00:前書き

2023年1月、とても身近でとても親しかった人を自死という形で亡くした。

内容が内容だけに、身近な人達は皆、その話題に対しては遠慮勝ちで、触れてはいけない事はないにしても、どことなく避けている風にすら感じられた。

そうこうしているうちに、いつしか時間は経ち、自然と立ち直っていった(様に見える)人、そうではなく今でもモヤモヤを抱えている(だろう)人に分かれ、ますます話題を口にする事が難しい空気になっていった。

自分は後者。
モヤモヤは溜まる一方で、どこかに吐き出したい気持ちが強い。

その捌け口と言ってしまうのは申し訳ないが、世の中の大半の人は知らない、でも一部の人にはとても大切だった、そして今年が始まるまで確実に存在していた、その人の事を書きたいと思って始めた次第。

読んでもわからないだろう。
自分でもそうだった。
大切な人を亡くした人の手記を読んでも、悲しい、可哀想、辛い、その全てが、想像の域を出る事はなかった。

自分が実際に体験した、あの日までは。

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