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【SS】殺られる前に殺れ #AIアートイベント

 2180年、地球上の街は壊滅状態になっていた。遥か遠くの星から地球侵略のためにエイリアンがやって来ていたのだ。エイリアンは新しい住処としての惑星を探していた。彼らが生きていくためには地球と似たような環境が必要だった。そのため、地球をターゲットとしてやって来たのだ。

地球に接近して攻撃するエイリアンのスペースシップ

 エイリアンは地球に降り立つことなく、宇宙空間のスペースシップから地球の主要都市に執拗に攻撃を加え続けた。主要国の核ミサイル格納庫が一番最初に攻撃され、その一体は放射能が一面を覆いつくした。次第に地上では爆発の連鎖が起こり、スペースシップに対する攻撃手段を地球人は完全に失ってしまい抗戦する術を失ってしまった。

エイリアンの攻撃で焼き尽くされた街

 攻撃を受けた都市部は無惨にも破壊され、燃え盛る炎に包まれていた。人々は呆然と見つめることしかできなかった。核爆弾も爆発し、近隣は放射能で汚染され近づくこともできない有様となってしまった。こうなると国境というものは全く役に立たないし、国同士が協力して戦うことすらできない状態となってしまった。そして人類は限られた地上で攻撃を受けるリスクの少ないジャングルや山奥に我先にと逃げ惑うこととなり、大渋滞による事故を誘引し、略奪も起こり始め、あたかも自滅の道を突き進んでいるかのようだった。

ピザの形をしたエイリアンの卵

 エイリアンからの執拗な攻撃はなぜか終了した。しかし、何の声明もない。焦土と化した地上を宇宙から眺めてこれ以上火器による攻撃は必要がないと判断したのだろう。どうやら作戦は第二段階に進むようだった。スペースシップから大量の小さな円盤のようなものが地上に向かって発射された。これは、地上におけるその星の住民攻撃用に飼育されたエイリアンの生物兵器の卵だった。地球の環境であれば、一週間程度で孵化し、その後数時間で成長し、人々に襲いかかるように飼育されている。この生物兵器の寿命は三ヶ月程度。つまり三ヶ月間で全地球人を抹殺してしまう計画なのだ。しかし、地球人は空から降ってくるやわらな円盤が地上に落ちたものを見た時「ピザ」が降って来たと勘違いしてしまった。そう、まさか生物兵器とは思わなかったのである。一部の食糧難に陥っている地域では、空から降って来たピザを、貪り食べる人まで現れてしまった。これは、エイリアンにとって予想通りの成果だった。そのため、地球にあるピザという食べ物に似た形に作り上げたのだった。このピザを食べた人は、生物兵器を飲み込んでしまうことになり、体内で卵の孵化を助けてしまうことになってしまった。成長した生物兵器は内臓を食い荒らして成長するのだった。

生物兵器探索ロボ

 そんな状況に人類は初めて気づき、落ちて来たピザを食べないようにとアナウンスした。しかし、すでに多くの人間は食べた後だった。一部の研究者たちはピザを探し出して焼却するロボットを急ぎ開発した。焼け跡に行き部品を集め何体かのロボットを完成させ、起動した。同じことは地球上の各地で試みられ、地球上の主要都市では同様のロボットが多く稼働し始めた。孵化寸前のエイリアンの卵を検知して焼きつくのがロボットの使命だった。ロボットはいろんな寄せ集めの部品で作られたため、いろんな形のロボットができていた。

エイリアン対抗ロボット

 地球上でロボットが開発されるとは全く考えていなかったエイリアンはスペースシップの中で対策会議を開いていた。実はエイリアンの身長は10センチ程しかないため、地上戦のために降りても勝算はないと考え、生物兵器利用を考えたのだ。火器による攻撃をこれ以上続けてしまうと、自分たちが住めない星にしてしまう可能性があり、これ以上の攻撃はすべきではないという結論にも達していた。

飛行機能を持ったロボット

 そうしているうちに地球人は、飛行能力を持った対スペースシップ用無人ロボットを開発していた。エイリアンはまだ気づいていなかった。地球人は、舞い降りて来た生物兵器の卵であるピザを焼き払う一方、エイリアンのスペースシップを破壊するための対策を水面下で進めていたのだった。そして、発動の時は来た。地球人は、このロボットに運命を託し、宇宙へ向けて発進させた。最初で最後の攻撃である。殺られる前に殺るしかないのだ。

 何も知らないエイリアンたちは油断していた。接近する物体があるはずはないと思っていたためレーダーすら見ていなかった。そして、ロボットはエイリアンのスペースシップの真上に着地し、すぐさま両手のレーザーでスペースシップの天井を焼き切り、船内に入るとロボットは自爆装置を起動した。ここまでの時間は20秒程度だった。

 船内に入ったロボットのカウントダウンが始まった。船内では慌てふためくエイリアンが右往左往し始めた。脱出用ボートに駆け寄るものもいたが、間に合うはずもなかった。10、9、8、、、3、2、1。ボンッという小さな音でロボットが爆発したかと思うと、ロボットから漏れた液体と気体がほぼ同時に化学反応を起こし連鎖反応による大爆発を引き起こした。一瞬でスペースシップは宇宙のチリとなってしまった。跡形も無くなった。エイリアンたちは起こっていることを理解する時間もなく、全員消滅してしまった。地球人はエイリアンに反撃の余裕を与える前に何とか決着をつけることができたのだ。地球上に撒かれた生物兵器であるピザの形をした卵の焼却も順調に進んで行った。

エイリアンは消え穏やかな日の出が現れた

 これで、地球の安全が戻ってきた。あとは地道な復興と防衛強化を実施していくだけだ。

 久しぶりに安心してみることができる朝陽が昇り始めた。エイリアンが再来してくるまでに多くのことを実施しなければならないだろうということを関係者は朝陽の温かい日差しを浴びながら強く決意していた。


 AIで書かれた絵を元にショートショートを作ってみました。これは、あずみのさんが考えられたイベントです。魅力的な絵がたくさん掲載されています。今回はピザの絵でお話を作ってみました。少し長めのショートショートです。


この素晴らしいイベントに投稿してみました😊


#AIアートイベント #創作 #ショートショート #エイリアン #地球侵略 #SF


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