お金は大事なんて百も承知。
やったぁ！１０万円もらえる！！
申請書類を受け取った人のほぼ全員が、こう思うに違いない。
だって何もしてないのに、とりあえず10万円もらえるんだよ。
来年から突然消費税が上がるかもしれないし、住民税が上がるかもしれないし、特別課税なんてされるかもしれないけれどね。
「国からお金がもらえる」この情報が出てきた時は、全員ではなく、コロナによる休業や離職で何％の収入が減った人とか、お肉交換チケットになるとか、様々な話があり、ネットではそんなもんいらねえよ！とかふざけんな！とか、やんややんやあったけれど、結局みんなに10万円で着地。
やったぁ！！夫婦で20万円もらえる！！
私は申請書を記入しながらそう思っていたのだけれど、そんな中で夫は「俺の分は何かしらの形で寄付する。」と言い出したのだ。
“言い出した”という表現をしたのは、分かりやすく嫌悪感を抱いたからで、
せっかくお金もらえるのに何も買わないで寄付するんだ…だったら私が欲しいもの買うから私に寄付してほしい…と思ってしまった。
だけど、よく考えたらコロナによって我が家は収入面で何の打撃を受けたわけでもなく、ただ自粛をしてほんの少し皆と同じ不自由を経験しただけで、いつもより生活が苦しかったわけでもなんでもないので、【夏のボーナス】にような感じで20万円をゲットしたのだ。
そこで私は恥ずかしながら初めて、給付金の使い道について考えてみた。
つい数分前までの私は、通常時であればわざわざ自分でお金を出してまで買わない5万円近いブランド品の帽子と高い化粧品を買おうと思っていた。勿論、これが悪いことだとは今も思っていない。緊急事態宣言が発令されてから、休業をしていたブランドや大手メーカーだって、苦しい時間を過ごしたのだから、そこにお金を使うことは誰かに否定されることでもない。
そうなると、わざわざ給付金の使い道を改めて考える必要がないような気もする。ううん・・・。なんとなく気持ち的にお金を寄付したり、困っている飲食店でお金を使うことは正しいけれど、ブランド品を購入することは調子に乗ってるっぽく、ふざけているっぽく映るだけで、別にそんなことはない。ううん…。
10万円もらったらどうする？
友人とリモート飲み会をしていた時、そんな話題になったのだが、その中の半数は【貯金するかな】と答えていた。
賛否両論、十人十色、使い道は人それぞれあって当然なんだけれど、これが一番、給付金の意味がないように今は思っている。
勿論、来年ドドっとお金を使う予定があるから今は節約しているとか、冬に引っ越しをするからその時に使いたいとか、それぞれの事情があるけれど、個人的にはそんな事情や、コロナウイルスによって収入が減ったり職を失ったという人を除いて、経済を回す（買い物をする）ことに使うべきで、貯金に回すのでは意味がないと思う。
お金は大事なんて、今更誰かが声を上げなくても誰だって百も承知なわけだけれど、その価値や意味はそれぞれ違うのがお金の難しいところだ。
こんな事を書いたら失礼なのはわかっているが、10万円は大金だけれども、自分で稼いだ10万円と、ポンともらった10万円の重みは少し差があって、でもだからこそ、ここぞとばかりに使っちゃおう！なんなら誰かのために！と思えたらいいのではなかろうか。
給付金をきっかけに、世界が大きく変わったり、他人に優しくなれたりなんて私は絶対にあり得ないし、来年になれば10万円もらったことなんて誰も思い出すこともなく、それどころか「あの時10万支給されたけど、何に使ったか記憶にないし、そもそも10万なんてすくないよね。」なんて話すら出るだろうと思っているけれど、いつだって“他人に対するんほんの少しの優しさ”は、ほんの少し、自分の両手を広げたくらいの狭い範囲の世界だとしても変えることは出来る。
道を譲る、挨拶をする、ゴミの分別をする、そんな誰にも感謝されないようなことでも、無意味ではない。コロナだってそう、緊急時代宣言の解除はコロナの終息ではない。私は普段から風邪を引いて咳をしながら居酒屋に来る人間に対して嫌気が差しているのだが、それだって、その行為をしないだけで、誰かに風邪を移さないで済む。「インフルエンザとかじゃないし、ただの風邪だから大丈夫。」そんな思いやりのない言葉を振りかざして大声出して居酒屋に行くのは、もうやめよう。大丈夫かどうかを決めるのはあなたではないはず。
なんだか話がだいぶズレてしまったが、結局思うことは、皆好きなように10万円は使えばいい、後付けでもいいから誰かのために、どこかの企業のためになっていると思えることに使えば尚良い、と私は思う。
新型コロナウイルス、改めてとんでもないものが現れたなぁ・・・。
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