コンセプト思考 03

満月の日。
とてつもない月光に誓う。

母と食事をした時に言われた。
ずっと映画監督になりたくて勉強している人もいるのに映画を創るの？って。単純だけど意外に真理に近い言葉だよなぁって思った。
その通り、親戚にも映画監督志望がいたし、世の中の若者で映画監督になりたい人や山のようにいるのだから。
その全員に映画愛で勝てるわけがない。

自分はたまたま親戚から映画館の招待券をもらえる機会が多かったから子供の頃から映画館に通ったし、普通の家の子供よりも映画を多く見ているんだろうなぁと思う。
その上、演劇を志したというのもあって、それが単館ブームと重なっていたから、きっと平均よりもその時期の映画も多く観ている。全て自分の芝居のためだけれど。毎夜のように師匠と映画について話し続けた日々もある。
だけど映画マニアでは決してないし、映画監督を夢見た日なんて1日もない。

時々、ずっと映画を創るのが夢でした！なんて発言を読むと白ける。
夢ならもっと本気で取り組めば良かったし、好きな映画監督や好きな映画作品について話しているのすら見たこともないなんてことがよくある。
自分はそんな嘘をつきたくないし、つく意味があると思えない。