見出し画像

ベーシックインカムの試行実験スタートへの火付け作戦 景気対策&少子化対策

前回投稿noteで、特に印象に残ったベーシックインカム(BIと以下略します)の意義は、
①BIは市場経済の活性化を促す効果が期待できる
②現行の政権下はBI導入に前向きではない
この2つを関連づける作戦を立てれば政府はBIに前向きになるのでは?と考えました

一国民の私個人としては、社会保障制度の充実としてBIに期待しますが、それだけでは政府は何も動きそうもないようだ、という政治の難所を前回紹介した6本+αのYouTube動画で知り得ることができたわけです

子どもへの継続的BI給付は景気回復と少子化対策の切り札になる、というキャッチフレーズで

本当はもっとBIに積極的政党が主導権を国会内で持ってもらいたいけど、そんな気配は無さそうです
このままではいくら待ってもBIは一歩も踏み出せません
しかしBI導入の動機が国民の生活改善というキャッチフレーズで、果たして政府や官僚は動くでしょうか?私はそう思いません

本来なら、将来のAIとロボットが働き手の主役となっての就職困難化を見据えてBI実行を政府に決断して欲しいと願うのですが、そうなる気配はまったく無さそうなので、あえて主目的は表に出さず、もっと彼ら政治家や官僚にとっての実利的なテーマでBI開港を迫る方が得策なのではなかろうか?
そう思いました

1.BIで個人消費を押し上げ、景気回復の起爆剤にする

過去10年は政府・日銀が巨額の国債を通じて市場にお金を投入したけど期待する良いインフレ(コロナ禍による悪いインフレではなくて)にはなりませんでした

この理由はどうも投入されたお金は、各銀行の日銀当座預金の中に有り放しで、個人消費にほとんど使われなかったということのようです
つまり国民の間で消費意欲がとても低く、将来生活不安を感じて貯蓄にお金が向かってしまっている
これをBIによって消費志向に変化させることが出来るのではないか!?という期待のことです

ただ、現金を国民に配ったら、やはり貯蓄に回ってしまうので、現金ではなくて有効期限のあるポイントや商品券などの期限付きマネーで給付すれば、間違いなく給付した分は消費にまわります
それにBIは毎月給付とすれば、受け取ったBIはすぐに消費に向かわせるという消費の流れの「常識」を国民にもたらす効果もあるでしょう

以前にnoteしました苫米地英人博士の推奨するデジタル半減期通貨を期限付きマネーとして使えてば良いのですが、そうなると政府と官僚内でまたまた大激論が始まってしまいそうなので、これはBIが軌道に乗ったら移行するようにした方が良いでしょう

2.子どもへのBI給付を少子化対策の目玉政策にする

政府は「異次元の少子化対策」と言っているけど、大した異次元になっていないと実感していますので、本当に異次元にするために成人未満(17歳まで)の国民に対してだけBI給付を開始するようにしたらどうかと思います

政府は少子化対策は必ずする!と言っているので、少子化対策であればかなりの予算をつけられるはずなので、社会保障に手をつけなくともお金を出しやすいはずです

未成年人口は1500万人ほどなので、全員に7万円を毎月給付したとして毎年13兆円程度で計算上はできますから、全国民対象の10%ちょいの原資でやれるはず・・・ですが、これはけっこう大きな額

現在政府の少子化対策予算は3兆円代半ばらしいので、これに加えて現在70兆円規模で行われている経済対策にこの少子化対策BIを盛り込んでやったらと、私は思うけど、きっと政府やお役人は嫌がるだろうな
しかも予想が外れて人工爆増になったら13兆円予算では足りないけど、そのときは少子化が反転したときなので、むしろ喜ぶべきでしょう

仮に子どもが2人いる家庭では一人月に7万円給付では168万円の世帯年収増となり、これを上述の期限付きマネーで給付したら、それなりの景気高揚になると期待します

ただ現時点で異次元と言っている子育て支援予算をいきなり膨大にすることに渋る官僚も少なくないでしょうから、後述する「最初は少なめに」な進め方をとって7万円の半分程度から実験的ならびに試行として開始することも、早くBI給付を始める作戦としては良いかもしれません
その場合の予算は6,7兆円ですから現行3兆円半ばに対して手を出しやすい射程距離になるでしょう

ただ、こうやってもし仮に少子化にちょっと効果が出ると「少子化対策はこれで完成!だから終了」となって、その他期待しているさまざまな「仕組みの改良」がなされない気がしてならないです
これは政権交代しないとダメかもですが・・・

