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[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022]4/28 今川、ついに覚醒か?

 ナマ観戦3試合目にしてやっと初勝利。チームの連敗も4で止め、対オリックス戦もやっとひとつ勝って、なんとか一息つきました。もちろん今日の試合のヒーローは4打数4安打2HR3打点と大活躍の今川と、7回無失点と先発の役割を果たした伊藤です。

 今日の打線は近藤が1番、今川が2番でした。実はこの2人、昨日の無死満塁で凡退した2人なんですね。昨日猛打賞の今川は肝心のあの場面で打てず「ああいう場面で打たないといい選手にはなれない」と悔しがっていたようですし、近藤も再三のチャンスで凡退し、はらわたが煮えくり返るような思いをしたに違いない。悔しい思いをした2人のナニクソというパワーを期待して1,2番に据えた。それが1回にいきなり実を結び、近藤のヒット、今川の2試合連続HRで先制という結果に結び付いたわけです。

 もっとも今日の試合の焦点はそこではないと思います。鍵は2回の裏。アルカンタラのヒットと盗塁で二死二塁となって、この日9番に入った谷内の三塁線突破の二塁打で3点目を上げた場面です。おとといは2点を先行し、昨日は2点をとっておいついて、共に接戦に持ち込みながらも追加点が取れずに連敗した。それだけに今日の試合は、幸先良く初回に2点を先行したあと、次の1点を早い段階で取れるかどうかが鍵でした。それだけに6球粘って田島のインコースフォークに食らいついて三塁線を執念で抜いていった谷内の一打は非常に大きかったと思います。谷内はプレイボール直後の1回表、福田の三塁線の当たりをスランディングキャッチしたファインプレイも大きかった。あれで伊藤は調子に乗ることができたんですから。その意味でこの日の影のヒーローは谷内だったと言いたい。

 その伊藤はよく頑張りましたし、勝負を早くして球数を少なく長いイニングを投げようという意思は伝わってきましたが、特にピンチでもなく強打者というわけでもない相手に、いきなり3ボール0ストライクのボール先行カウントになったりすることがしばしばあり、結局球数が嵩んで6回で103球と100球超え。中5日で回っている限りは球数100球制限がある。この回限りで降板となれば後ろの投手運用をどうするつもりかと思っていたら7回も続投で、しかもなぜか相手打線がこの回に限って早打ちしてきてわずか6球で3アウトが取れて、結局7回109球での降板となり、リリーフを無駄に注ぎ込まずに済んだのは非常に助かりました。もっとも8回に投げた吉田の調子が悪く、2点とられて結局玉井を投入せざるをえなかったのは誤算でしたが、それはまた別の話。でも序盤から大量リードをもらったこの日の試合展開なら、最低でも8回まではスイスイ行って欲しかったですね。

 それにしても今川の2打席連続弾には驚きました。特に初回の一発は、私が見ていたライトポール際の席からでは打球が速すぎて見えず、一塁側からの歓声や拍手が二呼吸ぐらい遅れたのが面白かった。また、その後のヒットがいずれも泥臭い内野安打というのが良いですね。豪快なフルスイングのHRも今川ですが、しぶとく食らいつきヘッドスライディングでヒットをもぎ取るのも今川らしい。これまで私は三振しても三振してもバカの一つ覚えのようにフルスイングを続ける今川や、彼を使い続ける監督を呆れ半分に批判してきましたが、2人の我慢が早くも実を結びつつあるのかもしれない。ええ、いくらでも手のひらなんて返しますよ!この3連戦、今川は9打数7安打3HR5打点。東京ドームが合うのか、オリックスと相性がいいのか、ただの確変か、それとも覚醒の兆しなのか。もしこのまま今川が「お試し・育成枠」ではなく、実力でレギュラー・ポジションを奪取するようなら、俄然面白くなってきます。この3連戦、全く当たりがなかった野村に久々の一発が出たのも良かった。

  北山も、一昨日の悪夢のようなピッチングから立ち直ったようで、伸びのあるストレートとキレのいい変化球が戻っていました。彼があっさり3人で締めて、見事な快勝。

 2試合続けて接戦を落とし、この日はHR3発で圧勝、接戦に弱く勝つ時は大勝とは、弱いチームの典型です。そういう意味ではファイターズはまだまだ発展途上。しかしいろんな問題を孕みながらも、少しづつチームは良い方向に向かっている。それが実感できた今日の試合でした。いやあ、ほんと勝てて良かった。

 3連戦でもっとも印象に残った相手選手はもちろん吉田正尚。ほとんど彼ひとりにやられたような印象があります。チャンスがことごとく巡ってきて、そのつどしっかり期待に応える勝負強い打者。HRも打てる、ヒットも打てる、打点も稼げる。そして打球がとんでもなく速い。そうかと思えば、8回の吉田輝星から打ったヒットなんて、完全に打ち取られた当たりなのに野手の間に落ちてタイムリーになってしまう。やはりマトモに勝負するにはヤバすぎる最強打者ですね。昨日のHRはまさに私の見ている目の前でスタンドに飛び込んだんですが、シュウウウウ……という空気を切り裂く音と共に、本当に糸を引くようなライナーが、まったく垂れることなく一直線に伸びてスタンドに突き刺さっていった。私がナマで見た中でも屈指の、美しいHRでしたね。








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