[日本ハムファイターズ観戦記] 7/8 なんとかギリギリ踏みとどまった

日本ハム 10 - 4 オリックス

 昨日の第一戦は手も足も出ない完敗、おまけに試合後には野村の骨折・登録抹消が判明するなど、まさに泣きっ面にハチ。これまでのハムの6勝のうち、半分は野村が打って勝った試合ですから、単に売り出し中の若手がいなくなって残念、というレベルではなく、戦力的にも大きな痛手です。1軍の試合に出始めたばかりの高卒2年目にどれだけ依存してるんだって話ですが、ハムファンの失望と落胆はそれほど大きいという話です。全治3ヶ月と意外な重症で、もう今季は戦力としてアテにしないほうがいいでしょう。守備中に打球を当ててのケガということで、これは誰のせいでもない自分の未熟さゆえ。今後の大きな課題ですね。

 そんな最悪な雰囲気の中、今日悪い負け方でもしようものなら一気に坂道を転げ落ちる可能性もありましたが、なんとかギリギリ踏みとどまりました。2回の大量7点は、中田の四球で始まったチャンスを宇佐見、中島の下位打線が連続タイムリーで還したのがきっかけ。ビヤヌエバの三振で2アウトになった時はこれで終わりかと思いましたが、今季守るほうでも打つほうでもまったくアピールできていなかった宇佐見がレフト前にうまく流し打ち。そして中田の懸命の激走で、タイミングはアウトのところセーフになったのがとても大きかった。相手捕手の若月がホームから離れたところにいたのでタッチが間に合わなかったわけですが、レフトのジョーンズからの返球が山なりだったため、タマがバウンドして大きく弾む可能性があり、それに備えて後ろで守っていたのではないか、とは解説の森本稀哲の説。そして中島がセンターに見事に弾き返して2点目が入ると、西川四球で満塁、大田のしぶとく三遊間を抜けるヒットでさらに2点、そして近藤が、動揺した相手投手の初球低めのストレートをすくいあげて技ありの今季第一号3ラン。2死からあれよあれよという間に7点入れるビッグイニングで、序盤から圧倒的に有利な試合展開になりました。

 さすがに7点のリードをもらって、先発のマルチネスも余裕をもったピッチングで危なげがありません。6回にアダム・ジョーンズにものすごい当たりのソロHRを打たれてましたが、6回投げて被安打4,与四球1,失点1なら十分なところ。できれば7回まで投げて欲しかったですが、そこは久々に長いイニングを投げて疲れたこと、そして粘り強い攻撃を仕掛けてくるオリックス打線の好調さゆえ、仕方ないと言えるかも。

 2回以降は、散発的にランナーは出すもののなかなか追加点がとれませんでしたが、8回一死から中島のヒットを足がかりに、大田が今日2本目となるタイムリーヒットでようやく2点追加。2回のタイムリーは飛んだところが良かったコースヒットでしたが、このヒットはキレイに左中間を破る文句なしの当たり。久々に大田らしいヒットで今日は4打点の大活躍。なんとかこれを復調のきっかけにしてくれるといい。そして今日は3四球とまともに勝負してもらえなかった中田が(2回には1イニング2四球という珍記録も)、最後にきっちりタイムリーを決めてこの回計3点。高校の後輩・浅村が鬼神のごとく打ちまくってますが、中田もずっと好調が続いてますね。

 10−1と9点差になって、この日高濱と共に一軍に昇格してきた生天目が今季初登板。ところがこれが大誤算で、いきなり先頭打者を2塁打で出すと、あれよあれよという間に3失点。吉田正尚にタイムリーで1点とられ、その後なんとか2死までこぎつけたのに、暴投で2点目を許したのがもったいないというか印象が悪い。結局伏見に3点目となるタイムリーを打たれたところで交代。こんなワンサイドの展開でも玉井に頼ることになってしまいました。なかなかすっきり勝てないところに、今のチーム状態が表れています。相手が早々に試合を諦め吉田、ジョーンズと主力を下げてくれたこともあって、玉井、そして9回は井口がなんとか凌いで勝利。

 今日の収穫はいくつかあります。まずは1年10ヶ月ぶりの勝利を挙げたマルチネス。ずっと攻守ともに精彩を欠いていた宇佐見が先制タイムリーを含む2安打、そして先発マスクをかぶった試合で初勝利を挙げたこと。そして大田の2本のタイムリー。いつもじっくりタマを見過ぎるゆえ、追い込まれてからの軽打のヒットばかりだった近藤が、久々に初球からフルスイングする積極性を見せてHRと結果を出したこと。中田は相変わらず好調ですし、中島の2安打もいずれも得点に絡む、いい働きでした。また、今日は久々に守備のミスがなかったのも良かった(ビヤヌエバ、松本と、エラーをとられてもおかしくないプレーはありましたが)。

 しかし一方で西川は4日のホークス戦以来、攻守ともずっと精彩を欠いています。ついに今日は松本に途中交代してましたが、本調子に戻るのはもう少し時間がかかりそう。また4日の試合のように西川への打球を絡めて足を使われた時にどうするかという懸念は依然として残る。また野村が離脱して奮起しなきゃいけない清宮は、相変わらず本調子にはほど遠い。逆方向への渋いヒットはありましたが、清宮に中島や近藤みたいなおっつけての軽打なんて誰も期待してないわけで、正直なところ打席を見ても打てそうな予感が全然ありません。またビヤヌエバは4打数ノーヒット空振り三振が3つと、そもそもバットにボールが当たらない。彼のような打者は3打席3三振しても、残り1打席、いいところで一発打ってくれればいいわけですが、これじゃもう少し時間がかかりそう。やはり上に上げるのが早すぎたんじゃないでしょうか。

 そしてなにより、生田目の不甲斐なさにはがっかりです。正直、プロ入り以来生田目の良いピッチングを見たことがありません。解説の森本ひちょりは、キャンプオープン戦といいアピールをしていたと言ってましたが、いまのところ彼の良さがどこにあるかまったくわからない。大学社会人を経てのドラフト3位指名。ハムは武田久、武田勝、宮西、増井、谷元と、ドラフト3位以下で力のある(そのわりに評価の低い)大学社会人の投手をとって、ブルペンを充実させてきた伝統があるわけですが、ここ数年それが機能していない。故障離脱中の西村や昨日投げた福田、そして生田目は、やってもらわないと困る投手なのです。たぶんもう一度チャンスはあると思いますが、奮起を期待します。

 さてオリックス6連戦、なんとか1勝1敗の五分に持ち込みました。あしたの先発はバーヘイゲンと山崎福也。山崎からはある程度点をとれると思いますが、問題はバーヘイゲンです。前回はホークス打線相手に5回もたず6失点。彼がどれだけ試合を作ってくれるか。

 そして高濱が育成から支配下登録され、さっそく一軍に昇格してきました。同じ三塁手である野村の登録抹消も関係しているはず。一度育成落ちしてから這い上がってきたハングリー精神に期待しましょう。今日は出番がありませんでしたが、イースタンで首位打者と打棒好調のようなので、なんとかいい形、できればスタメンで使ってチャンスを与えてほしい。


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