20億円を原資に、Algomaticを創業しました
はじめまして、株式会社Algomaticの大野(@ono_shunsuke)です。
2023年4月に、DMMからの20億円の投資を原資に「生成AI時代を代表する企業になる」ことを目指し、Algomaticという会社を作りました。Algomaticは、スタートアップスタジオ的な組織構造を取り、複数領域で同時に事業を立ち上げていく会社です。
私はこれまで、AIとソフトウェアを組み合わせた事業を作り続けてきました。一社目に創業したAlgoageは、機械学習・深層学習のアルゴリズムモジュールの開発・提供を祖業とし、2020年にM&AでDMMグループ入りしました。そこから、マーケティング支援のチャットボット「DMMチャットブーストCV」を主力事業として急速に成長し、2023年現在130名を超える組織規模へ拡大してきました。
そんな中、生成AIによる革命を目の当たりにし、新たな次元の成長をすべく、そして"時代を代表する企業"となるチャンスを掴むべくAlgomaticという会社を、新たに始めました。
Algomaticでは、既に一流の仲間が集まってきているものの、まだ見ぬ創業メンバーを募集しています。本noteでは、弊社に興味を持っていただいた方に向けて、私や会社に関して紹介をさせていただきます。
はじめまして・これまでの人生
まず、はじめましての方向けに、自己紹介をさせてください。
私は、ソフトウェア開発・機械学習系のバックグラウンドを持ち、技術革新を起点に、市場が求める事業を作ることが好きなエンジニア経営者です。
ソフトウェア × AI
ソフトウェア×AIの領域でキャリアをスタートしました。
元々、東京大学の機械学習・深層学習系の研究室にて、AI関連の研究・開発をしておりました。深層学習アルゴリズムが、特定の画像認識タスクにおいて人間を超える精度を実現できるようになった、というブレイクスルーのタイミングでした。それまで不可能とされていた問題解決を可能にするプロジェクトに魅了され、研究室やスタートアップにて、深層学習のビジネスへの応用に従事しておりました。
姿勢推定等の画像認識系のプロジェクトや、自然言語処理を活用したチャットボットのプロジェクトに取り組んでおりました。(当時は、論文読み会がよく開催されていましたね。当時は↓みたいな論文を読んで再現実装して、みたいなことをよくしてました。)
その後、Indeedにソフトウェアエンジニアとして入社し、新規事業の開発・プロダクトマネジメントや、機械学習基盤の開発を行っていました。
Algoageの創業・AI技術の社会実装
そして、2018年にAlgoageを創業しました。
AIやテクノロジーが大好きだった私は、それらの技術が社会に実装されるまでに時間がかかり、技術進化の速度に人々の生活の変化が追いついていないことに問題意識を感じていました。そこで、深層学習・機械学習を活用した、実ビジネスで使えるアルゴリズムモジュールの開発・提供から事業を始めました。
エンターテインメント領域に特化した画像認識モデルの開発や、大手メディア向けのレコメンデーションエンジンの開発といった、AI技術を実ビジネスに応用するためのアルゴリズムモジュールを開発していました。
プロダクトアウト × マーケットイン
プロダクトアウト偏重な事業開発による失敗
創業当初は、技術的にできることベースで考える「プロダクトアウト」偏重な思想で事業を作り、失敗を繰り返していました。
例えば、当時から生成AI系の領域にチャンスを探していて、「DeepAnime」という静止画イラストからアニメーションを生成する、2019年当時でいうと世界初(なはず)のアニメーション生成エンジンを開発していました。
技術的には最先端でとてもおもしろかったのですが、事業としてはうまくいかずでした。シンプルに「人々がお金を払うもの」(お金を払ってまで解決したい課題を解決するもの)を作っていなかったのです。「これまでにないが、新しい技術を使えば作れる、多分あったほうが良さそうなもの」をなんとなく、作っていたのでした。
プロダクトアウト × マーケットインへの転換
