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連載「record album」⑨了

 あれから何年も経った。

 僕がひと夏を過ごしたあのおじいちゃんちは今は他の誰かが住んでいたけれど、僕は再びあの海を観ていた。離れた場所にあるのは不便だけれどお寺が親戚と言うこともあってお墓は変わらずにこの街にあった。
 父の一周忌のあとの食事会が終わって、食事をした店の目の前の海辺の砂浜を姪が何が面白いのかケタケタと笑いながら走り回っていた。僕は煙草を咥えながら姪が転んだりしないかぼんやりと観ていた。手をひっぱられて海に来てやれやれなんて思っていたはずなのに陽光が照り返す昼の海は相変わらずキラキラと光っていて、あっという間に海に魅入られていた。

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