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Zoomで自宅から地元小学校へオンライン授業サポート3回目 分かってきた利点と課題

この日は地元小学校4年生の「総合的な学習の時間」授業の3回目

私の地元の小学校では3年前から「地域の自然」をテーマにした総合的な学習の授業を4年生に行っていて、住民有志で講師役と授業サポートをしています。今年は感染症予防のためにZoomオンライン授業で大人と子供達は互いに非接触にしましたが、私はこの偶然でしかも不幸な色合いの機会を活用してオンラインが有利になる授業の内容ややり方を研究しようと考えました。

いつも小学校に出向いて行う対面での授業サポートは、先生も子ども達もそれに慣れているし、細かいところまで気配り目配りしながら授業が進められることが何よりも優れていると思います。しかしオンライン授業サポートは今までほとんどやったことが無いから分かっていないだけで、対面授業より優れた点が埋もれている可能性があるという予感がします。そのために対面し難い不幸をあえてチャンスだと思って利用し、オンライン授業サポートを試行錯誤で実施し始めています。この日もそうした試行錯誤授業がありました。

今まで2回のオンライン授業サポートでは、4年生の子ども達にスクリーンに映した説明や画像を使って地元で見つかる生きものや、身の回りの自然環境の例、日本や世界の自然環境の状況などを短く簡単に説明してみました。

そのあと2回目の授業では子ども達の感想や質問を受けたり、子ども達が自然環境を守るために何が大事だと思うか、などまとめた発表を聞き、こちらから感想を伝えることをしました。

それらが済んで3回目の授業サポートでは「通学路や校内に勝手に生えている雑草をつかって生け花作品をつくる」というワークショップ型の体験授業を初めておっかなびっくり着手してみました。

この授業は生け花を作るものですが、きっと非常識な生け花授業だったことでしょう

この生け花づくり授業の生け花は、生け花をあえて綺麗でもないありふれた道ばたの雑草を使って作ってみることで、出来上がった作品が意外に美しい!というセレンディピティを子ども達に知ってもらうことと、それによって身の回りの雑草に好奇心を抱いてもらおうという目的があって以前からやっています。

しかし今年は対面授業が危なくて無理です。昨年までは住民で芸術に才能のある方々に子ども達の作品作りの最中に分け入ってもらって手を取って教えてもらいましたが、彼女達に学校に来て!とはとても言えません。うつすかもしれないし、うつされるかもしれないからです。それで、今回は芸術に縁も才能もない私が遠隔授業スタイルでの生け花作りの説明にトライしました。

結果、時間内にみごと子ども達は生け花作品を完成させました

芸術に才能の無い私が作品を評価しても、せんないことですが・・・作品はどれも美しく立派で、作者の自信に満ち溢れていて、作った子ともはカメラを通して作品を私に見せてくれて、それを見たら作った子どものそれぞれの個性が出ているなと思いました。

子ども達の作品作り後の感想も、私達の期待どおりだったのは嬉しかったです。が、ちょっとデキ過ぎ??という気がしたのはどういうわけでしょう?

今後のZoomオンライン授業支援に役立てられるように

これまでに分かったオンラインでの利点と課題をここで整理しておきたいと思います

オンライン授業サポートの利点だと思った感想

オンライン授業では、全クラス生徒への説明を一斉に機敏に済ませることができること。

4年生全クラス生徒人数はほぼ100人です。これを対面式で説明した場合は、ホールに集め、資料をスクリーンに投影してマイクを使って説明しないとできない規模です。オンライン授業では各教室に別れて、教室に備え付けのテレビ(モニター画面)にZoomでの映像を「放送」して説明しますから、わざわざ教室からホールへ移動する手間もなく、ノートも筆記具も、教科書もあるいつもの教室で授業できます。講師も必要になるだろう説明資料や画像が入った自分のパソコンを使えるので「講師が一方的に子ども達向けに説明をする」という場面ではオンライン授業の方が話す講師も聞く子ども達も機敏にできるという利点があると感じました。

また説明や実技をするときの時間を把握したり、遅れたら急いでもらったりということが対面授業よりやり易いです。これもいつも見慣れた自室の時計を眺めながらの授業ができることと、オンラインでは気が散ることが少ないので、余裕を持って授業の流れを把握できるからだと思いました。