現行社会保障制度に何も手をつけずに子ども世代だけBI導入ができる(だろう)

この方法なら子ども世代だけに純増させるので、制度設計は簡単になり、導入や実験・試行のハードルはかなり低くできます

未成年を持つ家庭には収入純増になるため少子化に歯止めはかかるでしょう
しかしBIの本来目的からすると、少子化解消はオマケの効果であって、
本当に測定しなければならないのは、投入BI量と景気上昇効果で、その評価を中立的に実測しなければなりません

たぶん政治家の方々は「一定程度の効果があった」と最近よく使う「一定程度」と言うと思いますが、あれは他の言葉に置き換えると「ちょっと」、
つまり「ちょっと効果があったみたいだけど」という口語表現になると私は思います

そんなのではなくて、統計学を使って期待した成果が得られたのかどうか検証を行わないと次に進めないと思います

もうひとつ、子どもへのBI給付は「実験・試行」と書きましたが、
実験が終わったらやめて元に戻すことをしたらその時社会は大混乱します
最初から1年間だけ給付とよく周知してからの実験であれば大混乱は回避できるという考えが一般的にありますが、これをやると次の本格導入にまた重い腰を上げなければなりません

実験でなく「試行」として、試行結果の評価中もBI給付を続け、評価結果が悪くなければ(とても良くなくても)試行から自動継続にするような導入の道筋をつける必要があるのではないかと私はそんな予感がします

最初の1年間は現金給付、2年目は2か月とかの期限付きマネーによる給付で国内消費の変化を測定しては?

たぶん期限付きマネーの方が国内消費は上がり、多少インフレにもなるというシナリオを私は予想します

このような実験というか試行では、給付金額は上記に7万円と書きましたが、実験および試行なので5万円とか3万円で開始して、試行から本格導入になった際に、給付額や給付マネーの条件(現金か、期限付きマネーか、更に期限付きならその有効期間など)を確定させるオプションも試行期間に効果が測定できます

またBI導入は、ひょっとして個人消費がものすごく上がってしまいインフレを引き起こしてしまったら、消火にかなり手を焼くかもしれないので、景気過熱を考慮して少額給付から始めて、試行期間は1年や2年でなく5年など長めにした方が安全かもしれません

この実験・試行で効果が良い評価なら、次は本丸の社会保障に手をつけることは必須!です

もし子どもへのBI給付試行効果が、もうひとつ芳しくないけど、悪くもないというのも想定としてはあると思います
ただ少子化対策効果としては、きっと5年もBI試行を続ければ幼児人口は増えだすに違いありません
なぜなら子だくさん家族ほど総給付額が膨らむからです
そうなるとBIは看板降ろして少子化対策補助金に切り替えてその後続けるという政府の選択肢になってくる可能性もあります

こうなったら、BI導入としては失敗で、しかも失敗で済まない事態に突入することもあり得ます

少子化に歯止めされても成年へのBIが導入されない事態の悪夢とは

少子化が反転して若年人口が増加傾向なのに「時代は既にAIで産業の多くが成り立っているから社員はもうあまり要らないです」
こんなふうに多くの会社が言い出す時代は少子化から若者増加に節目が変わり始めた頃、たぶんつるべ落としにそうなる予感がします
こうなった時の人口増は、人が働く機会がとても減り、就職氷河期は解決できない大問題になってしまう終わらない就職氷河期に突入もあり得ます

こういう事態を防ぐには
「働くことで生活費を得る」という現代の経済常識を改め
「最低限の生活費はBIで支給される」「それ以上の生活の質を望むなら働いて稼ぐことも選択肢」というように常識を変更しなければならない、これが前回にYouTube動画6本立てを観て感じた私の結論でした

なので、一旦子ども世代へBI導入を果たせたとしても、決してそこで中断ではなく、次の64歳までの「社会人」へBIの導入は子ども世代へのBI給付実験&試行を開始したときあたりからロードマップ(工程表と呼ばれているものかもしれません)を真剣に立案しなければなりません

もしかしたら現行政権は、将来の社会人人口と就業者需要のバランスから、BIの有効性に気づくかもしれませんが、
私はそれには悲観的です
この段階でBIの本質を良く考えた積極的BI推進の考え方を持った新政権に変わるべき時期が来るのではないかと、そんな予感がします

<20230830追記note記事:下記>

ということで、次は社会人へのBI導入について考えたことを書いてみたいと思います



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?