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神様のマホカンタ

最大級の太陽フレアで磁気嵐が吹いている。
世界中でオーロラが観測されている。
日本でも今晩、北海道で見えるとか。
もしかしたら北陸ぐらいまで見えるかもしれないとか。
すげぇなぁ。オーロラはいつか見たいなぁ。

地球の分厚い大気圏はバリアのような効果があって。
太陽からの放射線や宇宙線、磁気から守ってくれている。
オーロラはいわゆるそんな大気と磁気の衝突で起きる。
オーロラがなければ被爆しているってことだ。
防御魔法みたいじゃない?
それで光っているだなんて。

電子機器への影響は昼夜問わずありえるみたいだけれど。
現在は複数の防護対策と情報補完で大きな影響はないらしい。
十年前ぐらいにはやばいかもなんて言われていたのに。
まぁ小さな影響でも回線が混乱することはあるのでわからないけど。
人工衛星は大気圏というバリアの外にあるからGPSは乱れるのだね。
アルミで最大限のシールドはしているだろうけれども。

江戸時代の文献で京都からオーロラが観測されたことがあるらしい。
それだけ夜が暗かったんだと考えることも出来るけれど、実際にすごいオーロラだったんだろうなぁ。
そう考えればいつか関東でも地平線が色付くぐらいは見えるかもしれない。
ロンドンでオーロラが観測された!って言われているけれど。
日本最北端の宗谷岬ですら実はロンドンより南にあるらしい。
ロンドンってそんなに寒いのかよ!
フランスと北海道が同じぐらいとか聞いたことがあるけれど、イメージしているヨーロッパと少しだけ違う。どうしても日本と同じぐらいだと錯覚してしまいがちだよ。
そういう意味では先進国ほど磁気嵐の影響を受けやすいのかな?

大都市とオーロラなんて夢じゃない?
どうしてもオーロラと言えば雪景色と重ねてしまうけれども。
京都とオーロラもなんだか想像すると凄い景色だなぁ。

僕たちの頭上にはたくさんの目に見えないものが降り注いでいる。
放射能だって、磁気だって、短波だって、宇宙線だって。
僕たちの目でそれが見えないのは、僕たちがそれを感じることが出来ないのは、それが大きな影響にならないほど守られているなかで進化してきたからだろう。
例えば雨のように生活に影響があるのなら、視覚か嗅覚か触覚か、或いは音として感じる器官が備わっていたはずだ。
僕たちは結局、自分の生活に根差した範囲でしか世界を把握することが出来ないということだ。
知とは究極、自分の範囲を越えることなのだろう。
俯瞰であったり、極小世界であったり、僕たちが何も知らなければ感じることのできない世界を知るためにある。
自分以外の誰かが何を思っているか想像することと同じだ。

オーロラが光る。
それはそこにいれば誰にだって見える。
降ってくるものも、守っている盾も目に見えないのに。
目に見える世界が全てではないのだと教えてくれるかのように。

悲しいとか、嬉しいとか、そういうことではなく。
なんだか急に涙が出ることがある。
それは五感とは別の期間が何かを受信したのかもしれない。
目に見えないものを受信する器官を多分、人は持っている。
オーロラのように光ればいいのに。
ああ、何かを感じているのだな、そんな時に。

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