[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022] 8/11 首位相手に勝ち越し
ここではご無沙汰しておりました。試合は見ていたんですが、コロナや故障で監督コーチ選手が大量離脱してファームの試合も組めなくなるような状況では何を書いても仕方ない気がしていました。松本・上沢は骨折で長期離脱、石井も宇佐見も加藤もまだ戻ってこない状況ではありますが、野村や上川畑が戻って早速活躍しているし、1軍選手が離脱している間、穴埋めで緊急招集されたファームの若い選手がいい働きを見せて、後半戦のハムはとてもいい状態に見えます。オールスター後の成績は今日の勝利で6勝4敗2分と勝ち越し。特に首位西武と2位ソフトバンクに負けなしの4勝0敗2分というのは大健闘。特にこの西武3連戦では投打共に非常に粘い強い戦いでしたね。少ないチャンスを活かし、最少失点で抑えて競り勝つ。いい感じです。
打線に打率2割以下の選手が3人も4人も並ぶような状況ですが、その割に頑張れているのは、そうした選手が数字以上に戦力になっているから。監督がとにかく選手全員に一軍でのチャンスを与えたおかげで、去年までだったらファームに沈んだまま歯牙にもかけられなかったような若手や中堅が1軍で経験を積むことができて、コロナ緊急招集でいきなり1軍にあがっても気後れせず力を出せるようになったのが大きいと思います。そのあたりの新庄監督の手腕は称賛に値しますね。特に野手は、とにかく全員がモチベーションを持ってプレイしている。調べたわけじゃないですが、「今季プロ初ヒットを打った」という選手がこれほど多い年って珍しいんじゃないかと思います。記録を見ても今季1軍で1本もヒットを打ってないのは育成選手を除くと故障の五十幡と新人の有園と細川だけ。しかもただ「思い出ヒット」を打っただけでなく、それぞれ役割を与えられ、一度はスタメンで使ってもらって、それに応えるような働きをしている。もちろん実力も経験も足りないからコンスタントな働きはまだできない。でもそういう半人前の選手をうまいこと組み合わせることで、たとえば今日みたいに少ないチャンスをものにして勝ちに繋げることができている。
もっとも気になることはあって、それは投手起用です。武田勝コーチがファームに降格になり、今1軍ベンチには投手コーチがいない状況。監督が山田バッテリーコーチと相談しながら継投まで全部やってるみたいですが、専門の投手コーチがいたらまずやらないような細切れのマシンガン継投をやってる。回またぎや回途中の継投も頻繁。中継ぎ・抑え。セットアッパーといった役割分担も不定。ひとりランナーを出しただけで交代、という例も多い。この西武2試合はそれがうまく機能しましたが、こんな使い方をしていたら投手陣はいずれバテる。野手出身の監督にありがちな起用で、投手の育成という視点からもあまり好ましくないのではないでしょうか。武田コーチの降格は、去年よりも大幅に悪化した防御率を鑑みても仕方ないかなと思いますが、かつての吉井コーチや佐藤義則コーチのように、監督にも臆さず意見が言える投手コーチは絶対必要。新庄監督はともすれば策に溺れる独善的な采配に陥りがちなので、イエスマンをはべらせるだけでなく、どこかでストッパー役は必要です。
それにしても今日の鈴木健矢はよく投げました。いみじくもヒーローインタビューで清水が言った通り、せいぜい3回ぐらいのショートスターターかと思えばまさか7回途中まで投げてくれるとは。こんな投球がいつもできればいいですが、もちろんそう甘い世界じゃない。田中瑛斗が降格した分、次のチャンスはあるでしょうから、それを生かせるかどうか。
そして清水もよく打ちました。どん詰まりのコースヒットでしたが、当たりが良くなかった分、二塁走者の中島が還ってこられましたね。今年はファーム暮らしが長く、このまま1軍には上がれないのではと心配しましたし、あがってきても大した働きができず、どんどん存在感が薄れてましたが、少しは気持ちも晴れたでしょう。中島も、上川畑が復帰してスタメンでなくなったおかげでベンチに置いて代走や守備固めでいいタイミングで使えるようになったのが、かえって采配を自由にしている面があるかと思います。新庄政権下で選手の世代交代・新陳代謝が急で、前述した通りファームと1軍選手の間の壁がなくなってプレイのレベルが接近し競争が激化している分、脱落すする選手、見限られる選手も当然出てくる。さしづめこないだ守備面のダメさを指摘され降格した渡邊など危機感で一杯でしょう。前監督下で重用されてきてその待遇にアグラをかいていたような選手ほど今オフの首筋が寒い。清水などその意味で今日のサヨナラヒットぐらいでは全然足りない。今後もどんどんアピールが必要でしょう。宇佐見が帰ってきたタイミングで、現在4人1軍にいる捕手のうち誰がファームに落ちるか。もちろん個々の選手のファンからすれば言いたいことは一杯あるかと思いますし、私もそういう不満はありますが、それはプロの世界である限り仕方ないことです。
心配なのは今日途中退場した清宮。肩を痛めたようですが、軽傷であることを祈りましょう。
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