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自分が嫌いなら生き続けよ

2011年に放送されたテレビドラマ「それでも、生きてゆく」を初めて観た。

最初から最後まで涙がこみ上げてくるシーンがほとんどだった。ここまで、自分ごとのように一緒に苦しんだ作品は初めてだった。

この作品を通して、「生死」についての見方が一つ増えた。
私は何一つ、世に言う絶望と呼ばれるものを味わうことなくこれまで生きてきた。大切な人の死を目前にしたことも、犯罪に巻き込まれたことも、暴力や虐待やいじめを受けたことも、ない。

それでも、死にたいと思うことがある。
きっかけはちっぽけなことだけれど、私には鉛のように重たく、ガラスが突き刺さったように痛い。
苦しみが本当に相対的なものならば、私にとっては絶望に値する。
ここ2年間、自分は幸せなんだ、何をそんなに苦しんでいるんだ、と自問自答を繰り返し、頭の中で毎日毎日、戦争をしている。

「私なんて生きている意味がない」
授業中、自分の腕を跡がつくまで爪で何度も引っ掻いたことがある。
夜、真っ暗な部屋で自分の首をクッションで絞めたことがある。
でも、自傷行為には及ばず、ナイフを握っては放し、死ねないまま、今まで生きてきた。

そんな私が、この作品を観終わって思ったこと。

死にたいなら、生きるしかない
自分が死にたいほど嫌いなら、生きることが一番の報復

生きている限りは、苦しまなければならない。
自分が嫌で嫌で仕方なくても、生きることをやめてはいけない。
生きて、もがいて、頑張るしかない。
それが最大の、嫌いな自分への仕打ちだ。

だから私は、生きてゆく。
自分なんか嫌い、と繰り返しながら。
泣く日と笑う日を繰り返しながら。

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