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今日は日中外に出る

 さっぱり冷めない夜に車でちょいと遠くのコンビニへ行ってもいいのだけれども歩いている。深夜にエンジン音が響くのが苦手だしドアの明け閉めもロックを解錠する音も苦手というもんで持っている靴のなかで最も足音のたたない紺色のアディダスを履き(本当はサンダルがよかったのだがわざわざ靴下まではいた)どこへ行こうかとかどこを歩いて行けば怪しくないかとかこんなことを考え玄関に行っては戻ってを繰り返して外に出るまで一時間以上かかった。

 住宅街を汗を滴ながら行くのは日中まったく動かなかったからで深夜0時を過ぎて焦ったのだった。
 外に出れば早いものでわざわざ遠くのコンビニを選んで住宅街を通っている。春からすっかり夜型の生活を楽しんでいる。
夜に出歩く人はどれも問題のありそうな人だらけでそれはつまり自分はまともだと思っていることの証にもなるよなと考えることもまた夜の仕業で簡単にいえば昼と夜の人の質は軽自動車とダンプくらい違うけれども結局は運転手によりけり。
 夏の夜はスペクタクルな期待の空気が流れていて十代の気になる。廃墟や廃屋に近付いてみるとなんとも文字通りでありそれ以上もそもそもなく。繁華街を通ってみたりしたけどまあまああんなものでどうも生臭い人間のかおりに気分がわるくなった。
香ばしさを求めて住宅街を歩くが犬に吠えられるくらいでコンビニで買い物を済ませて帰路を行く。
 水着をきたヤバめの爆乳女が表紙の週刊誌も買えばよかったなと思いながらまだ歩き足らないので遠回りをしている。有料になったポリ袋がきっとがさがさ音を出すからコンビニの駐車場で袋ごとエコバッグに詰めた。もうマスクも外していいだろう。汗だくなのは勘弁な、とかなんとか言いながら入り組んだ住宅街は灯りが少ないことに気がついた。布団のなかでこっそりやるゲームほどの空を見上げてちょいと心細くなって所々家の窓の中はこっそりスペクタルが光っていたから気持ちがよくなった。
きっと日光が足りないのだ。だから今日は日中外に出よう。

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ナツ or Autumn


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中腹の景色




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