見出し画像

2022、夏の幻

今年の夏は遊び倒した。ようやく戻ってきた、私の夏!

鏑木清方展

京都近代美術館で開催されていた、鏑木清方展。清涼感のある美人画が並んでいた。一本の後れ毛が色気を引き出している。美人たちの着物のおしゃれなこと。細かーく模様が描かれていた。こういうのって現代の漫画家のようにアシスタントとかいるのかしら。
日本画は余白があるところが好きだ。私の好きな言葉、「余白の美」。

桂離宮

初めて訪れた桂離宮。この敷地内を舟で移動していたそうだ。全然歩ける距離である。無駄こそ最高に雅で贅沢なのだ。写真左の細かい石が敷き詰められているのは砂浜を表しているそうだ。舞鶴だったかな?海が欲しかったのかな。自然で自然を表すって不思議な感覚だな。ガイドのおじいがとても特徴的な話し方をしていて、まるで背中にあるボタンをぽちっと押して再生しているかのようだった。

ゴールデンカムイ展

喫茶店で漫画を読んでまんまとハマり、無料で読める期間に読破し、最新刊購入まで至ったゴールデンカムイ。なぜこんなにハマったのかは自分でもよくわからない。鯉登少尉が好き。
展示は面白かったけど、漫画を編集して展示したような感じだった。もう少し裏側とか制作秘話とかあったら面白いのになぁ。デジタルが主流の今、原稿などから作者の息吹を感じるのは難しかったな。昔ならホワイトで修正が!とか発見があって、作者って本当にいるんだ…と実感できたんだけど。まぁ好きなキャラがデカデカと展示されているんだからそれ見るだけでも満足だ。
グッズはバラエティに富んでいたので、選んでいて楽しかった。中身の見えないランダムのグッズの封を開けるときはとても興奮した。谷垣源次郎のキーホルダーが当たった。車の鍵に付けたが、この漫画を知らない人からはオッサン好きと思われるかしら。

尾道

友人と旅行に行くはずが、例の疫病により白紙に。無念。ぽっかり予定が空いてしまったので、思い立って一人旅、尾道に降り立った。
尾道は一人旅初心者にもってこいの土地だと思う。アクティビティなどは特にないが、散歩していて飽きない。こんなに気軽に船着場に行けてぼーっとできる場所はなかなかない。すごくたくさんクラゲが浮いていた。海はいいよねぇ…アイスモナカを食べながら穏やかな瀬戸内海を眺めた。疫病で自宅待機を命じられている友人にゴールデンカムイ展の便箋で手紙を書き、尾道土産をゆうパックに詰めて送った。
もちろん海だけでなく山もいいね。坂道を登ると神社があり、そこではその地区の人がお祭りの準備に勤しんでいた。そういう地元のお祭りは大好きなのでじっくり眺めたかったが、おじさまたちからの視線に耐えられず退散。階段を降りるときに、神社へ向かう男子高校生たちがいとをかし。だった。その土地に住む人たちの暮らしぶりを垣間見るのが旅の醍醐味のひとつ。
夜は酒に溺れ自分を見失いかけるものの、すんでのところで理性がはたらいたので、自分を褒めてあげたい。いや、この場合は理性を捨てるのが正解だったのか?と、時折思い出しては悶々としている。
次の日はあっさり尾道ラーメンを食べ、友人に会いに姫路へ。彼女はいつも変わらない。分かるようでわからない、不思議な人だ。彼女からの、最近何かいいことあった?っていう質問が好きだな。突然聞かれたので、道で100円拾ったなどというしょうもないことしか言えんかったけど、彼女は真剣に頷いてくれた。

フジロックフェスティバル

人生で一度は…と夢見ていたフジロック。ついに!一言でいうとめっちゃ楽しかった。関西圏からはかなり遠かったが、来た甲斐があった。やはり山だから?幾分気温は低かったが、稀に見る(らしい)天気の良さのおかげで容赦なく照りつける日光にはやられた。体力がめっちゃ削られた。
私的MVPは、トムミッシュ。あんなに甘い声で歌われちゃあひとたまりもないですわ。日暮れ〜夜にかけての時間帯にピッタリだったな。FOALSも聴いていてすごくワクワクした。あとは鈴木雅之、とてもとても盛り上がった。彼が夜と言ったら昼も夜なのだ。雰囲気をつくり出す天才。もちろん歌も上手かった。かてぃんも聴けたし、インドのメタルバンドも面白かったし、懐かしのオレンジレンジも楽しかった。yeyeもかわいかったな。あ、あとはarloparks。入場規制になるくらいに人気だったが、たしかに魅力的な声と音楽だった。ちょっと気だるげでかわいい、でもしっかり伸びる声。メロディも寂しげで好きだ。
フジロックはキャンプと一体になっているのがいい。朝、テントから出て森の空気を吸い込み、リハーサルの音出しを聴きながらコーヒーをすする幸せ!爽やかすぎるだろうが!会場にもすぐ行けるし、しんどくなったらテントに戻って来れる。天候に恵まれたおかげでテントが雨に流されることもなかったし、今年は人が少ないおかげか風呂もすんなり入れた。成功体験を積み重ねたので、また行きたいしかないですな!

