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Let's さんぽ神

みなさん、「さんぽ」してますか?

今日はこの世で一番金のかからない趣味、散歩に一つまみの変化を与える商品の実践記事です。   

「ドロッセルマイヤーさんのさんぽ神」

http://drosselmeyers.com/?pid=150692724より引用

この小さな冊子には「どこで」「何をする」といった神のお告げ(指令)がたくさん書かれています。つまり、「どこで」「何をする」の組み合わせ次第で散歩の行く先が決まっていくという仕組みなんですね。面白いね。

冊子の適当な場所を開いてその指示に従いつつ散歩をするってわけ。例えば、こんな感じの指令がでます。

こんな感じ


なんとなくやることは分かってきましたね。それでは、
Let's さんぽ神!

スタート

言い忘れてましたが、この本の所有者である友人Kと一緒にさんぽ神をやっていきます。どうぞよろしく。

スタート地点は京都市内の出町柳駅前から。時刻は現在昼の12時です。

地図で指すとするならここですね。


ここ

第1のお告げ

「自分は場違いかもと感じる場所で」「公園を見つけるごとにラジオ体操をしよう」


「場違いかぁ」

K「難しいの引いてまったな」

「スタバとか?」

K「せやな、俺らにとったらな」

ということで、三条のスターバックス店へ電車で移動します。散歩とは一体何だったのか。


出町柳駅→三条のスタバ

「そういえば、スタバ券持ってるのが多分境界線なんやろな」

K「何のよ」

「陽キャと陰キャの」

K「あー、確かにあいつらって何か事あるごとにスタバの券をプレゼントしあってるよな。お互いにこいつはスタバを普段使いするっていう共通認識があるから気軽に渡せるんだよな。俺はいらんもん。」

「確かに俺も要らんな。それならQUOカードくれって思うもん。」

K「もらったらスタバ行くしかないっていうか。」

そんなことを話してたら着きました。三条のスタバです。

「コーヒーエイド クールライムのトールで」

と一応メニューを指さしながら店員に頼みます。そして、外のテラスでこのよくわからん飲み物をいただくことにします。どうやらKは瀬戸内レモンケーキフラペチーノを頼んだようです。

手前はK、奥は私の

写真からもわかる通り、この店のテラスは向かいの鴨川にせり出す、いわゆる川床の構造をしています。私たちに似合わずオシャレですね。

「あ、川の向こうでおじさんが鳥に餌やってら」

K「鳥は相手してくれるからな」

「ん、あれトンビじゃない、それにカモの餌奪って飛んでった、、、あ、あいつ餌落としよった、最悪や」

K「あのトンビ、何してん、アホや。」

どれだけオシャレな場所に来ようとも、会話に生産性はありません。それで良いのです。それでこそ、さんぽ神。

そういえば公園は見つかりませんでした、これは保留にします、次行きましょう。

第2のお告げ

「タクシーで前の車を10分追ってもらって」「亡くなった人のことを思い出しながら歩こう」

K「これ、尾行しろってことやろ、法に触れない?」

「大丈夫やろ」

一悶着後、やっぱり追うことにしました。ただし、タクシーの運転手には前の車を追っていることを伝えず、できる限り前の車に付いていけるよう、都度指示を出すことにしました。取り敢えず、川端通りを南下することにします。

K「今年の大学祭のテーマ案って何があったっけ。」

「twitterにあがってたで」

とタクシーの運転手にどこに向かっているのかを聞かれないために、二人で話題を繋げます。事前に示し合わせなくても、なんとなくお互いに今は話しかけられてはまずいことを分かっています。

目の前にはなにわナンバーの濃紺のハイエースが現れました。よし、あれを追うぞと二人で目線を合わせます。

四条手前の交差点の信号で赤信号に捕まります。すると、ハイエースは左にウィンカーを出しました。すかさず、運転手に伝えます。

「この信号を左に曲がってください。そうです、この信号です。」

伝えたら、話しかけられないようにまたKとの雑談に戻ります。

「んで、どうなん、テーマ案は」

K「うーん、これとかはいいかもしれへん。」

雑談をしていると、信号が青になり、タクシーは左に曲がっていきます。しかしながら、あの追っていたはずのハイエースはなぜか直進していました。

私・K「・・・。」

私とKは状況が理解できずに目を合わせたまま黙りこくってしまいます。確かにハイエースは左車線に車線変更をし、左にウィンカーを出していたのです。そして、私たちはそれに合わせるように後から左にウィンカーを出した。そして、気づいたら、ハイエースは直進しており、私たちは目標を見失った。

