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水は低きに流れる

 今日は、日々の仕事が溜まっている時のモチベーションと生産性を考えてみたいと思います。といってもデータで分析するということではありません。どちらかと言えば気持ちや心の持ち方に寄っている内容です。気楽に読んでください。宗田さんが企画した「あなたの推しごと教えてください」の記事を投稿していて、追加で浮かんできた記憶です。


 もし、多くの仕事が溜まってしまった時、あなただったらどんな心理状態になると思いますか? ちょっと想像してみてください。

・このままだと終わらないという焦りがでる
・残りの仕事量に対しての絶望感を感じる
・自分のスキルのなさを悲観する
・その場から逃げ出したくなる

 こんなことを考えるようになってしまうと、できるはずの仕事もできなくなってしまいますね。たいてい、仕事に対する心構えとしては「難しい仕事を先に実施して、心が落ち着いたところで簡単な仕事を捌いていく方が、すっきりとした心で仕事に対応できるはずだ」そんなことを考えるのではないでしょうか?
もちろん、そんなケースも多々あるでしょう。難しい仕事を終わらせるとホッとする気持ちを感じますよね。

 だれしも心の負担を軽くしたいと思うのは当然なことです。では、難しい仕事に最初に手をつけるのが本当に楽になるのだろうかということを考えてみましょう。もしかすると落とし穴があるかもしれません。

 例えば、溜まっている仕事全部を10日間でこなさなければならない状況にあると仮定した場合に、難しい仕事が1件、簡単に処理できそうな仕事を10件抱えているとします。難しい仕事には7日間くらいはかかってしまうだろうと思われた場合、果たしてその難しい案件から対応すべきでしょうか?

 この時に考えるべきことは、手伝ってくれる要員が自分以外にいるのか、いないとしたらどんな段取りを考えるべきか、ですよね。

 そんな時、私は簡単な仕事を脇目も振らずこなしていくことを考える時もあります。そして、その時は10件の仕事を3日間でやり遂げることを目標にします。もしそれができれば、3日後には、11件の仕事のうち10件が終わっている状況を作ることができるのです。そして、一番難しい仕事に取り組む時に、この仕事を6日間でやり遂げたら1日余裕が生まれることになります。もしそうなれば、気になっている研修も受けられるなという新たな目標も浮かんでくるようになります。考え方を変えるだけで、モチベーションがあがり、生産性も上がり品質も維持できるような取り組みに変えられるのです。しかし、うまくいくことばかりではありません。難しい仕事が万が一予定通りに終了しなくても、終了できなかったのはその1件の仕事だけという状況ですよね。全てできなかったことと比較すると全く違います。周りの評価も変わってくるでしょう。

 最初に難しい仕事を6日間の予定で実施して、7日目からは着手した仕事が終わっていなくても残りの仕事に切り替えるという計画も考えられます。しかし、この時は終わらせることができなかった仕事を気にしながら他の仕事に取り掛かることになりますので、品質に不安が生じます。仕事はきちんと終わらせることで次の仕事へと気持ちも切り替えられるのです。一点集中した方が効率は良いわけです。

 簡単な仕事を先に実施するということは、実施した件数や量で安心感を得るためなのです。手元に実施しなければならない仕事がたくさん残っているとそのこと自体がプレッシャーとなり、実施している仕事の品質に影響することが少なくありません。なので「これが終われば終了」という状態に自分の気持ちを早く持っていくということはそれなりに重要な影響を与えると私は考えます。

 単純化して説明しましたが、実際にはもっと大変ですよね。通常はもっと複雑な条件が絡んでくることになります。たとえば、以下のような条件やリスクが考えられます。これらのことを最初に洗い出して、実施する順番を決定する必要があり、期間内に終了させることが確約できない場合は、上の人に対応を相談するべきでしょう。

・10件の仕事が思ったより大変で3日間で終了しないかもしれない
・1件の難しい仕事は実は7日間かけても終わりそうにない仕事になるかもしれない
・11件の優先度が同じではなく期限内に終了しないと損失が大になる事案がある
・残業を最初に考慮できるか、残業分は休暇に振替られるのかを確認していない
・途中で病気や事故にあった場合はどうすればいいか考えていない

 実際の仕事は単純化して考えることは難しいのですが、一つの考え方に固執しないでその時に自分が行動できる範囲や条件、リスクを見極めた計画を立てることが重要ということになります。そしてその計画を立てるときは、どうすれば自分の負担(心も体も)を軽くできるかということを考慮することが重要なのです。仕事に対峙しているということは常にプレッシャーとの戦いの中にいるわけですから、どうすればそのプレッシャーをより軽くできるかということを考えることで、心にも体にも余裕が生まれ仕事の品質も向上することでしょう。

 仕事に取り組むとき、責任感を持つことはとても重要ですが、時間の有効利用と自分を大切にする心も必要だということです。勢いや気持ちだけの精神論を掲げて仕事に取り組むべきではありません。自分をいじめてもあまり良い結果は得られないものです。仕事とはその結果が、誰かにとっては重要な意味を持つということを念頭に置いてしっかりと計画することが重要なんだと思います。そして、計画に沿って実施できそうにない状況になったらまず計画を見直すことも大切ですね。そして、そのことは自分一人で背負うのではなく、計画を共有するということも重要です。仕事はチームや組織で実施するほうがいいと思います。

 心配事がどんどん増えると、水が低い方に流れ込んでくるように、自分の心の中心配事が流れ込んできて不安で満たされてしまうことになります。逆に「ここまで終わった」という安心感の連続を作ることができれば、心配事の代わりに希望や安心感がどんどん流れ込んでくることになるでしょう。同じ仕事を実施するにしても大きな違いがあると思いませんか?

 ぜひ、自分を大切にすることができる人になりましょう。
 あなたの周りにいる人たちや組織のためにも。

 長文となってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。仕事をする時の考え方の一助になれば幸いです。

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いつも読んでいただきありがとうございます。
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