業績向上サポート 岡村衡一郎 http://www.association.co.jp/

経営コンサルタント人生を(株)船井総合研究所からはじめる。その後(株)スコラ・コンサル…

業績向上サポート 岡村衡一郎 http://www.association.co.jp/

経営コンサルタント人生を(株)船井総合研究所からはじめる。その後(株)スコラ・コンサルトに。自社ならではの商品・サービスを媒介にした企業変革に携わる。同社取締役を経て経営コンサルティングアソシエーション取締役・社長に。著書:会社に眠る財産を掘り起こせ(朝日新聞)他

最近の記事

岩瀬商店 明るい生き残り戦略(下)

岡村 衡一郎 前号前々号では、岩瀬商店が足元にあった強みを抽象化して新業態を開発したことをお伝えしてきた。 中心にあった技能をもとにメーカーの卸からサービス業への転換を果たしたのだ。老舗企業の明るいニュースは、地域を駆け巡。2019年2月にはTVに、3月新聞に取り上げられる。 地域からは「染めの町・福山」という観光ブランディングを期待されるまで存在感を高めている。 背景には、染める可能性を360度で開いていこうとする商品・サービスがある。 誌面の都合上で二つの商品、

    • 岩瀬商店 明るい生き残り戦略(中)

      岡村 衡一郎 前号で、岩瀬商店が試行錯誤の取り組みをする中でのヒントをもとに、一般消費者向けのビジネスを展開すべく開業した「ソメラボ」について触れた。 繰り返しになるが、数万から数十万円という卸の商売から、一般消費者向け、数千円の「染体験」を核に生き残りをかけた取り組みとしての開業である。 体験で飯が食えるか。 卸の会社に、そんなことは無理だ。 「ソメラボ」構想を話し始めたときに真っ先に反対したのはベテランの社員たちであった。地域のイベントに協力的に参画していた訳でも

      • 岩瀬商店の明るい生き残り戦略

        岡村 衡一郎 岩瀬商店にとって新店舗「ソメラボ」は生き残り戦略の柱である。 ジーパンなどの業務用染料販売が、下がり続けている現実への突破口をひらく店舗であるだからだ。一般消費者に向けて染める × ワクワクで活路を開く、コアな技術の応用的な展開で、生き残りをかける思いが、店名に込められている。 岩瀬商店は、広島県福山市で創業80年を超える、かつてはブラックジーンズの開発の一翼を担い、ジーパンの染料でダントツのシェアを誇っていた。 近隣にも染料を取り扱う業者が多数あり染料の

        • 問題解決は根本的アプローチで

          その転記、なくせないか? 1岡村 衡一郎 仕事のミスを減らす対策は、どの企業でも、当たり前のように行なわれている。しかし、その手の打ち方の違いで、結果が大きく変わってくるのが、ミスを減らす取り組みなのである。 一番よくないのは、「気をつけましょう」が対策になっているケースだ。 このように人的要素に原因を還元してしまう企業は、決して少なくはない。 原因を人的なことで片づけているから、気をつけましょうとなるのだが、それではそのミスがなくなることはない。 ミスをなくせる企業は

          メンバーを活性化させるマネジャーは、ここを見ていた

          メンバーを活性化させるマネジャーは、ここを見ていた 岡村 衡一郎 明和㈱に、保坂さんという、職場の雰囲気もメンバーの仕事の仕方も、大きく変えてしまう名人がいる。 彼が赴任する職場は、3カ月くらいで明るさを取り戻し、6カ月くらいで仕事の仕方が変わっていく。  彼の仕事には、何か秘訣があるのだろうと、私は、ミーティングに参加させてもらったり、現地に行ってみたりしたが、十分には、その技能が分からなかった。 ミーティングに参加する保坂さんは、終始笑顔である。時に冗談も言いな

          メンバーを活性化させるマネジャーは、ここを見ていた

          お客さまを理解するための      フィルターを持つ

          岡村 衡一郎 「お客さまを理解しようとしているか」と聞かれれば、例外なく「している」と答えるビジネスマンばかりだろう。背景には各社各様の実践がある。お客さまの声を聞くようにしている。何が売れ、何が売れていないかといった結果から対策を考えているなどだ。 しかし、理解する取り組みが上手な繁盛企業は、お客さまを理解するフィルターの精度に違いがある。 理解がうまい企業は自社を相対化する能力が高い。 複数いるお客さまの欲求を分けて考え、それぞれのお客さま層にとっての最適値を出そう

          お客さまを理解するための      フィルターを持つ

          楽天アワード受賞 旅館「菊乃家」の挑戦 後編

          楽天アワード受賞 旅館「菊乃家」の挑戦 後編 岡村 衡一郎 前号で旅館「菊乃家」の 挑戦の前編を紹介しました。本号はその後編。 前編で触れたのは、主に三つだ。 一つ目は、料飲スタッフも、接客スタッフも、営業も、清掃担当も、全員が宿泊されているお客さまの名前を呼べるようにすると決めたこと。 二つ目は、名前 を呼ぶという行為が、お客さまごとに異なる旅館に求めるサービ スの質的違いを理解して、行動するというサービス感度を高めていったこと。 そして三つ目は、3世代の家族に向けた

          楽天アワード受賞 旅館「菊乃家」の挑戦 後編

          楽天アワード受賞 旅館「菊乃屋」の挑戦 前編

          楽天アワード受賞 旅館「菊乃屋」の挑戦 前編 岡村 衡一郎  広島県の宮島に、小柄で個性的な旅館菊乃屋がある。 企業の保養所を買い取り、「ようこそ宮島のわが家へ」という思いを込めて旅館を開業させた創業者。後継者の菊川さんは、先代の思いを引き継ぎ、さまざまな工夫を凝らしてきたことが、今、実を結ぶ。 宿泊者のアンケートのおもてなしに関するコメントがおおい。わざわざ書いてくれるお客様がたくさんいる背景には、菊川社長の一人一人のサービスを花開かせるプロデュース能力がある。