このことから考え得ることは一つ

ハイエースは尾行されていることに気づき、わざと左にウィンカーを出し、それに釣られた私たちは綺麗に撒かれた。

ということ、、、

タクシーは気づけばろ紙の細い道に入っていきます。ここからUターンして、さっきのハイエースを追いかけることはもうできません。困惑しているうちに、タクシーは丁字路に差しかかります。

運転手「つきあたりは丁字路になっているんですけど、どちらに向かえばよいでしょうか。」

目の前の車は右にウィンカーを出しています。

K「あぁ、右でお願いします。」

Kのケータイで測っていたタイマーは10分を過ぎていました、

K「そして、ここらへんで降ろしてください。」

運転手「迷ってらっしゃいます?案内しましょうか?」

K「大丈夫です。結構です。ありがとうございました。」

1200円の運賃を払ってタクシーを降ります。

「なんか、ハイエースに撒かれたよな」

K「やっぱ、そうよな、撒かれたよな」

「なにわナンバーやし、黒のハイエースやし。もし車に撒かれるシーンを書けって言われたら、このまんまのこと書くもんな」

K「んで、ここどこやねん。どこに連れてこられてん」

そう言いながら歩いていると、見えてきたのは清水坂でした。

「あぁ、ここにつながってんのや」

きっかり10分

亡くなった人のことを思い出しましょう。

K「そういえば坂本龍一、最近死んだなぁ」

「あぁ、戦場のメリークリスマスのね」

K「俺はライディーンから知ったわ、坂本龍一の存在を。ライディーンを吹奏楽で演奏してるアニメを見てて」

「そうなんや、戦場のメリークリスマス入りじゃないんや。俺はダウンタウンの浜田がアメリカにいる坂本龍一にボールペンを返しに行くっていう罰ゲームを見て知ったわ」

お互いに変なところから坂本龍一を知った人でした。ノルマをクリアして次に行きましょう。

第3のお告げ

「家族にゆかりのある場所で」「かっこいいネーミングのものを探そう」

「暑いね、日曜の清水になんか来るものじゃないね」

K「何度も来たことあるしね、もうええよ。一応清水寺は家族と何度も来たし、ゆかりがあるっちゃあるけど。」

「お腹すいたし、清水のどこかで飯でも食べない?」

アルクアラウンド

目についた喫茶店に入ります。私はたまごサンドをKはピザトーストを頼みます。

「そういえば、タクシーの運転手って尾行しているの気づいてたんだろうか。」

K「さぁ、でもタクシーの運転手って勘が鋭いとは思うけどね。人間観察のプロだから。」

「おかしいもんな、行先すら言わないし」

さっきのハイエースに撒かれた話をしていると、店主が水を持ってきてくれました。

店主「みずはごぢらがらづいてでぐだざいね。」

ものすごいしゃがれた声で水を持ってきてくれました。あまりにもしゃがれていました。天龍源一郎とタイマンを張れるぐらいでした。

退店時に顔を見ると女性の方でした。

その後、私とK の間では、しゃがれの原因が酒かたばこか論争が繰り広げられました。今考えるとどっちでも良かった気がします。

腹を満たしてさんぽを続けます。

こんな近くていいんですか

「ん、ここって、真宗大谷派の本廟なん?うちの祖父が最近亡くなったんだけど、真宗大谷派の寺に供養してもらってたわ。」

「めちゃめちゃゆかりあるじゃん」

「ほら、親鸞聖人像がある」

南無阿弥陀仏

祖父の成仏を祈っておきます。

「仏あるある、蓮の花植えがち」

無駄口を叩いて次に進みましょう。

第4のお告げ

「動物の入っている地名のところで」「やたらと怖がってみよう」

K「動物の入っているところは一つだけ思いついたわ」

「あーわからん、どこなん」

K「熊野」

「ええて」

熊野は大学の学生寮です。熊野に行くとスタート地点に戻ってしまうので即刻却下です。

歩きましょう。

まだまだ元気

K「こんなところに麩の店あったんや」

「入ってみよか」

恐怖

「麩まんじゅうが食べたいな」

