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ライターが、おにぎりやさんになった話。

はじめまして。

おにぎりやさん」という、何とも分かりやすい屋号でおにぎりやを営んでおります、杉江さおりと申します。
営んでいるといっても実店舗はなく、愛知県を中心としたマルシェやイベントでおにぎりを販売しています。

noteは初、Instagramは「おにぎりやさん」でやっています。

2015年より、フリーランスの編集ライターの傍ら、おにぎりや業を始めました。

ライターが、なぜゆえにおにぎりや??

ときどき、聞かれる質問ですね。

それを聞いたら、わたしでも間違いなく聞くに決まっています(笑)。

理由は2つあります。

当時わたしは、ライターとして、とある観光協会さんのプロモーションのお手伝いをしていました。プロモーションの一環で、その土地に根付く醸造文化を紹介する企画があったのですが、その中に味噌を紹介する企画があり、地元の味噌蔵さんの味噌を使った「みそ玉」作りのワークショップを開催することになったのです。

その時に、味噌汁のお友達といえば「おにぎり」。「そうよ、ワークショップに参加してくれた方におにぎりを軽食で出そう!そうだ、そうだ、それいいね!」と、観光協会さんや仕事を紹介してくれたデザイナー友達と盛り上がったことが、きのうのことのように思い出されます。

それで、「あっ、わたし土鍋でごはんを炊いていてね。それが本当においしいの。どうせなら、土鍋炊きおにぎりやりたい。夫が飲食店をやっているからさ、その厨房を使えば衛生的にも安心じゃない?」

そんな軽やかなノリが、わたしのおにぎり業への第一歩でした。
軽やかなノリではあったものの、ワークショップの参加者さんが土鍋で炊いたおにぎりをおいしいおいしいと言ってくれて、観光協会のナカノさんはまかないおにぎりを本当においしそうに何個も頬張ってくれて、家族に食べさせたいとまで言ってくれて、おにぎりひとつがこんなにも人を喜ばせることができるかと、何か手応えのようなものを感じていたのです。

そして、その件のデザイナー友達がとてもマルチな人で、世の中のブームになり始めていたマルシェやイベントなどをバンバンと企画運営していたのです。当時、お客さんとしてマルシェ好きだったわたしは、自分もマルシェで何か販売してみたい、でも何が自分に作れるかな〜と思っていたところ、「おにぎりがあるじゃない?」

そんな彼女の軽やかなひと言が、おにぎりやになった理由でした。

その後、奇跡的に世の中のマルシェブームに乗れたおにぎりやは、春秋のイベントシーズンになると活動拠点の愛知県をはじめ、お隣の岐阜や三重、なんと東京のイベントにもお誘いいただき、夜中からおにぎりを仕込み、イベント会場に駆けつける、そんな日々を過ごしていました。

でも、続けていくうちに、不安も膨らんでいきました。

何せ、食の立派な資格も、どこかで修行をしたという経験もなく、軽やかなノリからのおにぎり業なのですから。

でもね、ライターとして食や食まわりのことを中心に取材執筆をすることと、おにぎりやとしておにぎりを販売することは、なんだか似ていた。どちらも、"良きもの紹介したい気持ち”という意味では変わらず、繋がっているな〜と思ったのです。それが、ライターであり、おにぎりやである、理由です。

さて、2足の草鞋を履いて5年が経ちました。

5年くらい経つと、誰でも先のことって考えますよね。わたしももれなく。
このまま2足のスタイルを続けていくのか、いつまで徹夜みたいなことが続けられるのかと思い始めた矢先に、新型コロナウイルスが広まった。出店する予定だったイベントがことごとく中止になりました。

4月〜6月あたりはこれからどうしようと悩んでしまって、でも何かしなくちゃとコロナハイなところもあって、自分を見失っていた気もします。コロナはいまでも収束はせず先行きがとっても不透明だけれど、どうせ先が見えないのだったら、いまできることで一歩踏み出したい。

そんなわたしの決断は、フリーランスで14年続けてきた編集ライターの仕事は一旦お休みをし、おにぎりやさんとして実店舗をオープンする道でした。

いまできることの一歩が大きすぎる!と、開店準備を進めながら我ながら思いますが、いまやりたい、いましかない、やるならいまだ!(笑)という気持ちが止められなくなってしまったのです。念願だった夢の店を構える、とかそんな感じではなく感情が先に動いています。
好奇心が原動力であり、先生でもある。それがなかったら、14年も不安定なフリーランス業をやっていないでしょう。40もとうに過ぎて、ギュイーンと新しいことに挑戦するなんて、脱サラおじさんの気持ちがちょっとだけ分かる気もしています(笑)。

お店は、2020年11月下旬、愛知県名古屋市中区にオープン予定。ただいま、絶賛いろいろを進め中です。

noteでは、Instagramではお伝えできないオープンまでのあれこれや、オープンしてからのあれこれも綴っていければ!
どうぞ応援、温かいアドバイスなど、よろしくお願いいたします!

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