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自己紹介作品 パート2:夜空

前回のメンバー自己紹介作品に引き続き、今回は夜空の作品です。実はこれ、夜空の作品の中で管理人一番のお気に入り。ぜひ、楽しんでください!

『吾輩は猫である三世』


“吾輩は猫である。名前はまだない。”
これは僕の祖父の名言だ。
僕は、吾輩はネコである三世。こんな恥ずかしく、かわいそうなネコもそうそういないはずだ。

祖父はどうやらこのセリフが好きだった。だからよく息子、つまり僕のパパに言っていたらしい。何しろ、最初に覚えさせた言葉がこれなんだとかいう話だ。

残念ながら、いや失礼だけど幸運にもかな、祖父は僕が生まれる前に動かなくなってしまった。でも遺言があった。祖父曰く、

「最近の若いネコは怠けすぎだ。昔は魚1匹でご馳走だと言うのに。けしからん。嘆くことしかできん...。孫にはしっかりとしてほしい。そこで息子よ、頼みたいことがあるのだが...」


「ニャー、ニャー」


そうして今、僕はこのダンボールの中から外を見上げている。夜空は綺麗で最高だが、僕の心は沈んだままで、何も感じない。少しじめじめしてるけど気にならないぐらい。まったく、何が可愛い子には旅をさせよ、だ。古臭い風流がいつまでも続くと思ったらとんだ大間違いだ。

ん?何が来たぞ。

吾輩はネコである。名前はまだない。
どこで生れたかとんと見当はつく。
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。我輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番どうあくな種族であったそうだ。


しかし吾輩の親と祖父に比べれば...

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