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能書き新聞

SNSじゃ書けないこととか、劇団運営とか、映像制作とか つぶれていく無謀なアイデア群とか 今週のアイツ、ニュースに一言、インディペンデント魂 時々創作、なんか元気になれるようなヤ…
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#小説

連載「record album」⑨了

 あれから何年も経った。  僕がひと夏を過ごしたあのおじいちゃんちは今は他の誰かが住んで…

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連載「record album」⑧

 届いた遺品の段ボール箱には立派なアルバムが何冊も入っていた。遺品整理をしていても写真だ…

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連載「record album」⑦

 都心部で生まれ育った子供たちは生涯に渡って一つコンプレックスを持つ。それは故郷がないと…

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連載「record album」⑥

 日本語は多くの言語の中でも難しい部類に入ると聞いたことがある。理由の一つは広辞苑の厚み…

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連載「record album」⑤

 おじいちゃんの食事を毎日作っていたけれど出前を頼んだ日があった。毎日のように食事を創り…

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連載「record album」④

 この貴重な自由な期間の夜の海でたったの一度だけだけれど人と会うことがあった。その他の日…

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連載「record album」③

 朝ごはんは鮭の切り身と味噌汁、昼は簡単なもので良くてインスタントラーメンとかそうめん、夕方に買い物に行って夕食をつくる。三度の食事だけじゃなくて午前中には洗濯物をして、空いている時間に大きな麦わら帽子をかぶって鎌で草刈りをした。夏場の雑草はすぐに伸びるからあの一帯を刈って欲しいとおじいちゃんに頼まれたからだ。家事なんて大したことないと思っていたけれど海のそばにいながら海水浴に行くほどの元気も空き時間もなかった。洗濯だとか待ち時間はあるから働きっぱなしというのでもなかったし、

連載「record album」②

 二階の部屋のベッドがらそっと滑るように出て足を忍ばせて階段を下りていく。おじいちゃんの…

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連載「record album」①

それがどこから来て それがどこに行くのか どこにも行けないのか 何も分からずにただその時を…

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