勇者でもなんでもないボクが、一人で危険な旅に出る話(7)
騒がしく叫ぶ剣を無視して、亜人のおじさんは凄く親身になって教えてくれた。
街を出るために準備するコト、生き延びるために必要なモノ、あったら便利なモノ。それから外の世界がものすごく危険なコト、悪い奴らもいるというコト、寝ることさえも危険だというコト。それから――
「俺はバラモクという。ボウズ、名前は。」
「カナタです。」
亜人のおじさんは、バラモクという名前だそうだ。
この街では聞いたことのない名前…、というのも当たり前か。
バラモクさんは、どんな街で生まれたんだろうか。