[日本ハムファイターズ観戦記] 6/26 今季ワーストゲーム

楽天 7x - 1 日本ハム

 いやあ、ひどい試合でした。昨日は2年目野村の大活躍もあって、テンション高く観戦記を書くことができましたが、今日は書くモチベーションもあがりません。

 昨日の試合で懸念していた守備の乱れが、試合始まっていきなり炸裂。1回裏先頭の茂木が2塁打、無死2塁から鈴木大地の内野ゴロをさばいた中田が一塁に悪送球、2塁走者が生還して先制を許すという最悪の展開。エース同士の対決で引き締まった投手戦を期待していたのに、いきなりエラーで失点です。中田は5回にも浅村のゴロをはじいていて、2日間で3失策でした。そして2回表、一死1,2塁からまたもハム希望の星・野村が1-2と追い込まれながらも、則本のスライダーをうまく弾き返しセンター前へ同点タイムリー。この日唯一のハムファンが盛り上がった瞬間でした。

 しかし有原がピリッとしません、その裏いきなり先頭のロメロにHRを打たれたちまち勝ち越され、さらに4回にはヒット2本と四球で一死満塁のピンチを作り、内野安打と押し出し死球でさらに2失点。6回にも1点とられ、6回投げて被安打10,与四死球2、5失点(自責点4)という散々な結果。大学の後輩茂木とは去年も相性悪かったですが、今日も3安打と言いように打たれれてましたね。その後のブラッシュや浅村は抑えたのに、6番ロメロにも2安打。もしブラッシュの代わりにロメロが3番に入っていたら、5失点では到底済まなかったでしょう。

 有原がリズムを崩したきっかけは確かに中田のエラーですが、エラーは野球につきもの。エースならあそこからビシッと立ち直って試合を作ることが求められますが、その後もダラダラを失点を重ねるメリハリのなさとリズムの悪さ、一旦崩れると止めどない悪癖で、試合の流れを引き寄せることもできず、味方の攻撃にもテンポが出ない。味方が点をとってくれるとしっかり立ち直り、3〜7回まで1安打に抑え、7回1失点と見事なエースの働きを見せた則本とは対照的すぎました。考えてみれば有原がエースと呼ばれるに相応しいピッチングを披露したのは日本一になった2016年の前半(後半は全くダメだった)と、最多勝をとった2019年だけ。それ以外は防御率4点台、10勝しても同じぐらい負ける、いわばローテの4〜5番手ぐらいの活躍しかしてない。そんな投手が、たった1年良かったぐらいで大エースのような顔をして「メジャーで勝負したい」なんて片腹痛い。もちろんシーズンは始まったばかりですからこれから立ち直ってくれることを願いますが、いずれにせよここまで有原が投げた試合が2試合とも先発が打たれ完敗しているのは紛れもない事実。エースが不甲斐ないから、これまで先発に勝ちがついた試合は1試合しかないのです(昨日のバーヘイゲン)。

 打つ方もだらしがない。則本が立ち直ったあとは手も足も出ない。一旦リードされるとシュンとしてしまい、見るからに気力もやる気もなくなり、淡泊なバッティングを繰り返す。「ああ、また今日も負けか」と。まさに負け過ぎて負け慣れて負け犬根性がしみついた弱いチームの典型です。若い選手が多いのにみな若年寄のように諦めが早い。ガツガツしたものが感じられるのは野村ぐらいです。いや、そんなのは単なる私の邪推で、選手は全員はらわたが煮えくり返るような悔しさを押し殺しているのかもしれません。しかしそれが見えない。

 特に言いたいのは清宮です。今日は代打で出てきて凡フライ。結果はともかく、6点差がついた二死ランナーなしというどうでもいい場面でしか起用されない。後輩の野村はスタメン起用が続いているのに。悔しいと思わないのか。野村に肩を越されそうな勢いなのに、なにくそという反骨心が見えない。横尾とベンチでじゃれ合いながらヘラヘラ笑っている場面がよく映されますが、危機感がなさすぎじゃないでしょうか。ハムが長打の打てる外人(レアードやセギノールのような)を補強しないのは、清宮の成長にフタをしたくないからでしょうけど、そこまでお膳立てしているのに、清宮には、なにがなんでもレギュラーをとる、という意気込みがまったく見られない。

 栗山監督の起用法にも疑問があります。小笠原コーチは、清宮はデビューからずっと故障が多く、とにかく練習の量も経験も絶対足りないんだから、今年1年はファームでみっちり鍛えて体力をつけるべきだと主張していました。しかし「でもそれを決めるのは監督だから、一旦上で育てると決まったら、全力でサポートする」とも付け加えていました。その言葉通り栗山監督は清宮の1軍帯同を決めたわけですが、今季スタメンはわずか1回だけ、与えられた打席は5度に過ぎません。そんなに使わないなら、下で打席に立つ機会を持たせるべきじゃないのか。もしかしたら清宮の一軍帯同はフロントの方針かもしれませんが……

 そして起用法といえば、今日もまた4点リードされた7回に出てきて敗戦処理をさせられた金子。やる気のなさそうな投球で2失点しダメのダメを押されてましたが、これで金子は3点ビハインド、10点リード、4点ビハインドの終盤という、いわば勝敗とは全く関係のない場面で3度投げて、2度失点しています。どうみてもモチベーションがない場面で投げさせられているのがミエミエです。はたして金子ほどの実績のある実力者が、こんな起用法で納得してるんでしょうか。きっちりローテを回せば、今でも7〜8は勝てるはずです。

 まだ開幕して7試合です。これから巻き返すかもしれないし、それを期待している。でも私は、9年目を迎えた栗山長期政権の歪みと腐敗が、鼻につく匂いになって漂っているような、なんともいえない無気力感と退廃感ばかり感じてしましました。正直、見ていて全然ワクワクしないばかりか、倦怠感と疲労感と不快感ばかり。

 たぶん栗山さんは栗山さんで理想の野球があるんでしょう。それは大谷のようなスーパーエースが投げまくって、大谷のようなスーパースラッガーが打ちまくって勝つ野球。大向こうウケする派手な野球です。せこく1点をもぎ取って中継ぎを繋いで守りきる、なんて細かく泥臭い野球は好きじゃない。だからフロントも、清宮とか吉田とか、見栄えのする派手な話題性のある選手ばかり補強して、ヒルマンや梨田時代のチームカラーを変えようとした。でも育成が全く追いつかないので、打つ方も投げるほうも小粒な選手しかおらず、それでいて細かい野球もできないという現状になっている。かつては走れる選手が何人もいて、機動力を駆使した野球ができたけど、いまや走れる選手は西川と、せいぜい中島しかいない。

 そしてそういう野球を今やっているのが、まさに今の三木楽天なわけです。それに加え外部からの補強が的確で、相手を圧倒するような打力もある。先発も強いし、ブルペンも盤石。今日の試合を見ても、楽天が確実に勝つための手堅く、しかも強い野球をやっているのがよくわかりました。それは単に選手個々の力が強いだけでなく、監督の目指す野球が確実にチームに浸透しつつあるから。楽天が強いのは確かですが、それ以上にハムが弱くなっている。それを痛感しました。

 さて明日の予告先発は加藤と、抑えから転向した松井。正直言って松井を打てる気も、加藤が抑える気も全くしませんが、勝負はやってみないとわからない。明日あさってと勝てば、この6連戦を五分で終わることができます。

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