途中でのスイッチが少ないということ。それは一旦マウンドに上がった限りは回の終わりまで責任を持って投げろという方針かもしれません。そして福田が初球のバントをファウルしたカウント0-1から、この試合最大の謎プレイがw

  一塁手の清宮がバント警戒でいきなりものすごい勢いで前にチャージ。福田がバントの構えをする前から、北山がセットポジションに入るのとほぼ同時ぐらいにダッシュし始めたのでスタンドで見ていた私はびっくりしたんですが、なぜか北山はがら空きになったファーストに牽制、球は無人のファウルグラウンドを転々として無死二三塁となってしまいます。ここでベンチはようやく北山を諦め堀をマウンドに送りますが、時既に遅し、吉田にタイムリーを打たれて勝負ありでした。

その場面の動画がこれ。これは三塁側からのアングルですが、私が見ていたのは一塁側でした。

 1球目は福田のバントの構えと同時にダッシュしてますから、まあ普通のチャージ。でも問題の2球目は、そのはるか前に食い気味にダッシュしてますね。この時点ではバントか強攻かわかりませんから、ずいぶん大胆なチャージです。福田は普通の構えから清宮のダッシュに気付きながらもバントの構えをしようとして、北山の牽制を見てバットを引っ込めています。つまり清宮のチャージがあってもなくてもバントする可能性が高かった。その結果がどうなったかはわかりませんが、その前に北山が躊躇なく無人の一塁に投げてしまったわけです。

 この件に関して監督はこう述べています。

――清宮君というより北山君のミス?

 そう思いますけど。ちょっと確認します。どっちだろ?まあまあ、聞いてみます。北山君のミスかな?(バントを)やらせでしょ?  

――なかなか後ろのランナーへのけん制は少ない。

 でもウチならありそうな気がしたからそう思ったんでしょ?  

――はい。

 コーチも俺の感じに似てきてファーストへのけん制だったかもしれないし。ちょっと聞いてみます。あれでファーストをアウトにしたら大きいし。清宮君も前に出てきてたから。でも、わからない。確認します。 

 さて、このプレイは何を意図したんでしょうか。単に清宮のチャージが早すぎて北山との呼吸が合わなかったのか。それともピンチに緊張していた北山がうっかりファーストに投げてしまったのか。あるいは、清宮のチャージで一塁ランナーを誘い出し、空いている一塁にセカンドのアルカンタラが素早く入って北山の牽制をキャッチして牽制アウトを狙ったものの、アルカンタラがサインを見落としてファースト・カヴァーに入らなかったのか。清宮のチャージがまるでバントをするものと最初から決めつけたようなものだったので、単純なミスというよりは一塁走者を殺そうとしたサインプレイの失敗である可能性が高いかもしれませんが、新庄監督の談話だけではよくわかりません。しかしアルカンタラがいなければ牽制しなければいいだけの話で、いずれにしろ無人のファーストに投げてしまったのは致命的な不注意。北山にとっては悔やんでも悔やみきれないミスでしょう。しかし私が問題にしたいのはそこではありません。

 もちろん談話が100%本当のことを言っているとは限りませんが、ここで疑問なのは、こういう試合の趨勢を決めてしまうような重大局面のサインプレーを、しかもトリッキーな、普通のセオリーから外れたような奇策を、監督が知らないのにコーチが勝手にサインを出すなんてありうるんだろうか、ということ。もし本当に知らなかったとしたら、それは現場の最高指揮官としてありえない。知っていた、というか自分が指示したのにこんな言い方をしているのなら、やはり現場の最高責任者の態度としてありえない。

 もし本当に知らなかったのだとしたら、北山の継投のタイミングも投手コーチが決めていたと考えるのが自然でしょう。となると、今日の敗戦は投手部門の最高責任者である武田勝コーチの責任が問われて然るべきですね。しかし本当に「コーチが勝手にやった」ことなんでしょうか。おそらく明日のゲーム前の取材でそこらへんの事情は明らかになるでしょう。

 ということで、最後はちょっと残念な結末でしたが、久々のナマ野球観戦は最高に楽しかった。明日も東京ドームに行く予定です。

 

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