そんな技術偏重な失敗と反省を繰り返し、技術だけでなく、市場のニーズ・タイミング・商売の作り方、に徹底的に向き合い始めました。
自分らの強みである技術のレバレッジが効く領域の中で、人々がお金を払ってまで使いたいと思うものは何か、「これがあれば売れない訳がない」と思えるようなものは何か、を探索し始めました。
それまで、プロダクトアウトとマーケットイン、どこか相反する概念として捉えてしまっていましたが、両方をバランスさせることが必要でした。プロダクトアウトは革新的な製品を生み出す力を、マーケットインは市場のニーズを掴む力を生みます。一方だけを重視すると、市場のニーズを見失ったり、他社との差別化が難しくなります。
これら二つの思考をバランスし、技術力を最大限に活かしつつ、市場の要求にもしっかりと応えられる事業をつくろうと、事業の作り方を完全にスイッチしました。
そして、チャットブーストCVの急成長
このアプローチに切り替え、「DMMチャットブーストCV」というマーケティングを支援するチャットボットプロダクトを開発しました。
結果、ローンチから2年目の「DMMチャットブーストCV」は、海外のユニコーンになっているSaaSに引けを取らない初速で立ち上がっており、今後もそのスピード感での成長を計画しています。
サービスとともに、組織も拡大してきました。2020年に11名だった組織が、2023年現在で130名となり、今年中には200名を超える拡大を予定しています。
なぜ今Algomaticを創業したか
「非連続で、爆発的な成長をするには」という問に向き合い続けた
Algoageの事業は、順調に立ち上がり、成長してきました。ただ、その成長を維持し拡大することはもちろん、「更に上にいくためには?更に爆発的な成長をするためには何をすべきか?」ということを、考え続けてきました。
「次の5年10年、更に異次元なところへレベルを引き上げるためにどうすべきか」という。
そんな中、起きた生成AIによる革命
ちょうど、そんなことを考えていたタイミングで、ChatGPTやStable Diffusion等、生成AI技術・サービスが勃興してきました。
私は、大学時代から10年近くこのAI領域にいましたが、生成AI技術による変革が持つインパクトは、その他のAI技術と比べても飛び抜けていると感じています。言うならば、これぞインターネット革命のような革新で、これによって幾多のサービスが生成AIネイティブに作り替えられる可能性があると思います。
もちろん生成AIにより既存の強力なプレイヤーがさらに強大になる側面もありますが、既存のプレイヤーが参入しにくい領域やまったく新しい領域など、新規スタートアップにとってのチャンスも、これまでにないほどに広がっています。
テクノロジー時代の『当たり前』を作る
なんとかしてこのチャンスを掴めないか、という議論をAlgoageの経営陣と重ねました。
「限られたリソースの配分を変える」のではなく、「そもそも資金も人も新たに集め、全体としてできることのパイを広げる」という思想で、より大きな器で考えたときに今何をすべきか、と。
そして、最終的に会社のミッションである「テクノロジー時代の『当たり前』を生み出す。」に立ち戻りました。私たちのミッションに本気で向き合うべく、この大きなチャンスを前に尻込みするのではなく、時代を変えるような事業を作れるチャンスを掴みフルスイングしていこう、と決めました。
そして「株式会社Algomatic」を新たに設立しました。新たな会社として、兄弟会社として、同じゴールに向かうことにしました。
背中を預けられるAlgoageメンバーの存在
私がAlgomatic・生成AI事業に注力するため、私はAlgoageのCEOを退任し、これまでCOOとして経営を共にしてきた横山に新CEOを託しました。
「DMMチャットブーストCV」事業の急成長を事業責任者として実現してきた新CEOの横山と、Algoageのメンバー全員への信頼があるからこそ、こうした大胆かつ新たな挑戦ができました。
▼ Algoageの代表交代については、こちらのノートでも対談形式でお話しています
目指す世界
数十年に1度、人生最初で最後のチャンス