麩まんじゅうは置いてありませんでした。

店を出て、また歩きます。

K「そういえば、鴨川の鴨も動物か」

灯台下暗し

お告げ通り、やたら怖がっておきます。怖い怖い。

サギでしょうか、怖いね

「水が怖い」

K「怖い怖い、濡れそうで怖い。」

茶番です。緩やかな流れを前に怖がることはそうありません。

でも、これでクリアしました。川で洗った手を拭いて、次のお告げを聞きましょう。

第5のお告げ

「町名を二つ越えて歩いて」「かっこいいと思うセリフをつぶやこう」

K「町名ってどうしようか、町単位をどうするか」

「祇園祭で出し物する地域ごとみたいな」

K「詳しく調べないとわからないけど、2つの通りを越せばよいことしよか」

ゆるーい感じでやっております。歩きましょう。

小径に迷い込みに行く

忘れていましたが、第3のお告げのかっこいいネーミングのものを探すの忘れてました。

「何だろう、この場所」

堀内雲鼓墓所with永田

この場所は堀内 雲鼓(ほりうち うんこ)さんの墓所らしいです。
名前のインパクトが大きすぎて、どんな人か忘れましたが、これをかっこいいネーミングのものとしておきます。

この道中はなぜか寺多めでした。さすが京都。

道中の長講堂にてこんな所を見つけました。何か学問を学んでいたところらしいです。

あっという間


私「なんか皮肉な標語やな」

K「ちゃんと話聞いてないもんな」

九時五時という公務員ライクな店を右に曲がると、大通りに出ました。ここで町名を二つ越えたことにして、かっこいいと思うセリフをつぶやきます。

私「一町一譚」

K「蓮の花 見知らぬ街の 探し物」

Kは俳句で攻めてきました。それに第3お告げ時の私の無駄口を季語として使っています。ニクいですね。

第6のお告げ

「新がつく地名のところで」「工事現場を探そう」

スタンダードかつ難しいお題です。

K「新大阪とか」

「遠いなぁ」

取り敢えず、路線図を見るため京都駅に向かいます。

ここら辺パチンコ屋多し

京都駅の自動券売機の上にある路線図を見ます。

「うーん、みつからんなぁ」

「あ、あったで、新田(しんでん)ってとこ、新田(にった)かもしれんけど、宇治の奥の方に」

https://47rail.jp/get-routemap/26-kyoto/より引用

奈良線の知らない駅です。快速は止まらないようです。いいですね。

丁度来た電車に乗り込んで新田に向かいます。

新田(しんでん)でした

つきました。意外にも閑静な住宅街が広がっていて田んぼだらけではありませんでした。工事現場を探しましょう。

「ん?なんだこれ?」

78 からあげ

K「からあげって書いてあるな」

「ここ一帯には同じようなテープがつづけて貼ってあるぞ」

罠?

K「何だこれ」

「ここ一帯になんて書かれてるのか見ていこうや」

74わらびもる
72 つぶつぶアイス
79 はしまき

「まったくわからん」

K「面白いね」

「なんか奥にある寺の方にもテープが貼ってあるぞ」

95 牛タン
83-A スパ棒

「意味わからへん」

K「、、、分かったかもしれへん。これ煩悩なのでは、数的にも。」

「確かに、でもじゃあ83-Aって何?それにつぶつぶアイスって」

K「うーん」

謎は深まるばかりです。さらに不思議なのはテープに書かれている言葉は被っているものもある点です。(写真はないですが)氷というワードは10回ほど書かれていました。ともかくテープの貼ってある方向に進んでいきます。そうしてたどり着いたのは

入口

入り口でした。じゃあ私たちは出口から入ってきてしまったのでしょうか。何もわかりません。そういえば、途中でNPCっぽいおっちゃんが道路の掃除をしていました。その人に何か聞けばわかったのかもしれません。

「町内を使った点結びをしているとか?」

K「同じ単語が書かれているのもよく分からんしな」

結局、私たちはこの謎を解くことはできませんでした。この謎に挑戦したい人は今すぐ新田にGo!

