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動物人間

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私のアイデンティティは「動物人間」。 限りなく人間に近い時、そうでない時。両者を行き来する私は、人間社会に苦しむ。 そんな、「動物人間」となる者の思考、感覚をここへ綴る。
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2022年7月の記事一覧

のらと宇宙人と

のらと宇宙人と

終わるさんぶんのいち

はじめて下った坂道と
ひとりぼっちの桜の木

石垣と 恐怖に襲われる君
ぼくの腕の中に駆け込む

あれから 少しと3ヶ月
ずっとそこにいたら
どんな色で どんなにおいで

でも 居ない 居てはいけない

永遠の坂も 降る頃には
知ってたよりも ぽかぽかで
小さい人たちは 変わらず毎日

ふにゃふにゃの僕と うまれたての場所
歩き方も知らない僕と
それは 永遠のトンネルのよう

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人間的なるものの断捨離

人間的なるものの断捨離

夏至の日の夜。私たちはベランダにいた。彼女が作ってきてくれたスパイスのケーキとともに。

「ロウソク、ある?」と君は聞いてきた。部屋にあるロウソクといったら、人間の女性の上半身裸のキャンドルだけ。それはケーキには刺せない。「ここの宿主に聞けばあるかも」と、私は探しに行った。でも、その主がくれたのは仏壇用のロウソク。少し早い誕生日ケーキに、仏壇用のロウソク。

生と死の融合。

私たちは、なにかを食

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