偉大な企業が誕生するタイミングは、時代の変革のタイミングです。インターネット革命の時代に誕生した企業が今日、この時代を象徴する企業になっているように、生成AIの時代に誕生する新たな企業には、この生成AI時代を代表する会社になるチャンスがあると思っています。
これほど大きなチャンスのウィンドウが開くタイミングで挑戦ができる機会は、自分の人生で最初で最後だと思っています。
時代を代表する企業になる
私達は、フルスイングします。会社の戦略諸々は色々変わりますが、軸として変えないものは、「生成AI時代を代表する企業になる」という目標です。5年で1000億円、10年で1兆円企業になることを目指します。
インターネット革命の時代に生まれた代表的な企業に対する憧れと同時に、自分たちはそのチャンスに恵まれなかったという悔しさを感じ続けてきました。革命の波が去った後に生まれたサービスは、どうしてもニッチな領域で戦うことを強いられます。羨んでいた大きな革命とチャンスの波がきた今、思い切り波に乗ります。
アルゴリズムによって、命を吹き込む
「Algomatic」という社名には、由来的に「まるで意思を持つかのように作動するアルゴリズム」という意味を込めています。
"Algo" は、「Algorithm・アルゴリズム」から取ったものです。"matic" は、ギリシャ語の「matos・マトス(willing 意思を持つ)」から派生した言葉で、「意思を持つように作動する」という意味があります。
初めてChatGPTを使った際に、これは人と区別がつかないほど(= チューリングテストをクリアしている)だと感じました。これまで長くAI領域に携わっていましたが、初めての体験であり、これからこのようなサービスが生まれる時代がやってくると思いました。
私達Algomaticは、アルゴリズムを駆使して命を吹き込まれたソフトウェアサービスを生み出していきます。
(余談)そして、Algomaticという社名は、ChatGPTと、会社に込めたい思いなど相談しながら決めました。天才だと思いました。我が社の名付け親はAIです。
逆説的な戦略:同時多発的な事業立ち上げ
Algomaticは、いわゆるスタートアップ的な通説に反する戦い方をします。
1仮説1プロダクトで戦うのではなく、最初から複数領域で同時多発的に事業を立ち上げます。
スタートアップスタジオ的な組織設計
会社組織としても、この戦略に適した「スタートアップスタジオ」型の組織設計を採用しています。
Algomaticの中に、複数の事業会社を持を持つような形であり、各事業部で事業部CEO・事業部CTO・事業部CPO…と事業を率いる経営チームを持ちます。各チームが、裁量・予算を持ち、それぞれが事業を立ち上げていきます。
そして、これらの新事業が迅速かつ確度高く立ち上がるよう、全体を支える横串組織を作っています。ビジネス・テクノロジー・デザイン・バックオフィス等、各事業を徹底的に支援します。
4つの事業
Algomaticでは、現在4つの事業を並列で立ち上げています。公開しているものでは、「シゴラクAI」というサービスを5月にリリースしています。シゴラクAIは、LLMを法人単位で安全かつ簡単に利用できるウェブサービスです。(なお、本noteもLLM(シゴラクAI)と一緒に書いています。シゴラクAIが無い世界には戻れないと思うほど便利です。)
その他、「AI Agent」の概念を活用したサービスや、画像生成技術を活用したサービス等を仕込んでおります。
試行回数を増やし、高速にラーニングを貯める
この黎明期、生成AI技術を活用した事業の勝ちパターンは、まだ誰にもわかりません。いわゆるWeb2の事業のように「成功のレシピ」はまだ確立されていません。このタイミングでは、とにかく試行回数を増やし、高速に学びを蓄積していくことが肝になると思っています。
Algomaticでは、すでにリリースし、成長しているサービスもあれば、マーケットに適さないと判断し停止したサービスもあります。弊社には、そのような「生成AIプロダクトを実際に作り、顧客に届けることで得られる一次情報・学び」が蓄積されています。