オンライン授業サポートの弱点だと思った感想

まだまだオンライン授業の弱点が気になって仕方ないです。

一番の弱点は、学校に出向いて対面授業する場合に比べてオンラインでは教室のごく一部だけ、しかも画像解像度が低い通信環境なのであまり鮮明に見えないところです。

画面共有で画像や動画を流して見る場合は、いつも見慣れたスクリーンでプレゼンそのものなので違和感ありませんが、webカメラで写す画像はそれよりも小さく、しかも肝心の部分が写っていな場合が多いです。特に子ども達側は、カメラに映るようにするという意識が無くて、画面に向かって作品を差し出すことも多々あり、その度に先生が立つ位置や、どこに向かって見せたら良いかを毎回指導しなければなりませんでした。

ここはそのうち慣れたらちゃんと子ども達もできるようになると思いますが、オンラインに慣れるということ自体が課題になっているのは明白でした。

さらに、Zoomに限らないことですが、オンラインでは会話やりとりの間に2秒ぐらいのタイムラグがあって、これがあると話しがズレた感じがします。このズレが毎回生じてしまいますので、このズレが意思疎通の障害になるのも課題です。

子どもの質問が終わったと思って話し始めたら、まだ終わっていなくて子どもがまた喋り始めた。だけどもう私が話を始めたので子どもは遠慮して質問を中断してしまった。みたいなことが割と頻発しました。

これもシステムに改善を期待してもズレはたぶん今の技術ではどうしようもないことで、話し方を工夫しながら質疑応答する技をこちら側がみにつけなければならない課題だと思います。技とは、間を長めにとって会話するということなのでしょうか?まだよくここは分かりません。

オンライン授業は、何だか分からないけど授業がやたらスムーズに進むような錯覚がします

実際はそんな事ないはずだろうけど・・・と思うけど現実には錯覚でしょう。対面授業では子ども達の表情や態度を眺めながら、説明に興味を持っているかどうか、退屈な説明になっていないか、難しい顔していないかどうか、など子ども達との会話でのやりとり以外の雰囲気を感じながら授業していたことを、オンライン授業をやってみて改めて実感しました。

この表情や態度を眺めながら・・・はもしかして日本人の得意な「忖度」一種なのでは?

以前も説明中に、ある子が今日の授業の感想文を書き出しているのを見つけて、ああこれは授業が早く終わって欲しいんだ、説明が楽しく聞いてもらえていないのだ!と私は直観したのを覚えています。けどそういう場面が見つけても私は注意したり叱ったりはしません。それがその子の偽らざる本音の「つまらない」だからと思うからです。

叱る代わりに説明のやり方を少し変えてみたり、途中で先生からのお話しを入れてもらったりという対策を打つこともできました。が、オンライン授業ではそういう子どものサインががほぼほぼ見えないので、子ども達を忖度しようにも何も視覚情報が得られないのをいいことに、過度にスムーズに説明を進めてしまっているかも??なのです。
ちょうど、誰も聞いていない自分のカラオケの歌に夢中になっているように。。

今回の雑草生け花授業サポートで感じた課題は、コレ ↑↑↑ かな、という感触を強く受けました。
ここで思い出したのが、もしも私が子供電話相談室の無着成恭先生のように質問した子と会話をしながら、分かったかどうか確かめながら回答してあげられたらな・・・

これはハードルが高いですがそんな感じがしました。

子どもの質問に演説のように答えると、なんだか立派な質疑応答な雰囲気が漂うし、演説が終わったら質問した子どもは「ありがとうございました」と言うから次々に質疑応答が進み、達成感大きかった印象しましたが、たぶんこれは錯覚だったのではないかと反省しています。

次は来年のはじめにもう一回オンライン授業サポートがあるかもです
次は、もう少しハードルを上げたいと思います。

こんどは野外と教室をオンラインで中継しての・・・野外といっても校庭に出てのことですが、校舎の外と教室と講師の自宅をオンラインで結んで生きもの観察の体験授業をしたい!と先生に希望しておきました。

はたしてこの授業をやるかどうかはまだ決まっていませんが、やるとなれば今回の雑草生け花より複雑で回線も多く要るし、準備も大がかりになりますが、実施を期待しています。もし実施されたらまたリポートします。

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