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#4 10年やって一人前

教員は、10年やってやっと一人前になるんだよ。

卒業直前、大学時代の恩師に言われた言葉が、
いまも私の心にある。

大学卒業の日の朝。
最後のHRで先生が話したのは、たった一言。

どんなときも、自分の良心に従って生きなさい。

晴れの日を迎えた私達にむけた、最後の言葉が、
本当に“最後の言葉”となった。


卒業式翌日。
大学から観光バスに乗り、卒業旅行に出発した。
門まで見送りに来た先生がいた。

そんな私達を待っていたのは、楽しい卒業旅行ではなく、

“東日本大震災” 

旅行はもちろん中止になり、そのまま大学に引き返した。

大震災から2日。
やるせない気持ちで大学を後にした私達に届いたさらなる悲報。

先生が急逝したという訃報。

卒業式の日、1週間後には先生の遺骨を納めていることを誰が想像できただろうか。

教員を、何があっても10年は続けようと決心した。
10年続けて、先生に必ず報告したかった。

「一人前になれたかな」と。


未だ、一度もお墓に行けていない。
2021年3月で、震災からちょうど10年。

卒業後、10年が経つ。


私は途中で産休、育休を取得したため、正確にはまだ8年しか続けていない。(現在休職中)


10年目を終える3月まで
自分のあるべき姿を探していきたい。



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