ピンが立っているところが入口

本来の目的は工事現場を探すことでした。大通りに出たのでこの道沿いに歩きます。

途中、死んだイズミヤに出くわします。

故イズミヤ

「イズミヤが死んでる」

K「ペットフードとかも売ってたらしいで」

「厳しいね、この地域の人はどうすんねん。ベルマートかよ」

町を心配しつつ、工事現場を探しながら歩きますが、全然見つかりません。

K「焼肉に寿司にファミレスになんか子供の夢みたいな通りやな」

「ベットタウン特有の」

K「というより工事しろよ、新田やろ」

「見つかんないね」

K「休憩しよ」

「あそこにガストあるで」

K「あ!道路工事の看板だ!やったぁ」

道路工事の看板をKは初めて撮ったらしい

それは置いておいて、ガストに入店します。

チェーン店横並びロードにお腹ペコペコ

私はストロベリーサンデーをKはあんみつを頼みます。

K「バーミヤンとかガストとかファミレスって基本同じグループ会社やで」

「え!そうなの。じゃあファミリーの食べるもの全部掌握されてるってこと、怖っ」

初めて知りました。

そして、今の時刻は午後5時半。時間的に次のお告げが最後になりそうです。

第7のお告げ

「都会の真ん中で」「美しい写真を撮ろう」

K「これは、さんぽ神がこのさんぽを締めだしたね」

「もう、終わりってことやね」

K「京都に帰ろう」

しかしながら、まずは駅に戻らねばなりません。同じ道を帰っても面白くないので、新田駅の一駅先の城陽駅を目指すことにしました。

googlemapに載っていない道を行く

線路沿い歩いていこうとすると、目の前には学校が現れました。googlemap君はものすごい迂回路を示しますが、実は細い裏道が学校を囲むようにあります。その道は芝ヶ原第6幼児公園につながっており、直接学校の正面側へと続いています。

「あ!これは公園だ!」

K「ここにきて伏線回収か」

そうです。第1のお告げは「公園を見つけるごとにラジオ体操をする」でした。します。

しました。したgifがあるのですが、顔を隠すのとアップロードがむずすぎて諦めました。撮影してくれたKごめん。

なんかこう書くと夏目漱石の「こころ」感がありますね。

そして、城陽駅にたどり着くまでには公園がここ合わせて3つもありました。スッとこのさんぽを終わらせてくれるかと思いきや、急に牙をむき始めました。さんぽ神恐ろしや。

ちなみに、Kは何故かラジオ体操第1ではなく第2の方を好んで採用していました。

小学は第1で、中学は第2をつかっていたそう。私は第2の内容すらを知りませんでした。

K「腕をこうやってな」

「なんか第1体操のあまりカスみたいのばっかやんけ」

K「ンでこんな動きもあって」

「第1と動きがかぶっとるやないかい、そりゃ流行らんわ」

K「いや、第1の深呼吸は スゥ やねんけど、第2の深呼吸は スウウゥゥゥゥゥ って感じでちょっと違うねん」

「知らん知らん」

そんなこんなで城陽駅に着きました。帰りましょう。

京都市以外は都ではない

都会の真ん中ということで、京都市役所に向かいました。

美しいのか?

美しいと思います。えぇ。私は、自身を含め人間を醜い存在だと思っています。そうなると無機物しか写せないので、こうなりました。

終わりに(全体を通しての感想)

ゲームとして、お告げ次第ではあるんですけど、どっちの方向に行きたいとか、どれくらい歩きたいとかは結構、自分らで決めることができます。その点はさんぽとしてのバランスが取れてるのかなと思います。

中には、抵抗感のあるお告げやお金のかかるお告げもあるので、そこらへんは恥と金を捨てる覚悟でやりましょう。

また、ある程度都会でプレイしないと、近くにバスや電車がなくなって詰む可能性があるので注意です。

無意味なこと、無駄なことは面白い。回り道こそ面白い。至極当たり前のことなんですけど、このゲームはその価値をもう一度認識できる良い機会でした。

最後にこのゲームに誘ってくれたKに感謝を添えて

終わり。

宇治 or 城陽

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散歩日記

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