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【No.08】理不尽な戦い@こうならいいなサラリーマン劇場

 サラリーマンの世界で起きているかもしれないことをドラマ風に綴ってみたいとおもいます。内容は架空の話ですが、思い当たることがあれば要注意ですよ。それから、この劇場の結末は「こうならいいな」という内容で終わります。なので、現実界とは少し違うかもしれません😊

 それでは、幕を開けてみることにしましょう。


ある会社Xで社内システムの再構築の計画が持ち上がっているようです。これまでA社の支援の下で理想のシステムを協議し再構築のベースとなる計画をX社のプロジェクトメンバーは作成しました。その内容は社長へと報告され、とてもいい計画だから進めるように言われたようです。ところが、これまでX社のシステムの運用支援をしていたB社にとっては寝耳に水だったようです。X社内で起こったその後をみてみましょう。

天の声

部長からプロジェクトメンバーがまとめ上げた企画書(稟議書)が社長に報告され、非常に良くできているという言葉をもらったようです。プロジェクトメンバーも大喜びでした。X社のプロジェクトメンバーはA社営業に連絡して、「プロジェクトが次の段階に進みそうだから今後ともよろしく」ということを伝えました。俄然やる気が出てきているようです。
数日後、部長からプロジェクトメンバーに説明がありました。「みんな、申し訳ないけど今回のプロジェクトはA社の支援はこれまでで実装はB社に依頼することに決定した。みんなもこれまで学んだことを活かして開発に入ってほしい」
プロジェクトメンバーはまるで狐に包まれたようでした。どうやら稟議書の内容の大筋を知ったB社は、社長コールをして「A社と共に作成された稟議書を1/3の予算で実施させてくれませんか」と詰め寄ったということだった。予算が1/3でできるのならそうしようということで社長から部長に依頼先変更の指示がでたのでした。
プロジェクトメンバーは、納得できないままB社と一緒に新しいシステム作りのプロジェクトを立ち上げました。
結果は言うまでもなく失敗したようです。
関係していた社員は肩を落としたそうです。
「あのままA社の支援を受け続けられていたら結果は変わっていたかもしれない」


営業活動において、トップコールを実施して形勢逆転を狙うことはよくあることです。なので、そのこと自体は致し方ありませんね。もしかするとA社へ支援依頼するときに頼み方を間違ったのかもしれません。実は、X社の運用担当者はB社の運用支援に対しいろいろ不満を持っていたようで、そのことを部長に話していたようでした。それで部長は、それならばとA社に声をかけて企画段階を走らせたようでした。この辺りがもし違っていたら未来は変わっていたのかもしれません。ではその変わっていたかもしれない未来を見てみましょう。

天の声

X社の部長は担当者からB社の運用品質についての問題と課題を社長に報告していた。「社長、B社の我が社に対する支援は品質がどんどん落ちているようです。我々としては、A社の支援を受けて再構築の稟議書を作りたいと思っています。状況が状況なのでB社には私の方から説明しておきますが、おそらく社長のところにB社から連絡が入ると思います。それが提案であったら金額のみでその場で決定することは控えてください。取締役会での検討事項としての取り扱いをお願いします」と、一旦社長にも情報を流して企画作業が始まりました。

部長からプロジェクトメンバーがまとめ上げた企画書(稟議書)が社長に報告され、非常に良くできているという言葉をもらったようです。プロジェクトメンバーも大喜びでした。X社のプロジェクトメンバーはA社営業に連絡して、「プロジェクトが次の段階に進みそうだから今後ともよろしく」ということを伝えました。俄然やる気が出てきているようです。
数日後、B社の営業がX社の社長コールをしていました。
「社長、A社と共に作られた稟議書の内容は我々に発注していただければ30%の費用で請け負いますので、是非我が社に発注していただけませんか」
「B社の営業さん、30%の予算でこれだけのシステムが構築できるということを示していただけますか? そうでなければいくら安くても受け入れることはできませんよ。我々の担当者のB社に対する信用は壊滅的状況になっているんです」
この後、A社との契約が締結され無事プロジェクトはスタートし、予定通りに開発が進み新しいシステムが稼働しました。


トップへの報告はとても重要です。ビジネスにおいてトップコールも頻繁に行われ、契約がひっくり返ることもよくあります。しかしそれで現場が困るような結果になるのであれば意味がありません。あくまでも会社としてある程度の期間を見越した判断が必要になります。しかしそのような判断を実施するためには社員から管理職へ管理職から役員へ正しい情報が連携されなければ成り立たないのです。特に、マイナス要素の報告は事前に早期の段階で実施しておくべきでしょう。

こんな会社になって欲しいですね。あなたの会社では風通しの良い報告が実践されていると言えますか?



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