かき氷

夏といえばかき氷。いちごとピスタチオのソース。中にナッツとかチーズ的なものが入っていた。おいしいのだが、注文してから1時間近く待った(おそい!)のに、いざ運ばれてくると溶けるから早く食べないと!と焦って早食いになるし、当然口に入れたらすぐ無くなるしで、一瞬のうちに完食してしまった。かき氷とはなんとも儚いものよ…。の割に、最近のはいい値段するよね。
思い出補正込みで、じゃりじゃりの氷に人工甘味料バリバリのいちごシロップかけたやつが最強だな。

甲子園

なんだかんだ毎夏訪れている甲子園。プロ野球はそこまで興味ないのに、高校野球は気になってしまう不思議。今しかない時間を精一杯駆け抜ける彼らがとても眩しい。羨ましい。アルプススタンドのブラスバンドや野球部員たちの応援する姿も応援したくなる。つまり高校生の青春最高!と言いながら球場で飲むビールも最高!来世は甲子園球児に生まれたいぞ!

室戸水族館
土佐の朝市、小夏
こんぴら

奄美大島へ行くはずが、台風のせいで四国に変更。初上陸の高知、元廃校の室戸水族館で懐かしい学校とかわいい魚やウミガメなどの展示の両方を楽しむ。こぢんまりしている分、魚が近くてゆっくり観察できた。手洗い場になまこがいたり、跳び箱に水槽が埋められていたりとアイデアが面白い。海が近いのにプールはあるんだな。元プールはウミガメが泳いでいた。
地元の小学生がイカ墨で書いた習字が貼られていたり、高校生の作った水族館の歌?が聴けたりと、地元の人との関わりを大切にしているところがよかった。廃校だから地元の大人たちの思い入れもひとしおなのだろう。
夜は居酒屋で分厚いカツオのたたきを食べて、高知名物?穴の空いたおちょこで日本酒を飲みまくった。調子に乗りまくった。奄美に行く予定だったとお店の方に話すと、ご厚意で奄美の料理、鶏飯を出してくれた(うろ覚え)。最終的に店の縁側で寝た。楽しかったな〜。
次の日なんとか起きて、朝市に出かける。しょうが、じゃがいも、さつまいも、ニンニク…根菜が多い。そして安い。あとはやっぱり柑橘系。みんなつやつやピカピカ。そのうちのひとつ、ぶしゅかんって初めて見た。かわいい響きの名前。漢字だと仏手柑らしい。千手観音みたいな生え方なのかな。屋台で冷やしうどんを食べていると、地元のおじいがぶしゅかんを買えと勧めてきた。友人がすだちを買ったと言うと、「すだちは汁気がない」と3回くらい全否定していた。そんなにおすすめなら、と私は結局ぶしゅかんを買った。
料理好きの友人は一つの食材で色んな料理が思い浮かぶようで楽しそうだった。私はそこまで料理をするわけではないから引き出しもないし、ニンニクを見れば、ニンニクだぁ。という感想しか抱かない。彼女は食材の新鮮さや値段の相場、どんな料理に使えるか、など想像が膨らむのだろう。一緒に市場を見て回っていて着眼点の違いが如実に表れて面白かった。
車で香川へ向かい、道中でかまたまうどんを食べ、お宿に到着。お風呂が広くて気持ちいい旅館だった。お値段も高くなかったしまた行きたい。疲れのピークか、一番に爆睡してしまった。私ってばいつもそう。どこでもすぐ寝れる特技が悪い方に向かうとき。
さらに翌日、朝からバイキングしこたま食べて、金比羅山に登る。階段約800段を登り、中腹の神社に到着。時間がないから今回はここまで。おみくじは末吉で、急ぐな焦るなみたいなことが書かれていたが、帰りしなに土産物屋でお土産を買ったらすぐ先の別の土産物屋で同じものが50円安く売られている、というのが2回あったので、ここのおみくじは当たるのかもしれない。
最後はうどんをもう一度食べて、解散!
当初とは全く別の旅行になったが、楽しかったので結果良し。


毎週末遊びに奔走していたなぁ。でも、今年が最後かもしれない。そんな漠然とした不安と予感めいたものを抱えながら、夏を終えた。いつまでも遊んでいたいのに。夏が終わるのは寂しいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?