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僕は頻繁に夢をみる

僕は頻繁に夢をみる。
それはキング牧師が口にした夢の方じゃなく。
眠った時にみるあれだ。

起承転結もへったくれもない。
夢に筋なんてありそうでない。
登場人物もてんでばらばら。
共通の知り合いじゃないのに一緒に登場したりする。
場所なんかはもうめちゃくちゃで。
どこかの劇場だったり、中学校だったり。

昔は目が覚めてもしばらく覚えていたんだけれど。
今は覚えている時間が短くなった気がする。
起きた直後はそれでもなんとなく覚えていて。

一生続くのだろうか。

夢を脳科学的に解説すればこういうことらしい。
その日にあった出来事は海馬に記憶される。
睡眠中に海馬から大脳皮質に記憶はコピーされる。
コピーする時に記憶はある程度のデータ整理を伴う。
関連付けをしてインデックスを付けていく。
そのデータ整理作業が眠りの浅い時間帯に意識下に降りてくる。
それが夢となる。
まぁ、聞きかじった話で、しかも簡単に書けばということだけど。
その後、脳科学も進歩していそうだし、異論もありそうだ。
でも、僕の理解はその感じのままだ。
明確な記憶になる過程の残滓が夢ならば、あっという間に忘れるというのも何となく合点がいく。
登場人物や、舞台がばらばらなのも、インデックスなら納得がいく。
例えば金木犀の香りがすれば、いつかその香りがした場面と関連付けられるのだろう。

歳を重ねると新しい発見が少ないから夢をあまり見なくなるとも聞く。
そのわりには、ほぼ毎日のように夢をみている。
いつまで夢をみるのだろうかと思うけれど。
ただリアルすぎる夢は減っている気がしている。
まだ記憶の蓄積の少ない頃の夢はリアルな事象と繋がりやすいのか。
わからないけれど、よりランダムな夢になっている。
より幻想的だったり、妄想のような夢に近づいている。

悲しい夢を見て目覚めてさ。
涙を流していることも、未だにある。
どうしたらいいんだろうなぁ。
嫌なんだけどなぁ。

寝言を言うんだよ、僕は。
今まで何度も指摘されている。
それもはっきりと何を言っているかわかるやつ。
僕の頭の中で経験と記憶が繋がってそれに反射活動までしているということだ。
泣いたり、怒ったり、笑ったりもするらしい。
僕の知らない僕。

僕は頻繁に夢をみる。
もう逢えない人にも会っている。
きっと話をして、感情まで動いている。
きっと誰一人として、消えていない。
無意識下の追憶。


映画『演者』
企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル
題字 豊田利晃

「嘘ばかりの世界」だ
  「ほんとう」はどこにある

【上映館】
・2023年11月18日(土)より
ユーロスペース(東京・渋谷)
http://www.eurospace.co.jp/
劇場窓口にて特別鑑賞券発売中
先着50名様サイン入りポストカード付

出演
藤井菜魚子 河原幸子 広田あきほ
中野圭 織田稚成 金子透
安藤聖 樋口真衣
大多和麦 西本早輝 小野寺隆一

撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟
録音 高島良太 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希
制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき

【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。

家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。

やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。

◆終映(特別限定先行上映)◆
・2023年4月15日(土)16日(日)※限定2日間
シアターセブン(大阪・十三)
・2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)※限定3日間
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)
・2023年3月25日(土)~31日(金) ※限定1週間
K'sシネマ (東京・新宿)

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。