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電気自動車と航続距離について

一部記事が重複するが、詳しく書きたい。

走行距離が伸びたとはいえ、まだまだな感がある電気自動車。
近年近距離用のモデルがぼちぼち出始めたが。。。
本当に使えるか!?電気自動車に乗っている筆者に言わせれば

答えは「NO!」

近所のスーパーにいく、子供の送り迎えにつかう。
街乗りなら十分。とメーカーはいうが、

完全にセカンドカーとして、この価格帯の車を買える人がどのくらいいるか?

新しい車を買ったら、今乗っている車は無くなる予定。それが基本なら、
航続可能距離は極めて重要!!

1.航続距離の最低限をどのくらいと考えるか?

どこかに行くときに、どこで充電するか?というストレスは、まだまだ充電スタンドが少ない日本において極めて大きい。
ましてや、一回ごとの充電に時間がかかる電気自動車は、食事や立ち寄りなどの時にまとめてある程度の距離を充電できたほうが圧倒的に便利。

日本車のガソリンタンクの容量は当初「東京⇔大阪」を補充なしに走れる距離(500Km)が基準だったそうで。
そう考えれば本当はそのくらいの距離が望ましい。(まだこれを満たしている車種は少ないが)


2.バッテリーの特性

あまり議論になっていないが、電気自動車には、バッテリーならではの特性問題がある。

①80%を超える充電は出先では現実的ではないこと


スマホの充電をしてても気付くが、80%超で充電速度が落ちる。これはバッテリー保護のため仕方がない。
筆者の車も最初の30分で80%近く充電するが、100%フル充電するとそこから90分近くかかる。

つまり、メーカーは「30分充電でこんなに走れる!」と言うが、
実際には、80%でどのくらい走れるか?が極めて重要なのである。

②経年劣化の問題

そして、バッテリーのもう一つの特性。
それは、劣化である。
バッテリーは今のところ高価格なので簡単には換えられない。
放充電でどのくらい劣化していくか?何年使えるのか?はとてもきになるところ。
少し残念だが、業界をリードしていた日産リーフでこの問題は浮き彫りになった。
5年経つと、当初容量の40%もない!?
スマホを考えるとある程度の劣化は仕方ないのだが、
保証がついているとはいえ、これでは怖くて中古は買えない。
中古が買えないということは長く安心して乗りづらいということ。

バッテリーの劣化が急速に進む原因
バッテリーは高温になると急激に劣化が進む。
バッテリーが最も高温になるのは、実は走行中ではなく充電…特に急速受電中である。この充電時の高温化をどうやってふせぐか?

これについては、テスラは一つの答えを出している。

それが「水冷によるバッテリー温度の管理」である。

充電中の高温化を水冷で防いでいる。
この機構により、5年経過したバッテリーも90%程度を維持しているという。ちなみに筆者のモデルSは、今6年目で10万キロを超えているが、91%。ほぼ信頼できる数字ではないかと思っている。
また、この機構を逆利用して冬季にバッテリーを温めて航続距離を延ばすことにも活用している。
(バッテリーは冷たいと出力が落ちるため)

ちなみに、この技術を日産が採用していなかったのは、日産が技術不足なのではない。
当時600万円程度のリーフに1,000万円超のテスラと同じ最先端の機構を積むことがコスト的に無理だったからだ。

しかしながら、新型アリアには水冷機能が装備されており、高出力の充電器にも対応できることになった。期待したい。

以上により、言えることは、バッテリーの面から航続距離を考えると、
充電可能な容量80%、5年度に90%程度劣化している。
として、80%×90%⇒約70%の距離が実走距離として購入検討する必要がある。

劣化

3.カタログ値とは

 カタログに載っているWLTCの記載も注意してほしい。ガソリン車でいうところのいわゆる「燃費」だが、これもガソリン車同様に、普通に運転して達成することは、ほぼ無理。エアコンをかけて快適に加速することを考えれば、距離は表記の9割くらいで考えておくのが妥当だと思う。

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4.結論

と、ここまで書くとお判りいただけただろうか?
バッテリー特性 80%(急速充電)×90%(劣化)×90%(カタログ値)⇒65%
新車で400㎞のカタログ値の車が65%%で260kmだとすると、
「ギリギリ」である。と思える読者の方なら、
そこにこそ選ぶ判断軸がある。筆者が300km以下の車など論外だと思う所以もそこにある。(300㎞の5年後実走距離は195km!?)

そして、走行距離こそ各メーカーで大きく差が出ている部分。それらを考慮して…一覧表で最低限400kmもしくは500kmを超えている車種がどのくらいあるか見てほしい。
意外と少ないはずだ。
そういった意味で、電気自動車はまだ選ぶというよりは買う!というほどモデルに選択肢はないと感じる。
なんだかんだ言ってもリードしてきた日産のリーフをみるとそこの価格と航続距離のレベルの高さは流石だなと感じる。

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