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その4 ベーシックインカムにQE(量的緩和のお金)を投入するのはアリなのか?

苫米地 英人氏の下記YouTube動画の中に、ベーシックインカム(BI)の財源に税金ではなくQE(量的緩和のマネー)を使うという方法があると説明されています

ベーシックインカムの財源にQEを使う方法、これについて考えたことを書いてみたいと思います

全国民に毎月一人あたり7万円をベーシックインカム(以下BIと略します)給付するという竹中氏の案では、毎年100兆円の資金が必要になります(7万円×1億2千万人×12か月=約100兆)
この100兆円を税金から立てすることは超難問で、ほぼ不可能だと試算して以前(その1で)書きましたが、
一方では、日本銀行は10年ほど前から毎年、QEの巨額のマネーを市場に供給し続けてきました
2020年は129兆円を日銀が国債買い付け、銀行貸し出し、ETF購入に投入したと動画の中で説明があります

経済学の教科書で習うことのひとつに「市場のマネーを増やせばお金の価値が下がってインフレを招く」とあるのですが、10年間も増やした割にはインフレにならずデフレが続いていましたは、その後ようやく最近になってコロナ禍の影響なのか、ついにインフレになってきました

QEで国債やETF購入などに充てるのをやめて、BIに全額充てられたら、・・・という方法が上記動画にあります

全国民に7万円で100兆円予算が必要なので、QEを財源としたら、たぶんですが10万円程度まで増額できるかもしれない?
一人月10万円、これは期待できそうな数字です

一人1か月10万円では、まだ少ないとお嘆きの方々は存在するとは思いますが、健康で文化的な生活ができる”最低限の生活補助費”としては7万円より格段に実効性が上がると思われます
これに加えて現役年代の人は今までどおり働いて給料を得られるし、年金暮らし世代は厚生年金があります

片や現役世代で、苦しいと生活の方々、思いつくのは子育てや家族の病気などであまり働くことができないシングルマザー(またはファーザー)の例えば3人家族では、3人家族で一人10万円給付なら月に30万円が給付になりますので、住めて食べ、公立の義務教育は受けられるのではないでしょうか

QEを財源とするBIが導入できれば良さそうなのですが、果たして本当にその美味い話は安定して継続的に運用可能なものなのでしょうか?

日本の特徴は、日銀という中央銀行が発行する自前の通貨があって国債をたくさん発行しているけど大半の購入者が日本国内ということがあげられると言われます

このような環境では国は気にせず毎年どんどんQEを行っても”コントロール不可能なインフレに陥らない限り”大丈夫だという説が近年になって出てまいりました
それをMMT(現代貨幣理論)と言うのだそうで、このMMTは正いから信用して突き進もう”とするならばQEによる半永久的で連年のBIが導入できる運びとなると、私はそのように理解しましたが・・・
①私の理解はこれで正しいか?
②私の理解は正しかったとして、一方のMMTはほんとうに正しいのか?
③両方とも正しいとして、もしインフレになってしまったらどうするのか?
これらがまだ私には理解も良いか悪いか評価ができていません

①は私がこれからも勉強を続けるとして、②のMMTについては博士と呼ばれる方々の中には反MMTの方々が少なくないようです
そのMMT反対派が解説するYouTube動画が下記です

書いたものでは下記サイトが反対派の説明です

次に「そうではない」との説明YouTube動画は以下です

そもそもMMTの仕組みはどうなっているのか?については下記のサイトに長いですけど図解があります

いろいろMMTのことを「何だか分からないもの」として書きましたが、もしBIの全予算をQEで充てることを前提にするならMMTを信用して頼ることになるでしょう
現時点では私はその点にすごく不安を感じます

QEと税金併用方式がBIの財源として現実的ではなかろうか?

一般的に経済が良く回り「景気がよいとき」は税収が潤沢になりQE量は減らせ、しかし旺盛な需要下ではマネー供給を増やしてもインフレは起き難いと言われています

黒田前日銀総裁が異次元の金融緩和を開始する前から日銀はじわじわと貨幣供給量を増やしていましたので、そのようなマネーの増分ぐらいはBIに充てても大丈夫(なのかな?)

私のアタマはこのへんが限界ですが、ここでは下記のように理解しておく(納得はできないけど)として思考を先に進めます
BI導入で日本の景気が緩やかにでも高揚して行けば増税しなくても何割かのBI予算はQEで組んでもMMTの弊害を回避させる金融コントロールは効くのではなかろうか?

これをアタマに置くとして次の課題に進めようと思いましたが、
すぐに次の課題というより「問題らしきもの」が頭に浮かびました

QEを財源とするBIが始まってしまったとしたら、政府の暴走をどうやって防げるだろうか?

現在は国の予算は税収と国債によって年間100兆円を超える額になっています
これで様々な用途に予算が付きますが、中には国民が「やめてくれ」という使われ方もありまして「私達が働いて得た税金をそんな用途に使うな!」「無駄使いするな」と反対運動が起きたり野党が頑張って?是正させようとしているように、政府に好きなことを勝手にさせ難い歯止めになっていると思われます

税収に財源を頼る式のBIの場合、
BIを増額するためには増税となり、国民は必ず増税に反対することは目に見えています
もし増税が抑えられてしまうと、政府は欲しい財政のためには良好な景気による自然税収増を待たなければならず、政府財源は湯水のようには使えない
なので政府は暴走しにくい「安全弁」が働くものと思いますが

しかしQEをBIに適用した場合を想像すると、次のようになりはしないでしょうか
BIを増額すると国民は喜ぶとともに景気浮上によって政府財源は豊かになります
なので政府の自由になる財源もBI増により簡単に(今の赤字国債でも簡単なのかもしれないが)豊かになり、その多額な自由に使える資金によって政府は財政支出に対して歯止めが無くなり、つまり暴走しやすくなるのではないだろうか!?
私はこれが大変心配になります

この心配は、将来にもしベーシックインカム導入検討委員会みたいなものが立ち上がった中で防止策を議論して、ちゃんと必要な法整備しなければならない問題だと思います

今でも選挙の前にときどき「バラマキ」が行われますが、
政府は「選挙のためではない」と言っていますが、果たして実際の効果はどうなのでしょうか?
『この政府の言うとおりにおとなしく従っていればお金の得をするので、ヘタに反対はしない方がいい、そうしよう』と、政府の暴走につながる事態を見て見ぬふりをする人も少なからず出て来るように感じます

この件については現在でQEで買い入れた国債によって大規模財政出動が実際にできている日本で、ちゃんとした歯止め策が議論されて実装できるのか私にはまったく見通せません

直接の対比はできませんが、とても難しいと言われていたTPP(環太平洋パートナーシップ)検討からスタートまで10年かかっているので、少なくともBI導入の本格検討で、この「政府の暴走防止柵の法整備テーマ」だけで数年かかるのではなかろうかと想像させられます

でもまだBIの脳トレは続けます

上述のようにQE投入によるBIは、私の脳トレでは検討の限界を迎えてしまいましたので「デジタル・ベーシックインカムで日本は無税国家になる!」(苫米地英人 博士 著)を読みました

これを読めば絶対に私の脳トレの間違いやブレイクスルーが見つかると思い読んでみたので、次回にはこの本に書かれている内容を元にした、さらなるベーシックインカム脳トレしたことを書いていくことにします


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