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Consumerism 消費の文化

こんにちは, 今日は初めて日を跨いでしまいました。動画撮影の打ち合わせなどが始まり, 毎日少しずつ忙しいですが, できるだけ毎日オンタイムで共有していこうと思います。

21世紀を代表するものとしてITが存在しますが, その恩恵を受けているのは技術的な面だけではないと思います。消費という文化が急速に変化したのは, この消費文化の過需要に対する技術の供給を急いだ結果でもあるでしょう。

Amazonをはじめとする小売産業がここまで発達したのは, 今のライフラインが確実に充足したからだと思います。Amazon Primeや楽天はこれからも消費者のお腹を満たし続け、成長を続けることでしょう。

では、なぜここまで消費の文化が発達したのでしょうか。歴史を追って見ていくとともに、今回はAmazonの成長についても焦点を当ててみていくことにします。

1. Consumerism

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ソースティン・ヴェブレンという経済学者が消費文化を批判したことから発達した言葉です。

ヴェブレンはマルクスと異なる視点を持ち, そして現代社会産業への分析をしてしいました。富豪たちの生活様式を, 野蛮人たちのポトラッチと同列皮肉を鋭く感じるような分析が多かったようです。彼の消費に対する視座は批判的な見方が強く, 快楽主義的人間像を批判していました。

では, 消費文化はどの様に形成されていったのでしょうか。ここでは消費の定義とその歴史的背景について考察していきます。

2.Define Consumerism

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初めに, 消費という言葉は "consume" という様に, どちらかというと必要な行動の様に捉えられます。したがって, ここでは少しニュアンスを贅沢に傾けて見ることにします。

贅沢とは英語で "luxury" を示し, 過剰に豊かであるという意味を持っています。そのため, 贅沢はある程度以上に過剰に存在するものを表し, 必要以上に求めるという条件によって初めて成立します。

この贅沢ですが, よくみて見ると2つの概念に分化することができます。1つは上でも示した「本来の性質以上の, あるいは付加的(additional)な」もののことを示しています。したがって, 必需以上の消費が贅沢として加わるのです。

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では, もう片方の見解はどうでしょうか? 贅沢とは,「 次第に沈殿し蓄積されていく, 残されたもの」と見ることもできます。英語では "additional" ではなく "residual" な解釈です。

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私達の消費には "additional""residual" な意味があるのです。


3. Where did consumerism come from?

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人類にとって最初の贅沢のあり方は, 家屋の収穫物の貯蔵庫から始まったと言われています。人類の歴史の変遷において, なぜ最低限の家から今の様な定住型に変わっていったのでしょうか。

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実際にフランスにおけるルイ14世の宮殿建設などは, 必需以上に権力象徴の意味を持っていました。したがって人間は生活の発展過程で多くの残余を生みながらもより高次の生活を期待した結果, 贅沢消費が誕生したのです。

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進化の過程で生まれた贅沢消費は, 豊かな時代を生きている私達にとっては "additional" な存在ですが, 歴史にとっては "residual" な存在にしか過ぎないのかもしれません。

4. History of Consumerism

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ここまで消費というものはどちらかというと悲観的な視座を向けられてきましたが, この消費による恩恵も多く存在することを忘れてはいけません。

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例えば, 先ほど挙げたルイ14世の宮殿建設に焦点を当ててみましょう。彼の横暴とも言える贅沢消費は, 彼ほどの財を持ってして初めて行われるものであり, 他者との大きな経済的分断を示唆していることでもあります。しかし同時に彼の贅沢消費が雇用を生み出し, 結果として社会全体の景気をあげたということも事実です。物事には常に二面性がありますが, 君主政や貴族政をベースとした強い経済格差が存在する社会にとって, 彼らの様な贅沢消費は必要不可欠であったとも捉えることができるのです。

その点において贅沢消費とは, 社会をより先の未来へとつなげる行動なのかもしれません(Possibility)。

5. Modern Consumerism & Wrap Up

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では, 民主主義や資本主義と言われる世界においての消費とはどの様なものを示しているのでしょうか。君主政や貴族政とは異なる点としては, 格差社会がより拡大するだけで恩恵を受ける人が少ない点だと考えます。これを説明する上で大事になる人物がソースティン・ヴェブレンです。

アメリカの経済学者であるヴェブレンは, 「有閑階級の理論」というものを展開しました。有閑階級というのは, 生産的な労働を必要としない, 娯楽や社交などに出費している階級のことで, 現代の「セレブ」を想像してみてください。

セレブにおける自己顕示による出費に対して, あなた方はどの様に思うでしょう。人によっては羨望の眼差しを向け, はたまた嫉妬を抱く人もいるのでしょう。しかし, その共通認識として存在するものは「贅沢出費に対する関心」でしょう。

不必要な豪華客船やタワーマンションでの生活は, 現代社会において「憧れ」の中心であり, それを渇望する人達がマジョリティを示す社会構造が現代の先進国では如実に現れており, それは副作用として多くの廃棄を生み出しています。それは結果として人の生活をより豊かにするサービスを生み出し, 社会全体が活気付いている様にも見えます。しかし, その反面には副作用も見られているのです。

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Additional を求めた上で Residual が副次的に産出されてしまう社会。その悪い例として環境汚染問題があります。最初に提示したAmazonがありますが, そのE-commerceの発展は多くの人々に恩恵をもたらしています。しかしその恩恵の半面には, 包装材という廃棄の蓄積による多くの環境汚染的行動にもつながっているのかもしれません。

雑ではありますが, 今日の議論はここまでにしようと思います。皆様は今日のこの文章を通じて何を感じたでしょうか?答えは必ずしも存在しない哲学的な問いでもあるので, 心の中で考えてそして社会を見渡してみてください。何かが変わるかもしれません。


消費行動は, 果たして良いことなのでしょうか?

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