          楽天アワード受賞 旅館「菊乃屋」の挑戦 前編

          50人50様のサービスを 会社として

          一人一人のサービス 50通りのサービスを 会社として打ち出す 超常識の会社がある! 岡村 衡一郎  イーノ㈱には50種類のパンフレットがある。 表紙は一緒だが、中身は50人、50通り。 一人一人が、サービスにどんな思いを持って臨んでいるのか、お客さまと築き上げていきたい関係など、それぞれ自由にうたっている。 会社のパンフレットがそれぞれ違うのは、おかしいというのが常識的な考え方かもしれない。 ブランドコードがどうのこうの、販促部の責任で媒体は作成するべきだ、などの意見が

          自分で自分の機嫌を取る

          3岡村 衡一郎  変化の先頭に立つリーダーは、いつでも明るさを保っている。 明るさを、多くの人を巻き込んでいく上で必要な仕事の道具と認識しているからだ。 誰でも不機嫌になることはある。 しかし、ネアカの重要性を知っていて、ここへの対処を意図して行なっているから最小時間に、機嫌の悪い時間をとどめられるようにしている。  明るいリーダーの多くは、元々が明るい性格だとか、元気が取り柄だとか、本人の気質によるものではなさそうだ。 数々の企業を立て直してきた山中さんもその一人。 自

          人財育成三つのキーワード「広く「」深く「」早く」

          岡村 衡一郎  20代の社員に身につけてほしいもの。  30代社員に挑戦してほしいもの。 4 0代社員に新たな金字塔を打ち立てるべく身につけてほしいしもの。  ここに業種や業界に関係なく、共通する指針のようなものはないか。 人材育成にかかわらせていただくことが多い私のテーマとして、長年、考えてきた。  20代の社員には、まず、仕事を一通り覚えてもらって。 30代社員にはリーダー役を。 40代は、全体をみて必要な手を打っていく。 これらは、当たり前にあることで、それはそれ

          人財育成三つのキーワード「広く「」深く「」早く」

          変化促進マネジャーの二つの言葉

          岡村 衡一郎  イキイキと働く人が、どんどん表れてくる社風をつくりあげた創業者のAさんは、次の二つの言葉を、ちゃんと使えるかどうかを、いつも確認してきたと教えてくれた。 それは「ありがとう」と「お願いします」だ。 「『ありがとう』と『お願いします』この二つが言える人が、いいリーダーなのだよ」。 これだけを聞けば、何を当たり前のことを…と思われる方も多いかもしれない。  私も最初に聞いた第一印象は、そんな感覚になった。 しかし、突っ込んで話を聞いてみると、そうではなくなって

          結果目標の設定はNG。だから結果がでる。

          3岡村 衡一郎  変化成長の止まらない沖縄教育出版グループの目標設定はユニークなものだ。 特徴は、設定の原則にある。 ほとんどの企業で目標としている売り上げや生産性は目標にはならない。 理由は行動の結果得られるものだからだという。 代わりに重視しているのは行動の目標である。 自分のコントロールで、できることを目標に置くから、相手は関係ないしラッキーパンチもない。 達成したら、その源泉を探り再現性が高められるし、達成できない場合でも、未達からの学びが多く得られる。  この話

          結果目標の設定はNG。だから結果がでる。

          「顧客や社会によりよい変化をもたらす」ミッションを求心力に

          岡村 衡一郎  会社と社員、メンバー同士の関係が前を向いた掛け算のチームになるためのカギは「自社の商品・サービスを通じて顧客や社会をよりよいものに変化させる」というミッションへの焦点化に あると考えています。 というのも、商品・サービスは、お客さまの仕事や生活が向上するという“その先の姿”を実現するインターフェースだからです。  そこにメンバーの関心が集中し、たとえば「世界一レベルで実現する」といった飛躍を生み出す基準をもって、その先のよりよい変化をめざしていければ、その

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          光が当たらず埋もれている内部資源に「価値創造のタネ」がある

          7岡村 衡一郎  自分たちらしさを失わないで会社を変えたい、しかも現有のメンバーでミニマムに取り組みたいというとき、私がまず目を向けるのは、未来の話ではなく、長期にわたって会社に蓄積された有形・ 無形の「財産」です。  今日に至る事業の歴史や、今の仕事の基盤を成している分厚い経営の蓄積の中には、先達の苦労や試行錯誤の粋が詰まった“価値創造のタネ”が隠れているからです。  例えば、 ・「過去もの」として無条件にお蔵入りしているもの ・経営の交代や刷新によって不適合扱いにな

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          どうすれば挑戦的な仕事が日常になるのか~イノベーション型組織への変革を図る勘所~

          岡村 衡一郎  挑戦的な仕事が日常になるには何がいるのか。 私たちが追求しているテーマです。 社員其々が、日々やる仕事を持っている中、日常業務にプラスして主体的なトライの要素を加えていく。 その先に変化を楽しみ、お客様も驚き、自分達の働き甲斐につながる。 これらを同時に無理なく実践できる風土体質を構築にしていく。 このような変化を日常にしていくための方法論について、完璧な形ではないかもしれませんが、お客様とのトライの中から、おおよその勘所が見えてきました。  あるホテル

          どうすれば挑戦的な仕事が日常になるのか~イノベーション型組織への変革を図る勘所~