▼ マイクロソフトさん主催「LLM in Production Meetup」での登壇資料:
機会損失を避け、"欲張る"
生成AIを活用した大きな事業機会は、現時点で一つの領域に限定されるものでなく、複数の領域にあります。複数領域で、一丁目一番地的なチャンスがある今このタイミングに、張れない領域がある分だけ機会損失になると思っています。
ゆえに、複数領域を狙う事業展開をし、"欲張る"戦略を取ります。「生成AIの革新により、大きなビジネスチャンスが生まれる」という仮説に一切の妥協なく賭けるのです。未来を代表する企業を目指す以上、これくらいの野心・器を持つべきだと。「一発当てる」のではなく、各事業間でシナジーを出しながら、「二発も三発も当てる」ことを目指します。
DMM亀山さんとの共同創業・資金調達
この構想を実現するには、大きなのリソース(特に資金)が必要です。
Algomaticは、この構想に乗ってくれたDMMの亀山さんと共同創業的に立ち上げています。ゆえに最初から、DMMから20億円の資金調達をしており、資本関係的にもDMMグループとして始めています。これにより、初期から各事業に少なくとも数億円は投資できる状態にしています。
昨年、ChatGPTや画像生成AI系の技術が急速に進化したことを受け、このチャンスをどう掴むべきか、亀山さんと数ヶ月にわたり議論を重ねてきました。そこで、亀山さんに議論するたびに視座を上げて頂きながら、今回の構想に至りました。
強い仲間が結集し、より大きな目標を
共に背中を預けられる仲間
良い事業は、良い人から生まれると思っています。互いに背中を預けられ、共に事業を前に進められるチームを作るために、これからも全く妥協しない採用・組織づくりをしていきます。
4月に私1人で始まったAlgomaticですが、7月時点、4つの事業部チームがあり、業務委託含め現在33名(正社員は9名)の仲間が集まってきています。(参考:メンバー紹介)
別々でやるより、結集しより大きな夢を
弊社に入らずとも、独立しても事業が立ち上げられるような方々を特にお誘いしていますし、Algomaticにはそうしたメンバーが集まってきています。自身の事業を持っていた方、起業経験のある方など、アントレプレナーなメンバーが多いです。
なぜ自身で事業を作れる人がなぜ集まるのか?それは、自分ひとりで行うよりも更に大きな目標に到達するためです。一人であれば、10億、20億の事業を創り出すことが可能かもしれませんが、そうした人々が集まった時に時代を代表するような会社が作れる、そしてそれを目指そう、という思想です。
▼ 下記ジョインしたメンバーの入社エントリ(一部)
積極的なM&A
より強い組織・事業を作っていくために、M&Aや資本提携による仲間も集めています。
5月には、開発組織の強化・拡大を目指し、100名近くのエンジニアとデザイナーの業務委託ネットワークを持つBison HoldingsにM&Aにより、仲間になってもらいました。
Algomaticの創業メンバーになりませんか
私たちはここから、生成AIの時代を代表する企業を目指します。
しかし、まだ「未完成な組織」であり、全く「勝ち馬」ではありません。Algomaticはまだ創業3ヶ月、正社員10名に満たない創業期間の超スタートアップです。どの事業も、これから立ち上げていく段階であり、決してその成功は保証されていません。成功が保証されていないところで、自らの力を試し、成功に導くことに燃えるメンバーが集まっています。
「スタートアップとは、崖の上からから飛び降りながら、飛行機をつくるようなものだ」とLinkedIn 創業者 リード・ホフマンの有名な言葉がありますが、まさにこの言葉通りの状況を生きています。
だからこそ、人生で最初で最後かもしれない大きなチャンスのウィンドウが開く今、共に偉大な会社・事業を創る"創業メンバー"を募集しています。
募集職種
会社紹介
カジュアル面談
ご興味ある方は、是非、下記からカジュアル面談にご参加いただけると幸いです。
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